お手伝いさんがいても、友達とLINE、ダラダラしていたので家事は終わりません…嫌味の達人「二世副社長の夫」へ「50代専業主婦」からの猛烈な煽り
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月22日 9時45分
(※写真はイメージです/PIXTA)
熟年離婚の原因となることも多いモラハラ。しかし、見方を変えると「本当の離婚原因」が見つかるケースもあるそうで……。本記事では、離婚カウンセラーである岡野あつこ氏の著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社)より一部を抜粋・再編集し、具体的な事例とともに熟年離婚の原因について解説します。
「食洗機の音がうるさい」で離婚
次のケースについて、みなさんはどう思われるでしょうか。
一年ほど前、ある女性が私のところに相談にやってきました。年齢は50代で、お子さんが三人います。相談内容は「夫のモラハラに悩んでいる」というもの。ただ、彼女の話を聞いた私はびっくりしてしまいました。夫が「食洗機の音がうるさい」と言って怒る、それが耐えられないので離婚を考えている、というのです。
たしかに食洗機の音は結構うるさいので、ストレスに感じる人もいるかもしれません。でも、相手が離婚を考えるくらい怒るのはひどい気がします。相談者の女性は「モラハラ」と言っていますが、そもそも家事に口出しされるのは嫌なものです。既婚女性へのアンケートでも、夫の嫌な言動の第二位に「いろんなことに口出し・干渉する」が入っていました。
ただ、くわしく話を聞いてみると、もっと違う問題が浮かび上がったのです。
夫の言い分にも一理
夫は父の経営する会社の副社長で、仕事ができるタイプ。段取りがよく、妻にもテキパキとした要領のよさを求めるそうです。一方、相談者女性はエステサロンのオーナーをやっていましたが、あまり段取りがよくないタイプです。結婚後は専業主婦ですが、よく家事のやり方が悪いと怒られているそうです。
とくに夕食の用意の仕方が夫から不評のようです。この夫婦は専業主婦の妻が夕食をつくる約束になっています。夫は夜九時には自室に引き上げる習慣なので、夕食は六時から七時くらいにとりたいのですが、いつも夕食の支度が間に合わないそうです。
六時に夕食なので、四時とか、五時くらいには準備をはじめる必要があります。でも妻は夕方になってもつい、かかってきた友達からの電話に丁寧に対応したり、LINEをしたりしていたようです。そういうダラダラしたところが夫には耐えがたいようです。
ちなみにこの家庭では日中の家事代行サービスを頼んでいて、掃除などの家事の負担はないそうです。夫は仕事以外のことでもきっちりしていて、こだわりが強いタイプ。ちょっとした買い物でも「チーズはこの店でしか買わない」とか、細かいルールがたくさんある人です。ちょっと面倒くさいタイプと言ってもいいかもしれません。
食器も高価なものばかりで、重ねると傷がつくので、扱う際は細心の注意が必要です。そのため、普通の家庭よりも夕食の支度は大変かもしれません。でも、夫としては、お手伝いさんもいるし、食材の宅配サービスも使っているので、家事がそんなに大変なはずがない、単に妻の要領が悪いから、夕食の支度が遅れると思っているようです。
夕食が遅れるだけでなく、後片付けにも時間がかかるため、食事が全部終わって食洗機をかけるのは夜九時以降。でも夫は夜九時には自室に引き上げ、日によってはそのまま就寝するので、寝入りばなの時間に食洗機が動いてうるさい、寝付けない、となってしまうのです。
こう聞くと、夫の言い分にも一理あるようです。
夫は子育てにも細かいタイプ。平日の昼間に子どもがサッカーの練習をしに出かけていると、妻に突然電話がかかってきて「三時までに子どもの着替えを用意して塾に届けて」などと「指示」されることも珍しくないとか。
でも妻は「いつも来るわけではない指示」を待たずに外出してしまう。夫から携帯に電話があっても、「いま家にいないのでできない」と断るそうです。
そんなとき、夫は「残念だったね」と嫌味を言うとか。もちろん「テキパキ用事をこなして、名誉挽回するチャンスをふいにしたね」という意味です。妻は夫のこういう言い方を「モラハラ」と受け取っています。
段取りが悪いのは「わざとやっている」
このケース、みなさんはどう思われるでしょうか。相談者女性は自ら望んで専業主婦になったので、自分が家事をやること自体は納得しています。でも「段取りが悪い」と夫に怒られるのは我慢できない、という相談です。
原因が本当に「段取りの悪さ」であるなら、改善策はあります。調理済みの食材を使えば時短になるでしょうし、お盆を使うとか片づけの時短テクもいろいろあります。「高価な食器だから片付けに時間がかかる」と相談者女性は言いますが、だったらお皿の間に紙などをはさむとか、いろいろ提案しても、相談者女性はやろうとしません。自分から段取りをよくする気がないのです。
そもそも、夫から「うるさい」と苦情が出ているのに、寝入りばなの時間に食洗機を使うのは、わざと嫌がらせをしているように見えなくもありません。せめて、「いま食洗機を使ってもいい?」などと聞けば、ケンカは避けられるかもしれないのに、それさえしていないのです。夫からすると一種の当てつけ、挑発のように感じてしまうかもしれません。
もちろん、家事のことで激しく怒る夫はよくないと思いますが、妻のほうにも改善すべき点があるように思いました。相談者女性にそう指摘したところ、「そんなことはありません」という返事。「岡野先生はいろんな夫婦を見ているからそう思うのかもしれませんが、私たちは違う」と、取り付く島もありません。
岡野あつこ
株式会社カラットクラブ
代表取締役社長
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