【金正男氏殺害】マレーシアと北朝鮮が非難合戦 異例のマレーシア駐北朝鮮大使を召喚へ
Global News Asia / 2017年2月21日 16時40分
2017年2月21日、北朝鮮の金正男氏殺害事件で、クアラルンプールの康哲(カン・チョル)北朝鮮大使は、「マレーシア政府が南朝鮮(韓国)と政治的な共謀をしている」と不満を表明した。さらに「殺害されたのは、外交官パスポートを持つ金楚(キム・チョル)氏であり、一般人ではないので、検視せずに速やかに引き渡すべきだ」と改めて強調した。
それに対し、マレーシアのザヒド副首相は、「マレーシアが他国と共謀することはない。我が国に対する侮辱である」と北朝鮮を非難した。
さらにマレーシア外務省は、20日、駐北朝鮮大使を召喚することを発表。すでに出国し、経由地の中国北京で記者団に対し、「北朝鮮と我が国は友好国だ。調査は公正に進められている」と語るも、一時帰国ではなく、召喚は異例で、マレーシアによる北朝鮮に対する強い外交メッセージと言える。
マレーシアと北朝鮮は1973年に国交樹立以来、東南アジアでも最大の友好国の1つとされ、昨年10月にシンガポールが北朝鮮との相互ビザなし渡航を取り止めたので、現時点においてマレーシアは、東南アジアで唯一の相互ビザなし渡航を実施していることになる。
今回の金正男氏殺害事件の舞台となったマレーシアでは、昨年4月8日に発生した中国の北朝鮮レストランからの集団脱走時にも韓国へ向かうための経由地として利用された経緯がある。実は、マレーシアの前にタイも経由しているが、北朝鮮人はタイではビザなし入国できないため入国せずにトランジットして、マレーシアで入国後1泊している。
事件を報じるマレーシアメディアには、北朝鮮との相互ビザなし渡航を見直すべきだとか、マレーシアにとってメリットがないなどの書き込みを見つけることができる。
【執筆 : 中野 鷹】
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