60代男性が「333万円ずつ」購入した“米国株・米国債・金”3本のETF…コロナショックを経た驚きの運用結果【メガバンク出身YouTuberが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月30日 9時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
登録者数70万人超の資産運用YouTuber小林亮平氏は、「新NISAを始めるのは50~60代からでも決して遅くない」といいます。とはいえ、シニアだからこそ陥りがちな失敗も……。著書『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)より、具体的な失敗例についてみていきましょう。
60代父が「米国ETF」で選んだ3銘柄
参考として、60代である私の父の運用実績をシェアしておきます。米国ETFで複数の投資商品を買っているため、やや中級者よりの運用となりますが、ちょっと難しいなと思った方はさっと目を通すだけでもOKですよ。
米国ETFはニューヨークなどの証券取引所に上場している投資信託です。投資信託では選べない商品も、米国ETFならラインナップしている特徴があります。
まず初めに、私の父が保有している米国ETFは3銘柄で、VTI、VGLT、そしてIAUです。
VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)は、全米株式とも言われますが、S&P500とパフォーマンスに大きな差はないので、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)などで代替可能です。
またVGLT(バンガード・米国長期国債ETF)は債券の一種ですが、米国長期国債に連動します。債券はローリスク・ローリターンですが、米国長期国債はやや特殊で、リスクは比較的高く、米国株と反対の値動きをする傾向があります。
その上で、米国長期国債に連動する投資信託は見つけられていないので、米国ETFで購入することになりました。
最後にIAU(iシェアーズ・ゴールド・トラスト)は、いわゆる金(ゴールド)で、株式や債券とはまた異なった値動きをする傾向があります。金に連動する投資信託は色々とあるので、米国ETFでなくても大丈夫です。
以前までは米国ETFの方がコストは安いと言われていたのですが、今は投資信託のコストもかなり安くなってきました。そのため、投資信託で選べる商品なら、米国ETFで買う必要はありません。
3つの資産を「均等保有」で盤石の守備力に
これら米国株と米国長期国債、そして金を1/3ずつ均等に保有する組み合わせを、「パーマネントポートフォリオ」と言います。
パーマネントとは永遠の、永続的な、という意味ですが、このポートフォリオは文字通り永久保有を目的としており、リスクを低減しつつ、リターンの確保が期待できます。米国株、米国長期国債、金は、それぞれが異なる値動きをする傾向があるため、こちらの過去5年間のグラフを見てください。
全米株式のVTIは、過去5年で大きく上昇していますが、2020年のコロナショックの際には大幅に下落しています。
一方、米国長期国債のVGLTは、VTIと逆の値動きをしている傾向があり、コロナショックの際は値上がりしています。また、金であるIAUは、VGLTやVTIとは異なる値動きをしていながら、コロナショックの際には上昇基調だったことが分かります。
私の父は2020年の初めから、投資資金1,000万円を3分割して、333万円ずつVTI、VGLT、IAUに投資してパーマネントポートフォリオの運用を開始しました。
月末時点の残高で、2020年1月は1,025万円、2月は1,021万円と順調に推移していましたが、3月にコロナショックがありました。しかし、コロナショックでも月単位では、月末時点で1,003万円と前月比2~3%程度の下落で済みました。
米国株が下落しても、米国長期国債と金が値上がりしたことで、パーマネントポートフォリオの守備力の高さが証明されました。
そしてその後は株式相場も順調に回復し、2023年12月末時点の評価額は約1,569万円になりました。投資元本は1,000万円だったので、約569万円の大幅な含み益となっています。ただし、これは昨今の歴史的な円安による為替差益も含まれているので注意してください。
父の運用を見てきた自分の感想としては、パーマネントポートフォリオは、リスクを抑えながら手堅く運用していきたい人に向いていると思っています。
50~60代における新NISAの投資先としても、ぜひ検討してみてください。
小林 亮平 資産運用YouTuber
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