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インド金融政策の枠組み・HSBCアセットマネジメント レポート

Global News Asia / 2022年5月2日 12時30分

図表1

 2022年5月1日、HSBCアセットマネジメントは、 経済レポート「インド金融政策の枠組み」を発表した。

- インド準備銀行(RBI)は、2016年からインフレ目標を重視した機動的な金融政策の枠組みを導入
- RBIは、インフレ目標達成に向けて、金融調節を用いて加重平均コールレート(銀行間翌日物金利)を誘導
- RBIは、長期金利をイールドカーブ(利回り曲線)に沿う形に誘導するための政策措置も導入
-RBIには、インフレ抑制と経済成長促進の両立が求められているが、最近、金融政策の軸足を後者から前者に移行

RBIには、インフレ抑制と新型コロナウイルス感染拡大の収束後の経済安定成長との両立が求められている。 こうしたなか、RBIは、最近開催された政策決定会合にて、慎重な金融政策を維持し、政策金利を据え置いた。そこで、今回は、インドの金融政策の現状を概観するとともに、直近の政策決定会合で政策金利の据え置きが決定された背景にある、最近のマクロ経済動向について解説する。

「インフレ目標クラブ」入り

RBIは2016年以来、インフレ目標を重視した機動的な金融政策の枠組みを維持してきた。その枠組みのなか、インフレ目標値を設定しているが、その上下に許容幅を設けてある。インフレ目標値4%とそれに対する±2%の許容幅は2016年の導入以来変わっていない。

インフレ目標は中央政府により5年ごとに見直される。RBIにとり、インフレ抑制は主たる政策目標だが、経済成長に配慮することも求められている。「インド準備銀行法」の前文は、RBIの機能を「経済成長目標に留意しつつ、物価の安定を維持する」ことだと明記している。

政策金利と市場オペの目標

RBIは、市中金利に影響を与えることでインフレの抑制に取り組んでいる。例えば、金利が上昇すると借入れコストも上昇するため、消費支出が減り、結果としてインフレ圧力は低下する。

RBIは政策上、加重平均コールレート(銀行間翌日物金利)に着目している。RBIは、3つの主要な「金融政策手段」を有している。それらはレポレート、限界常設ファシリティ(marginal standing facility、MSF)レート、常設預金ファシリティ(standing deposit facility、SDF)レートである。

市中銀行がRBIから資金を借入れる場合は通常、有担保翌日物資金をレポレートで調達する。預金準備の追加的積み増しが必要になれば、市中銀行にはレポレートより高い金利に設定されているMSFレートによる借入れが可能となる(RBIに差し入れる適格担保証券の範囲は拡大)。

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