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(2)南シナ海問題で、明治大学 伊藤 剛 教授に話を聞くー国営ベトナム通信

Global News Asia / 2019年8月4日 15時0分

明治大学大学院 政治経済学研究科 伊藤 剛 教授 (国営ベトナム通信・東京支局で2019年8月2日撮影)

 2019年8月2日、領有権・排他的経済水域・航行の自由など「南シナ海問題」をめぐる対中姿勢は複雑化していて分かりにくい。国営ベトナム通信の記者が「ASEANと海洋問題」に詳しい、明治大学 伊藤 剛 教授に話を聞いた。

Q:南シナ海は、日本にとって重要な輸送ルートだと言えます。南シナ海の緊張に関する日本の立場を教えてください。

A:伊藤剛氏 まず第一に、日本は国際的な輸送路がロジスティックスな関係から、南シナ海は重要な地域であることは間違いないです。中東から出発して日本にやってくる石油タンカー、毎日2隻以上のタンカーが日本につかないと日本のエネルギー需要というのは枯渇すると言われていて、だいたい二カ月ちょっとの期間が中東から日本に来るまでにかかります。

というのは、単純に考えて百数十隻のタンカーがずっと中東から数珠つなぎになってやってきているということがわかります。その殆どが南シナ海を通って来るわけです。いかに日本にとって南シナ海が重要であるかです。石油だけのことを考えても(南シナ海が重要であるということ)明らかです。

ですから、日本としては南シナ海が何よりも安全な場所であるといううことが重要です。これが何よりも大事なことです。

 次に大事なことは南シナ海が安全であるために日本が何をすべきかということです。日本は、台湾やベトナムや中国、マレーシア、インドネシアのように領域、つまり領土を主張する国ではないので基本的には領土主張とは異なる立場をとっています。

 しかし、何よりも安全であることが重要なので、例えばアメリカの航行の自由作戦でもナビゲーションを一貫して支持しています。それからアメリカと一緒に南シナ海で日本の海上自衛隊が追尾して監視行動を行うなどの活動をしています。つまり、領土を主張するわけではないけれども、南シナ海が安全であるための活動というのは憲法の活動の範囲内でできることは努めている、というのが日本の政策です。

Q:中国は大国だと言えます。しかし、南シナ海を占領するためベトナムのような国を脅かしています。それではベトナムや東南アジアの各国は何をすべきでしょうか? 教えて下さい。

A:伊藤剛氏 中国がベトナムに対して直接行動を取るのは、中国とベトナムの関係だけではないのですが、常に紛争や論争、衝突が起こっても自分たちが勝てると思っているから大きく暴力的な態度に出てくるわけです。

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