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北朝鮮について真偽その1 北朝鮮は国際的に孤立? 国交がないから日本人は行けない?

Global News Asia / 2017年4月6日 9時0分

北朝鮮国旗(撮影:中野鷹) 

 2017年4月5日午前中にもミサイル発射実験を行うなど、日本のテレビで北朝鮮の動向が報じられない日がないくらい、北朝鮮を取り上げる頻度が高い。その影響もありほとんどの日本人は北朝鮮に対して、いつ暴走するか分からない怖い国だと、実態とかけ離れた虚構や感情も入り混じったネガティブなイメージを抱いているのが一般的だろう。

 訪日した中国人が、日本は北朝鮮の情報だらけだと驚くほど、日本のメディアやインターネット上には、北朝鮮情報があふれている。しかし、その中にどれだけ正確な情報があるのかを考える機会は、少ないのではなかろうか。
 
 今回は、インターネット上でまことしやかに語られる、北朝鮮情報を検証して、真偽についてお伝えしたい。

 ・北朝鮮は国際的に孤立している。

 よくテレビでも語られる内容だ。しかし、2017年4月現在、北朝鮮は、世界164カ国(166という統計も)と、国交を結んでいる。国連加盟国が192カ国なので、ほとんどの国と国交を結んでいることが分かる。国交を結ぶ=人の往来や交易を活発するというわけではないので、国交はあるが、実質的な関わりがない国も含むことになる。
 
 先進国で北朝鮮と国交がないのは、アメリカ、日本、フランスくらいで、朝鮮戦争で国連軍として戦ったイギリスは2000年に国交を樹立している。当然ながら分断した韓国とも国交はない。北朝鮮と韓国が同時に国連加盟した1991年以降は、南北等距離外交をとる国が多く、さらに2000年イギリス、2001年にはカナダやニュージーランドと国交樹立など2000年以降も北朝鮮と国交を結ぶ国は地味に増え続けているのが現実なのだ。
 
 ・北朝鮮と日本は国交がないから日本人は北朝鮮へ行けない。

 これもよくまことしやかに書かれていることが多いが正しくない。たとえば、日本は台湾を国家として承認していないため国交はないが多くの直行便があり、日本人の人気観光地になっているわけだから、国交の有無=行ける行けないは無関係だ。

 現時点で北朝鮮が入国を許可していないのは韓国人だけで、直接戦火を交え休戦中のアメリカ人でさえ、入国することができる(訪朝するアメリカ人は年間300人~500人と推定)。なお、韓国籍でも在日韓国人(朝鮮籍から韓国籍へ変えた人も含む)は訪朝できる。

 ・パスポートに北朝鮮の入出国スタンプがあるとアメリカや韓国へ行けない。

 これも信じ込みそうな内容だが、これもまったく正しくない。北朝鮮へ観光入国する場合に取得する査証(ビザ)は、別用紙になっており、その別用紙へ入国スタンプを押しそれをパスポートへ挟み、出国時は、再び別用紙に出国スタンプを押し、そのまま別用紙(査証)は回収されてしまうから、北朝鮮のスタンプは一切パスポートには残らない。このオペレーションは、かつて旧ソ連が実施していたことから、旧ソ連式とも呼ばれる。パスポート上には何も残っていないので、アメリカだろうと韓国だろうと、問題なく入国できるわけだ(ただし、北朝鮮滞在期間は空白になってしまうので厳密に調査すれば分かる)。
【執筆 : 中野 鷹 】

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