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【1泊2食付き1万円〜2万円未満】露天風呂も食事も「お値段以上」の感動を味わえる!…温泉学者が絶賛する、コスパ最強の〈温泉旅館〉10選

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月23日 16時0分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

宿泊代はおさえながら、高いクオリティの温泉と食事を楽しむことのできる旅館があることを知っていますか。温泉学者であり、医学博士でもある松田忠徳氏が、全国各地にある「お値段以上」の温泉旅館を紹介します。

「お値段以上」の湯宿

どこかの企業のTVコマーシャルに出てきたようなタイトルで恐縮ですが、私の温泉旅行の一番の楽しみは、まさに「お値段以上のお宿との出合い」です。コスパが良い宿を見つけられたときの喜びは、良質の温泉並みに心身に効くような気分になれます。

そのような温泉旅館を何軒かご紹介しましょう。選択の基準は1泊2食付きで1万〜2万円未満を目安とします。

01.銀婚湯温泉「温泉旅館銀婚湯」(北海道八雲町)

5,000坪もある河畔の雑木林に木造2階建て、21室の落ち着いた雰囲気の佳宿。男女別の雰囲気のいい露天風呂付きの大浴場の他に、林の中に清流を間近に望む野天風呂が4ヵ所と内湯が1ヵ所点在するのは、「さすが北海道!」です。四季の移ろいを肌で感じられる「銀婚湯」なら、2、3日の連泊もしたくなるというもの。

渡島半島にあり、ぜいたくにも太平洋と日本海にも近く、また「銀婚湯」の所在地八雲町は酪農業の町だけに食材にも事欠きません。地場の食材をていねいに味付けした料理には定評があります。1万円余から泊まれるとはにわかには信じがたい「お値段以上」の宿でしょう。

02.養老牛温泉「湯宿だいいち」(北海道中標津町)

全国随一の酪農地帯の一角に位置するだけでなく、近くの根室の花咲ガニ、厚岸の牡蠣、野付半島の北海シマエビ、知床半島のトキシラズ、銀ダラ等々。地元で手に入らない一級の食材は伊勢エビとフグぐらいでしょうか。食の宝庫・北海道にあっても群を抜いています。

特別天然記念物のシマフクロウが飛来する宿としても知られ、国内はもちろん欧米からも“自然派”の富裕層がグループで訪れ、世界遺産・知床の大自然にふれ、最高級の旬の魚介類と星見露天風呂、釣り糸をたらすこともできる渓畔の大きな露天風呂など、多彩な風呂に酔いしれています。

03.乳頭温泉郷「鶴の湯温泉別館山の宿」(秋田県仙北市)

地元田沢の雑木だけで建てられたという曲がり屋の建物が若い人たちに人気です。フロントのある母屋とわずか10室の宿泊棟は長い廊下で結ばれており、館内はまさに山荘のように静かです。

食事は囲炉裏端料理。地場産の山の芋と山菜など、山の幸を盛り込んだ「山の芋鍋」は自家製の味噌仕立て。網のうえで炭火で焼く地元の野菜、山菜、きのこ、近くの田沢湖で釣り上げたイワナなど、日本人なら郷愁を感じる懐かしい田舎の味の数々でしょう。温泉はすべて貸し切り風呂。近くの本館「鶴の湯温泉」の名物大露天風呂も利用できます。

04.蔵王温泉「和歌の宿 わかまつや」(山形県山形市)

わが国屈指の古湯、蔵王で創業明暦元(1655)年以来の暖簾を守る「和歌の宿 わかまつや」。歌人・斎藤茂吉ゆかりの宿で、茂吉直筆の作品も館内に展示されています。

16トンもある蔵王目透石の巨岩をくり抜いた露天風呂からあふれる濁り湯の肌ざわりの良いこと。古来、名湯の誉れが高いだけあります。もちろん源泉100%かけ流しです。

「わかまつや」の一番の楽しみは食事。何度泊まっても、ここの食事は楽しいのです。豊かな自然に抱かれた山形の旬の食材はもちろん、器、盛り付けにもこだわりが感じられるのは嬉しいもの。「五感で料理の季節感を感じて欲しい」とのメッセージと、受け止めています。

「シニアの方には量より質を重視した会席料理」というのも、老舗旅館ならではの配慮が感じられます。最高級の米沢牛を食べられたら幸運です。秘伝の塩スープで煮込んだ紅花鶏つくねの鍋も逸品。朝食の色彩感あふれる盛り付けは、今日も元気に旅立たせてくれます。

05.奥鬼怒温泉郷「手白澤温泉」(栃木県日光市)

長い木立のトンネルを抜けると、硫黄臭のする湯煙が上がります。奥鬼怒でも最深部、標高1,500メートルの高所に湧く一軒宿の「手白澤温泉」。ここに来るには麓の女夫渕温泉の駐車場(女夫渕駐車場)から、ブナの森を2時間半近く歩かなければなりません。その“ごほうび”は十二分にいただけます。

客室数六室の平屋の宿の奥にある風呂がじつに素晴らしい。

とくに女性浴場には惚れ惚れとします。椹の白木造りの脱衣室から、ワイドな窓ガラス越しに内風呂とさらに露天風呂まで見通せます。

湯質も山の空気のように素敵です。“美白づくり”の単純硫黄泉で、肌に優しく、石けんののりも素晴らしい。本物の自然派向けの宿なだけに、料理も採れたて、地ものにこだわる。しかも手間暇を惜しまず、大半が自家製ですから無添加。無農薬、有機栽培のビオワイン(自然派ワイン)も、大人気とか。

絶景、名湯、こだわりの懐石料理…まだまだある、珠玉の高コスパ旅館

06.白骨温泉「小梨の湯笹屋」(長野県松本市)

3,000坪の白樺林の中に部屋数はわずかに10室。純和風の木造二階建ての清々しい宿です。渡り廊下の奥に浴舎棟があり、開放的な大浴場に思わず声を上げてしまいます。視界が広く四季の移ろいを楽しめる。いかにも山のいで湯ならではの木組みの大きな浴槽があり、湯が惜しみなくかけ流されていてじつに気持ちのよいこと。

青味が強いミルクのような湯があふれる岩組みの露天風呂は、香りといい、色といい、何よりもシルクのような感触は湯客を虜にしてしまうこと必至でしょう。

地場の食材にこだわり、丁寧に味付けされたセンスの良い山菜料理なども湯に劣らず印象的です。古民家を移築したという食事処の雰囲気も素敵。朝食に温泉粥が出ます。

07.美ヶ原温泉「旅館すぎもと」(長野県松本市)

松本市の東方約4キロメートルの丘陵地に湯煙を上げる、かつては山辺温泉とも呼ばれていた平安時代の和歌にも詠まれたという古湯です。

松本藩主の別荘「御殿の湯」跡に建てられた木造三階建ての、ジャズが流れる民芸調の粋な宿。湯船の木曽の五木で造られた浴場「白糸の湯」には、ややぬる目で肌に優しいアルカリ性単純温泉があふれています。

「旅館すぎもと」は知る人ぞ知る料理の宿です。“大人の隠れ宿”を自認するご主人、花岡流にアレンジされた創作料理にはとことん信州の素材が活かされています。「デザートは出さない」が主義といいますが、夕食の〆はご主人の手打ち蕎麦(皿数限定)。

とても楽しい夕食で、「バーひびき」など、館内は遊び心にあふれています。

08.榊原温泉「湯元榊原舘」(三重県津市)

清少納言の『枕草子』にも出てくる名湯榊原温泉の老舗で、抗酸化作用の高い自家源泉を有する源泉かけ流しの宿です。

大浴場「まろみの湯」のつるつるの源泉は化粧品にも使われるほど評判の“美肌の湯”です。人気の“源泉風呂”はぬる湯なので、長湯するファンが多いことでも知られています。しばらく浸かっていると芯まで温まり、しっとりと肌になじんできます。

「湯元榊原舘」は地元名古屋や京阪神方面では、料理の宿として定評があります。なにせ松阪牛、伊勢エビという“超ブランド”食材の産地なのですから。清少納言の平安時代を再現した創作料理や源泉を活かした地場焼土鍋の「温泉蒸し」のヘルシーな野菜なども人気が高く、私はいつも新たな創作料理を楽しみに訪ねています。

09.十津川温泉「湖泉閣吉乃屋」(奈良県十津川村)

紀伊半島の中央、屹立する嶺々の狭間に濃い湯煙を上げる十津川温泉郷は、奈良で唯一の高温泉で、しかも湯量にも恵まれています。

二津野ダム湖に面した近畿屈指の絶景露天風呂をもつ佳宿「湖泉閣吉乃屋」。樹齢150年の杉と550年のトガの大木をくり抜いた、遊び心のある露天の「ちん木風呂」や「万寿風呂」に浸かっていると、ここに至るまでの遠い道のりを忘れさせてくれます。感動的な大自然が残されていることに感謝の気持ちが湧いてきます。

地場の食材にこだわる館主が作る田舎会席は何度足を運んでも飽きません。「奈良には海はないから、海の魚は使わない」ところにも、館主の個性が表れています。鮎、アマゴ、鰻、カワマスなどの川の幸、鹿肉、猪肉、鴨、きじなどの山の珍味も、見事な味付けと調理で出てきます。本格囲炉裏部屋での食事も楽しめます。

10.岩井温泉「岩井屋」(鳥取県岩美町)

山陰随一の古湯といわれますが、現在はいずれも創業江戸時代の2軒のみ。その1軒、木造3階建ての「岩井屋」は「違いのわかる大人の湯宿」というのが私の評価です。実際、40代から70代の女性のリピーターが多いそうです。

派手さはないのですが、いつも山野草が静謐に飾られています。凜とした木造の外観もいいのですが、「鳥取を感じ取っていただきたい」と館主が語る館内は、さらに風情が感じられます。

湯質は極上の部類。複数ある風呂場からは“品”すら感じられます。

また“地産地食”に徹した魚介類や野菜の美味しさには、ここまでの距離感を一瞬にして帳消しにしてくれる、湯客を虜にする満足度の高いものがあります。

松田 忠徳 温泉学者、医学博士

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