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【コラム】日本人には到底理解できない、韓国の養子縁組制度

Global News Asia / 2022年1月14日 7時0分

韓国のイメージ

 2021年11月28日、歌舞伎の二代目中村吉右衛門丈が亡くなった。彼の母親は、初代中村吉右衛門の一人娘で、初代松本 白鸚氏に嫁ぐ際に「男の子を二人産んで、一人を中村(本名:波野)家に養子に出します」と約束した。そして、現松本 白鸚氏と吉右衛門氏という二人の男の子に恵まれ、次男であった吉右衛門氏を養子に出した。戸籍だけではなく、婆やをつけて、自分の実家に本当に渡したのだ。少子化の現代人には、理解できないかもしれないが、男系だった日本では、お家を絶やさないために、自分の子を実家に養子に出すことが当たり前だった。

 韓国では、祖父母と孫の養子縁組が否定されている。韓国では、夫婦別姓だ。やはり男系の父親の籍に子どもは属する。しかし、母親が一人っ子だったりした場合、母親の方の籍は途絶えてしまう。それを阻止するには、やはり、養子縁組が必要になってくる。だが、実の親が生きているのにも関わらず、子どもを養子にするのは、子どものアイデンティティを混乱させるというのだ。

 けれど、現代では、育児放棄をする両親が多発しているのも現実。その育児を祖父母が担ったとしても、両親がいる限り、日本における児童手当は祖父母には入らない。健康保険なども親のものに属するので、その子どもが病気した場合、医療費は丸々祖父母の負担になる。

 確かに、相続税対策のために、養子にするなどの悪用もあるだろう。けれど、それは一部の富裕層のことであって、庶民にはあまり関係ない。うがった見方をすれば、富裕層が孫を養子にする際は、意外と簡単にできるのだろう、韓国だもの。

 このほど、韓国の最高裁判所では、実の親が養育放棄したなどの事由がある場合、子どもの福利を考え、養子縁組は妥当との判断を下した。ただし、養子縁組を世の中に隠さないという条件つきだが。

 名字が廃れてしまう。これでは、養子縁組の理由は現代にはそぐわないかもしれない。けれど、育てもしない親に国からの支援金が降りて、実際に育てている祖父母が経済的困難に陥るのは避けなければならない。

 コロナ禍。ステイホームで、経済的基盤を持たない若年層の望まない妊娠も増えている(中絶するお金もないので、自力で産む一択の場合もある)。少子化は進む一方だが、生まれた限りは、経済的に最低限度守られている中で子どもは育てられるべきだ。その方法として、祖父母との養子縁組の可能性は必要だ。
【編集 : fa】

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