インド、施行3年目の破産倒産法はなお「仕掛中」HSBC投信レポート

Global News Asia / 2019年8月9日 6時45分

図表1

 2019年8月8日、HSBC投信投信は、『施行3年目の破産倒産法はなお「仕掛中」』のタイトルで、インド経済レポートを公表した。

(レポート)インドが破産倒産法を導入してから3年が経過したが、政府は、時間的制約のある破綻処理を効果的に進めるために、未だに法律の微調整と法の抜け穴を塞ぐ作業を続けている。インド議会(7~8月が会期)上下両院では、政府提出の「2016年破産倒産法(IBC, Insolvency and Bankruptcy Code)」 に関する最新の改正法が成立した。改正法によって、有担保債権者の優先弁済権が復活する。

 今回の法改正によって、債権者委員会に倒産処理における債務者の財産の分配に関して明確な権限が付与される。つまり、これまで認定されてきた債権者の優先順位が維持されることになった。

 今回の破産倒産法改正法はインドにとって特に重要なものとなった。それは、巨額の負債を抱えて倒産したインドの鉄鋼大手が破産倒産法のもとで再建手続き中であったからだ。同社の破綻処理を巡ってインド会社法上訴審判所(NCLAT)は債権者委員会の決定を覆し、同社の財産は全債権者に平等に分配されるべきだとの審判を下した。これによって、有担保債権者は無担保債権者及び事業債権者と同等に扱われることになった。そして、NCLATの審判で、有担保債権者である金融機関の債権回収率は90%前後からわずか60%に減少する可能性が生じた。財務相はこの審判について「深刻な法解釈上の問題」があるとコメントし、政府に破産倒産法の立法趣旨に変更がないことを明確するために、改正法案の提出を求めた。

 政府は、その後、他の改正点も盛り込んだ新たな破産倒産法改正法案を議会に提出した。改正点には、企業破綻処理期間を330日までとすること、それに伴う関連する法律、訴訟手続きなどの改正、さらに再生計画がすべての利害関係者に対して拘束力を持つことを明記することも含まれた。

 破産倒産法は破綻処理期限を当初は270日間としていたが、実際の処理期間はそれを大幅に超えていた。その主な原因は、破綻処理の関係者たちによる上級審判所への控訴合戦であった。財務相は、約12件の大型倒産で破綻処理期間が600日以上に及んだことを明らかにしている。最新の破産倒産法改正法にはいずれも法律の効果と効率を高めることを目指す7項目の改正点が盛り込まれた。

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