たった1ヶ月で7,000万円の利益も…「オフィスビル投資」3つの事例【不動産売買のプロが解説】<br />
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月22日 7時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
不動産投資といっても種類は多岐にわたりますが、『御社の新しい収益基盤を構築する 区分オフィスビル投資術』(ビジネス教育出版社)の著者である〈青木龍氏〉は、中でも「オフィスビル(ビジネスビル)投資が一押しだと言います。ここでは、著書より「実際に儲かった事例」を抜粋してご紹介。おすすめの理由を見ていきましょう。
不動産投資にはたくさんの種類がある
一口に「不動産投資」と言っても種類は多数あります。
・区分マンション投資:マンションを部屋単位で購入し、賃料を得る投資。
・一棟アパート、マンション投資:アパートやマンションの全体(一棟)を購入、もしくは建設して所有し、賃貸経営をする投資。
・戸建て投資:戸建て住宅を購入、もしくは建設して所有し、入居者から賃料を得る投資(いわゆる借家)。
・駐車場投資:所有している土地、もしくは新たに土地を購入し、コインパーキングや月極駐車場などの「駐車スペース」に整備して利用者から利用料金を得る投資。
・J-REIT:REIT=Real Estate Investment Trustで日本版不動産投資信託のこと。投資信託の不動産版の解釈。通常の投資信託と同様に複数の投資家が出資する形で信託会社に資金を委託する投資。
・民泊:アパートやマンション、戸建て住宅などの一般住宅に利用者を宿泊させて宿泊料を得る投資。ホテル業の住宅版の解釈。
他にも、シェアハウス投資(所有している土地にシェアハウスを建てる)やトランクルーム投資(所有している土地にトランクルームを建てる)やサービス付き高齢者向け住宅投資(所有している土地に高齢者向け住宅を建てる)などもあります。それぞれの投資に関する書籍も多数、刊行されています。
しかし、私が不動産投資として最もおすすめするのが「オフィスビル(ビジネスビル)投資」です。
その理由はさまざまですが、論より証拠、ここでは実際にオフィスビル投資による貸事務所業(賃貸)や売買によって儲かっている事例をご紹介します。
長期保有によるインカムゲイン(賃料収入)の事例もあれば、保有後に売買したことでキャピタルゲイン(売却益)が発生した事例もあります。
どちらにしても何かしらの利益(インカム)が発生している事例ばかりですので参考にしていただき、物件の価格や賃料の相場観の学びにもしていただけたらと思います。
(1)7,000万円の物件購入で3年後に4,200万円の利益
最初の事例は浅草橋エリアの物件です。
浅草橋駅から徒歩6分、築33年、5階部分、1フロア30坪の区分オフィスが7,000万円の物件です。頭金は1,500万円(約20%)で残りは融資です。購入したのは売上高10億円の製造業を営む一般企業です。
購入の目的は「安定した営業外収益を得たい」というものでした。そこで私が提案をさせてもらった物件ですが、何よりこの物件は単純に安く、お買い得でした30坪で7,000万円でしたから坪単価が約230万円です。
周辺の相場と比べても坪単価が低く設定されていました。さらに家賃は36万円/月でしたので、年間で約400万円のインカムゲインを得られた計算になります。
こちらの物件は3年ほど所有したあとに売却となりましたが、そのときは売買単価が1坪330万円で約1億円で売却ができました。
単純計算で3,000万円のキャピタルゲインと、賃料400万円×3年間で約1,200万円のインカムゲイン――合計4,200万円の収益を得られた事例になりました。
安定した営業外収益とともに売却益も得られるのがオフィスビル投資のいいところですが、その「いいところ」が顕著に出た例だと考えています。
(2)1億5,000万円の物件購入で4年後に8,000万円の利益
2件目は新宿エリアの物件です。
新大久保駅から徒歩5分、築30年、地下1階部分、1フロア60坪の区分オフィスで1億5,000万円の物件です。
購入者の希望で頭金は3分の1の5,000万円、残りは融資です。購入したのは土木業を営む一般企業。元々、投資好きな経営者でうまく運用できる投資先を探していて弊社(私)の提案がマッチし、このビルにいきつきました。
新宿エリアとはいえ、本物件もかなり割安で買えました。地下1階のベースメントでも新宿エリアは坪単価が高くなりがちです。それでも1坪250万円は割安です。
また本来、ベースメントは換気が悪かったり光が入りにくい構造上、物件価格が安くなったり、賃料も割安にしたりしないとテナントが入りづらいです。しかし、この物件では飲食店のテナントが入っていたこと、周辺相場の半分ほどとはいえ坪1万円の賃料を取れていたことが幸いしました(月60万円、年間720万円の家賃収入)。
本来、新宿エリアで飲食店を入れられるような物件は1万5,000~2万円の家賃が相場ですが、割安とは言え利回りは5%を実現できた良い物件です。物件が大通りに面していたことが幸いしました。
4年ほど保有し、その後売却することになりましたが、売却額は2億円で5,000万円の利益が出ました。将来性があったため高く売却することができたのです。
4年間の保有で3,000万円近いインカムゲインを得られたため、キャピタルゲインとトータルで約8,000万円の利益を出せました。
欲を言えば、賃料を相場と変わらないくらいにまで上げて年間1,000万円のインカムゲインをオーナーさんにお渡ししたかったです。しかし、既存のテナントが入っている状態で購入したため、賃料アップの交渉がうまくいきませんでした(うまくいく場合もよくあります)。
もし、テナントの入れ替わりや退去が発生した場合には、賃料を相場に合う額にアップできる(自由に決められる)ので、その場合は毎月のインカムゲインもアップしますし、それが実現していたら売却する場合も2億5,000万円ほどで売れていた可能性があります。
ですが、ビル投資の可能性が詰まった事例と言えるでしょう。
(3)2億8,000万円の物件がたった1ヶ月で7,000万円の利益
3件目は同じく新宿エリアの物件です。
新宿区はいびつな形状をしています。北は目白の一部から南は表参道の手前、東は皇居や靖国神社の手前までと広いため、同じ新宿エリアでもさまざまな種類の事例があります。
この物件は新宿駅付近にある新宿御苑(かつて大名屋敷だった跡地に造られた公園)駅から徒歩3分、築35年、7階部分、1フロア50坪の区分オフィス1億7,500万円の物件です。
購入したのは産業廃棄物業を営む一般企業。長期保有予定ではありましたが、本物件はいろいろな意味でレアケースの塊でした。なんと、この物件は購入して1ヶ月で売却されたのです。
そのときの売却額は2億5,000万円でした。つまり、たった1ヶ月で7,000万円の利益が出たことになります。
本来、短期の売買で儲けるより長期保有で安定収入を得てもらいたいと考えます。ですが、購入した区分に入っていたテナントの事情で、本来はしない予定だった物件の契約更新をすることになったのです。そこで賃料アップの交渉を行いました。それによって物件としての価値が上がりました。
ビル投資の世界では、区分所有であっても一棟であっても、クライアントのタイプは大きく3つに分けられます。投資金額を「1億円までで考えている人」「2~4億円くらいで考えている人」「10億円以上で考えている人」です。
中でも2~4億円(3億円前後)の物件が一番レアです。決して存在しないわけではないですが、2~4億円の一棟ビルを買う場合、失敗する可能性が高くなってしまいます。
すると区分所有の選択肢になるのですが、それでもレアなため、なかなか物件が出てきません。存在しても結局は「まとめ売りで6億円以上」という話になってきやすいのです。
しかし、この物件は先述の賃料アップの交渉により、2億5,000万円で値付けできることがわかり、かつ、そのくらいの物件で投資を考えている買い手が存在していました。
さらに、所有者がM&Aをすることになり、緊急で資金が必要になりました。M&A用の資金を準備するためにも、本来は長期保有をするつもりだった物件を売却してM&Aの資金に充てることにしたのです。
不動産にはこういった予想外のこともあるので、一概には良し悪しを決められないといういい例です。
ここでは3つの事例をご紹介してきました。それぞれにポイントがありますが、少し工夫 をするだけで利益が大幅にアップすることは共通しています。
青木 龍
株式会社Agnostri(アグノストリ)代表取締役社長
※本記事は『御社の新しい収益基盤を構築する 区分オフィスビル投資術』(ビジネス教育出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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