【コラム】落ち葉だって売れる！ 韓国

　韓国のマンション管理人にしては、実に誠実な仕事をする御仁がいるものだ。そんな誠実さに神様がご褒美を与えたということか。韓国ソウルの落ち葉は半端ない。既報だが、9月初めから銀杏の葉も実も片付け開始がソウル式である。

　とあるマンションでは、麻袋100個にもなった落ち葉を産廃に依頼し、5トントラック1台分7万2600円の費用を毎年計上していた。別に管理人持ち出しの費用ではないが、少しでも経費が減ればということで、SNSに「肥料としてのご入用はありませんか」と載せた。期待はほぼゼロ。しかし、農場から引き合いが来たのだ。落ち葉に価格はつかなかったが、運送費はタダになった。

　ゴミにして焼却されるよりも、農場で環境にやさしい追肥になる。これはCO2の減少化を考えても、お互いにウィンウィンな状況だ。

　一つ何かが成功すると次の何かにチャレンジしたくなるものかもしれない。マンションの敷地内の道路などの白線引きも住民でやってみた。すると塗装量代の7万2600円で済んだ。業者に頼む10分の1になった。

　買ったマンションだし、管理人にだって給料出しているんだし、必要経費だって都度出せば全部「お金」で解決するのかもしれない。けれど、それらのことをマンション内のレジャーの一環として行う。住民たちの連帯が深まる。それは地球への愛になり、1人の人間として自信が持てる。(どちらもだが)たった7万2600円がもたらした発見は大きい。韓国人も人間として少なくとも成長できた気がする。

　落ち葉が面倒だと、公共の公木に知らんふりして除草剤をかける事業体に学んでもらいたいことだ。
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