インド「与党圧勝でモディ政権の基盤強化」不透明感後退ーHSBC投信
Global News Asia / 2019年6月4日 13時0分
2019年6月4日、HSBC投信は、与党圧勝でモディ政権の基盤強化、不透明感後退している状況につてレポートを発信した。
(レポート)インドの下院総選挙は、ナレンドラ・モディ首相が率いる与党インド人民党(BJP)の独り勝ちで終わり、モディ政権2期目(2024年までの5年間)の政権基盤は一層強固になった。BJPは前回2014年総選挙で30年ぶりとなる単独過半数を獲得したが、今回はそれを上回る歴史的な勝利を収めた。BJPの2期連続勝利は、政策の継続、5年前のモディ政権発足以降に打ち出された数々の改革推進への期待を高めている。
インド下院総選挙の投票は、4月11日から5月19日まで6週間にわたり7回に分けて行われた。最後の投票後に発表された出口調査は、ほぼ例外なく与党インド人民党(BJP)の優勢を伝えていた。それでも与党の圧勝を示唆するものではなかった。
インド株式市場では、出口調査によってBJPに有利な状況が判明すると株価が上昇した。株価は、選挙結果の発表後に一時的に高騰したものの、その後は冷静さを取り戻し、落ち着いた展開となった。
BJPが地滑り的勝利を収めた要因としては、強いリーダーを求める傾向、野党の足並みの乱れ、パキスタンとの軍事的緊張による国防への関心、 ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)、ヘルスケア、衛生、インフラ整備等の分野における政策推進への期待、などが考えられる。
選挙前には、農村部の困窮、雇用の低迷、高額紙幣廃止および物品サービス税(GST)の導入に伴う短期的な混乱が選挙結果に影響をもたらすと指摘されていたが、実際には有権者の投票行動には影響を及ぼさなかった模様である。
今回の総選挙では、約9億人の有権者のうち6億人以上が投票した。投票結果からは、BJPが支持基盤を拡大・深化させたことがうかがえる。例えば支持基盤の地域的広がりは、伝統的な牙城であるインドの中央部・西部から東部にまで及んでいる。
モディ政権の10年:2期目(2024年までの5年間)に期待すべきことは何か
ここ数カ月間、景気指標の一部が軟調となり、景気減速への懸念が出ている。2018年に起きたノンバンク金融事業会社(NBFC)の経営破綻が引き金となった流動性収縮などを背景に、足元の消費は鈍化している。
政府には景気刺激策を打ち出す財政的余裕はあるだろうか。これについては、税収が政府見通しを大きく下回っているため、疑問が持たれている。
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