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【ミャンマー】子どもたちの未来のために、学校教育支援(8)

Global News Asia / 2016年2月12日 10時0分

 食べた後の磨き残しは、それだけで虫歯リスク高めてしまう。高齢者の訪問診療の専門家でもある前田龍一先生は、「多くの家庭で、子どもに朝食や間食にとても甘いインスタントのコーヒー・紅茶ミックスを飲ませていることがわかった。小さいうちから甘いものに対する感覚がついてしまうのではないか」と最近の子どもたちの生活習慣を危惧。適切な磨き方の必要性を指摘した。

 生活状況の調査を終えた一行は、ロンカン中学校に戻った。小児歯科・スポーツ歯科にも精通し、4年連続の参加となる小山和彦先生から「TOOTH FAIRYの校舎で、みなさんがしっかり勉強をして世界を素晴らしくしていってほしいです。そのために、少しでも私たち歯科医師がお手伝いできればと思います。私たちが、今日みなさんの口の中を診させてもらうことで、みなさんの健康に役立つことができれば嬉しいです」と挨拶があり、いよいよ歯科健診がスタートした。

 歯科医師たちは、健診担当、記録用健診フォーム記入担当、歯の状態チェックシート記入担当と3人1組で、各担当をローテーションさせながら、小学生から中学生まで9学年370人の健診をすることとなった。初めての歯科健診に緊張しつつも興味を隠しきれない子どもたちが行列を作った。きれいな歯の状態の子がいる一方、虫歯だらけの子も多い。宮崎から2回目の参加となる葉清貴先生は、「通常ならば抜歯しなければならない程、乳歯の奥歯の虫歯が大きいので、本来の生え変わる時期の前にボロボロなっている子も何人かいた。そのため、これからは噛み合わせや歯並び・顎関節症などの、この地域で今まではあまり問題とされなかった口腔内の問題が出てくるのではないか」とシャン州の子どもたちの歯の状態を分析した。

 健診が終わり帰路に就く歯科医師たちを、子どもたちが船着場まで元気いっぱい見送ってくれた。今回のTOOTH FAIRYボランティアツアーでは、2日間で650人以上の子どもたちの歯科健診を実施。初めて「歯医者さん」を見た子どもたちが、少しでも「歯を大切にする」意識を持つきっかけになれば、というのが今回ボランティアに取り組んだ歯科医師たちの願いだ。もし、通っている歯科医院で、ピンク色の妖精ステッカーを見かけたら、そこはTOOTH FAIRYプロジェクト参加医院だ。あなたの歯科治療が、確実にミャンマーの子どもたちの笑顔につながっている。

(※)2016年1月29日配信「子どもたちの未来のために、学校教育支援(7)」参照。リンクは関連記事にあります。
【執筆 : 日本財団 田中麻里】


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