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【ミャンマー】子どもたちの未来のために、学校教育支援(12)

Global News Asia / 2016年4月8日 11時30分

2011年度建設インポーコンユワティッ中学校分校の子どもたち。(2013年2月撮影)

 2016年4月8日、NGOセダナーの学校建設を通じた地域開発事業。

 2016年4月4日、ヤンゴン国際空港から程近いマヤンゴン地区にある商業ビルの一室にNGOセダナーの職員16人が集結した。ミャンマー語で「思いやり」という意味の「セダナー」は、シャン州で学校建設を通じた地域開発事業を実施している。この日、年次総会が開催され、シャン州南部のタウンジー事務所から7人と北部のラショー事務所から5人、そしてヤンゴン事務所から4人が一堂に会した。

 シャン州は、ミャンマー北東部に位置し、七地方域・七州で最も広い面積を持ち、シャン族をはじめ、ダヌー族、パオ族、インダー族などが居住するミャンマー随一の少数民族州だ。2002年、このシャン州で、日本財団の支援を受けセダナーの事業は始まった。

 年次総会を取り仕切るスー・トゥエ・ミン総務部長は、セダナー立上げ時からの職員。在職14年目のベテランで、流暢な日本語を話す「スーさん」は、「前職はヤンゴンの旅行代理店で働いていたので、初めてシャン州の現場を訪問した時は、かなり戸惑ってしまいました」と、設立当時を振り返る。

 それもそのはず、シャン州は経済の中心地から遠く離れ、少数民族武装組織の勢力下に長く置かれたエリアもあり、社会インフラや住民の生活基盤整備が都市部に比べ著しく遅れていた。中でも、教育現場では、校舎の老朽化、教員の不足、教材・備品の不足など、多くの問題が山積。授業料は無料でも、こうした学校運営まで政府の教育予算が行き届かず、校舎の修理、備品の購入、さらに補助教員の確保まで全て保護者が負担してなくていけないことも。これを賄いきれずに子どもに通学を断念させるケースが相次いでいた。セダナーのプロジェクトは、この悪循環を断ち切るために学校を中心とした地域開発の仕組みづくりを目指した。

 年次総会で、若手職員の事業発表に熱心に聞き入るのは、ティン・レイ常務理事。環境保全林業省森林局の職員を30年勤め上げた後、「ミャンマーの礎となる教育に貢献したい」と、設立間もないセダナーに入った。今年80歳を迎えるが、精力的に学校建設地の村々を回っている。「新校舎を見た子どもたちや村の人たちの笑顔」が元気の源だそうだ。

 セダナーの事業は、学校建設のニーズがある村に職員が何度も訪れ、「やる気」のある村の選定から始まる。建設地域の決定と同時に、村の世話役、校長や保護者、僧侶などからなる「学校建設委員会」を設置。建設前には、委員会メンバーと地元の大工が必ずセダナー事務所を訪問する決まりで、セダナー職員からミャンマー教育省の基準をもとに作成した模型を使った校舎建設基準の解説講座を受ける。
 
 さらに、基礎工事に携わる村の住民への数回に渡る事前説明会も欠かせない。セダナー事業方針に賛同した住民が、基礎工事や校舎建設工事に参加する。建設中、何か問題が起こるたびに、現場を訪問し、住民の相談にのるのもセダナー職員の役目。タウンジー・ラショー事務所の職員は、週の半分以上を、建設現場の村で過ごしている。

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