北朝鮮が3人目のアメリカ人拘束を発表ー個別交渉材料に利用か
Global News Asia / 2017年5月6日 7時32分
2017年5月4日、中国国営テレビ『CCTV』は、3日の北朝鮮国営の『朝鮮中央通信』が、先月末に平壌科学技術大学の韓国系アメリカ人教授を「国家転覆を図る敵対的な犯罪行為」の容疑で拘束したとの発表を報じた。
拘束されているのは、平壌科学技術大学へ会計学教授として招集されていた50代のキム・サンドク氏。4月22日に平壌国際空港から出国するところを拘束されたという。これで長期拘束されているアメリカ国籍者は3人となる。
北朝鮮は、現国家体制を承認させ、朝鮮戦争を休戦から終戦へ移行させるための単独交渉を、アメリカと行うことを目指す国家的な悲願がある。その交渉材料に拘束しているアメリカ人を利用しているのだ。
2016年1月2日に同じく平壌国際空港で拘束され、1月29日に記者会見を開き、自ら敵対行為の罪を認めたアメリカのバージニア大学3年のオットー・フレデリック・ワームビア氏は、懲役刑に相当する労働教化15年の判決を受けている。
オットー氏が北朝鮮に滞在しているときに同じ羊角島ホテルに滞在していた日本人は「1階フロント前の深夜0時過ぎまでやっているカフェで、オットー氏ら数人のグループが楽しそうに飲んでいる姿を見ました。帰国してニュースで彼の顔を見て、背筋が凍りました」と話す。
過去には拘束されているアメリカ人を解放するために、カーター元大統領やクリントン元大統領が訪朝ししたことがある。今回もそのような政治手段に利用される可能性が高い。
【執筆 : 中野 鷹】
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