【フィリピン】超大型台風18号で被災した農民を救済するため『シードバンク設立』緊急支援を呼びかけ!
Global News Asia / 2021年10月19日 14時30分
台風コンパスが直撃した当時の被災地の様子(アジアなりわいネット提供写真) このシードバンク設立募金の受け皿は「アジアなりわいネット」が行い、振込先など詳細は、団体のFacebookページ( facebook.com/groups/asia.livelihood.network )で公開。今後の事業の進捗状況も随時公開される。
2021年10月19日、超大型台風18号コンパスはフィリピン・ルソン島北部に甚大な被害をもたらした。被災したフィリピン・アブラ州の被災農民救済のため、日比ハーフの女優でMISS JAPAN2021に4位入賞の小池 樹里杏さんや平成26年の丹波豪雨被災者らが呼びかけ人となって、シードバンクを設立するための基金の募集を開始した。
超大型の勢力だった台風コンパスは、10月11日から12日の2日間に渡り、フィリピンルソン島北部を襲った。2日間で例年の1カ月分にも及ぶ豪雨は、ルソン島北部の5つ以上の州に及び、各地で冠水被害、土砂崩れ、道路の寸断、橋の崩落といった被害を生んだ。10月14日の時点で少なくとも19人の死者と14名の行方不明者、多数の負傷者が報告されているが、行政機関も被災していることや、新型コロナの影響で現地マスコミも十分な取材ができないため、被災の詳細は定かではない。
団体現地職員によると、現地では数百もの家屋が倒壊し、確認できているだけでも1500世帯、5,800人を超える人々が避難所での生活を余儀なくされている。また、農地が冠水したために、雨季の終わりに控えていた収穫前の水田や野菜畑の作物に大きな被害を与え、生活基盤を直撃。被災地全域を合わせた被害総額は、現在までに1億ドル(2,000万ペソ)に及ぶと予測されている。
今回のシードバンク設立主体である「アジアなりわいネット」は、2018年にフィリピンの農業とインドネシアの沿岸の生態系を研究していたメンバーが中心となり、日本とフィリピン、インドネシアをそれぞれの人のなりわいを通じてつなぐという交流事業を行う団体として設立。2018年にアブラ州から農民代表らが来日。京都府丹波地域で日本の有機農業や複合農業、生産物加工の現場を視察し、同地の農民らとの交流が行われていた。
アブラ州の農民と交流した日本の農民らは、台風コンパスのアブラ州での被害を知り、自らの平成 26年8月の「丹波豪雨」の被災経験から、台風の被害にあったフィリピン農民の生活基盤づくりに役立つようにと「アジアなりわいネット」に寄付金を申し出た。しかし、それだけでは「シードバンク」を始めるために十分な資金ではないため「アジアなりわいネット」は、広く一般からもシードバンク設立基金への寄付を呼び掛けることになった。
「シードバンク」とは、被災した現地農民が再起のために必要な農業の初期投資(種苗や子豚や雛、農業資材などの購入資金)を無利子で貸し付け、収穫が可能になった後に返済する基金のこと。この「シードバンク」の仕組みによって農民が復興したのち、基金に返済された貸付金は、基金に災害保険という形でプールされ、また災害が起きた時に基金が同じ役割を果たすように整備する計画。
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