南シナ海紛争の解決策は? 中国の海洋調査船団、ふたたびベトナムのEEZに侵入
Global News Asia / 2019年8月16日 17時15分
2019年8月16日、中国の海洋調査船団がベトナムのEEZに9日ぶりに、14日再び侵入し、調査活動を再開した。一時的に退去したことに意味があったのかどうか不明だ。
南シナ海情勢に詳しい、ベトナムの専門家に話を聞いた。『この約3カ月間、南シナ海で中国が緊張状態を作っていたことに対し、ASEAN外相会議は、中国の自国第一主義の野望について警鐘を鳴らした。関連する国々が直接また間接的に南シナ海の安全と平和を確保するため全面的に協力するとのことです。6月初め、中国船(Yuemaobinyu42212)は、民兵船を魚船にカモフラージュし、フィリピンの漁船と衝突し沈没させ、溺れている22人の漁民を救助せずに逃げた。その間、中国の海洋警察船もマレーシアのEEZ内Luconia浅瀬に侵入し、マレーシアの石油掘削リグSapuraEsperanzaの活動を妨害した。
6月末から7月初めにかけ、中国が南シナ海ベトナムの大陸棚の一部に、実弾とミサイル発射の演習を行った。更に情勢の深刻さが増し、7月初めから中国の海洋調査船(海洋地質8号)は、中国海洋警察の警護の下、南シナ海のベトナムの排他的経済水域である大陸棚バングアド浅瀬(Vanguard Bank)付近に調査活動を入ったのだ。この海域は1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、ベトナムに調査と開発の権利があるものだ。
中国の行動は日に日に増し、自らの公言と国際条約に逆行している。中国が1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)に参加し、南シナ海行動宣言(DOC) を尊重すると表明し、南シナ海「行動規範」(COC) 交渉の努力を表明したのだが、実際には、中国が紛争海域に侵入し、問題を引き起こし、関係各国と国際社会に不安を与えている。
過去と現在の情勢による南シナ海の紛争問題と領土問題は、世界一複雑な問題になっている。早期の全面的な最終解決策を生み出す可能性がないのであれば、南シナ海の平和の維持、安定と安全保障のために各国が協調することが、中国に対抗する策となる。
まず、第一に、中国の一方的で粗暴な行動に対し、ASEAN各国は団結し、はっきりと中国に意志を伝えることだ。タイのバンコクで第52回ASEAN外相会議とその関連会議での共同声明では、南シナ海情勢を懸念した中国が海域の暗礁を改造し、調査活動など深刻な事案を起こし、信頼関係を損ない緊張を高めた行為に対し、中国を非難した。中国の行為は地域の平和、安全保障、安定を脅かしている。関連する国々はお互い信頼して情勢が複雑化する行動を自粛し、平和的紛争解決のためUNCLOSを含む国際法の下で探究しなければならない。
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