(続)◎海外からも注目される、縄文時代エンタメ漫画の描き手女性漫画家・竹姫さん
Global News Asia / 2019年5月13日 14時30分
2019年5月、日本は今、「縄文ブーム」に沸いている。ここ数年、全国各地の縄文時代の遺跡やミュージアムを訪れる人は、「土偶女子」などと称される若い女性を中心に、確実に増えてきているとされ、日本最大級の縄文遺跡とされる青森県青森市の三内丸山(さんないまるやま)遺跡には、平成から令和にかけての10連休中、「1日平均約3000人が訪れた」(事務局職員)そうで、同遺跡は施設の充実やサービス向上のため4月6日から有料化に踏み切ったが、「大きな落ち込みはない」(同)という。また、東京・上野の東京国立博物館で昨年開催された特別展「縄文―1万年の美の鼓動」では、開催期間(7月3日から9月2日)中の入場者が35万人を突破した。生命がもつ凄まじいエネルギーを感じさせる火炎土器や多産と豊穣を祈ったとされるキュートな土偶などが、IT(情報技術)の進歩やAI(人口知能)の普及などによって人間の存在理由が改めて問われる中、人々の心を引き付けるのかも知れない。そんな中、稲作の伝来によって古代の社会が大きく変わった縄文晩期を舞台とする歴史エンタメ漫画が発売された。
「新日本縄文書紀」(KKベストセラーズ)で、女流漫画家・竹姫(ちくひめ)さんの作品。女性向け乙女コミック・時代モノ・オカルトモノ・ホラーなど多彩なジャンルを手掛け、多数のコミックスが発売されているが、代表作は「時遍路」(上下2冊)。松文館無頼コミックスから出版されており、女性自身で連載されていたものだ。また自身のpodcast番組を持ち、そこから歴史や民俗学に関する配信を行っている。実力派で、古代史への造詣も深い。そんな竹姫さんに縄文ブームについてきいた。
問い もし、われわれ現代人が縄文人から学ぶことがあるとすれば、どのような点でしょうか。
答え 生きることにしたたかになる、ということでしょうか…。作中の登場人物であるポポの言葉に「諦めは死への入り口、生き抜くことが未来への扉」といったものがありますが、とにかく生あるうちは生きる。無理をしようとすれば必ずどこかにヒズミが生れて後々ダメージになりますし、生きていくことはそれだけでも結構大変なのだから、誰もが「何者か」になる必要はなく、確実に訪れる死に向かって日々を悔いなく暮らしていく。そういったことかと思います。
問い 漫画の原作(信太謙三氏の小説「天孫降臨」)があったとはいえ、だれも目にしたことがなく、しかも、資料が乏しい縄文時代を描くことは容易なことではなかったと思います。
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