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東京郊外に建つ“ボロボロの家”の車庫には“ピカピカの高級車”…持ち主はどんな人?30代「サラリーマンオーナー」の生活【土地家屋調査士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月25日 11時15分

東京郊外に建つ“ボロボロの家”の車庫には“ピカピカの高級車”…持ち主はどんな人?30代「サラリーマンオーナー」の生活【土地家屋調査士が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

車や腕時計、洋服など、ある特定のものにだけお金をかける「一点豪華主義」という考え方はご存じでしょうか? たとえば“ボロボロの家”の駐車場に停まっている“ピカピカの高級車”……持ち主はいったいどんな人なのか、『住んでる人の性格は家と土地が教えてくれる』(自由国民社)の著者で心理カウンセラーの資格を持つ土地家屋調査士の平田真義氏が、実体験をもとに解説します。

“ピカピカの高級車”が停まっている場所の「違和感」

ボロボロのお宅にピカピカの高級車が駐車してあったら、「どんな人が住んでいるのだろう?」と気になる人が多いのではないでしょうか。

「一点豪華主義」という考え方があります。服はプチプラでも、腕時計とかバッグだけ高級品を使用しているような人、あなたの周りでも見かけませんか。その心理は「見栄っ張り」でしょうか。それとも「合理主義」なのでしょうか。私が実際に見た例をお話しします。

東京郊外にある依頼者さん宅の測量をしたときのこと。隣地のうち1軒が、いつ訪問しても留守でした。平日に行っても、日曜日に行っても、インターフォンの音がただ鳴り響くだけ。

洗濯物も干してありませんし、室内には電気も点いておらず、しかし、空き家という感じもしません。私のプロファイルによれば、どうやら1人暮らしとお見受けしました。

気になるのが、小さな車庫に窮屈そうに駐車してあるドイツの高級車です。失礼ながら、お宅はかなり年季が入っており、コンパクト。土地も広くはありません。ただ、その高級車だけがまばゆく、浮いた存在に見えました。

依頼者さんに「お隣はどんな方がお住まいですか?」と尋ねても、見かけたことはほぼないとのこと。

高級車の持ち主は、30代の気さくな男性

何度目かの訪問をしたある日、ようやくそのお隣さんを捕まえることができました。30代くらいの気さくな男性だったので、正直ホッとしました。

「お忙しいところご対応いただき、ありがとうございます。なかなかお目にかかれなかったので、今日ご挨拶できてよかったです。週末もお仕事をされていることが多いのでしょうか?」

私が尋ねると、その男性は疲れた顔でこう言いました。

「そうなんです。正社員の仕事の他に、アルバイトもやっているので……」

「ええっ、正社員だけでなく、アルバイトも? それは大変ですね」

それにしても、どうしてそんなに働かなければいけないのか、疑問に思えて仕方がありませんでした。それほど生活が苦しいのか? 家は持ち家で、おそらく1人暮らし。何にそんなにお金がかかるのか……? 

そう考えているうちに、「あっ!」と気づいて、ピカピカの赤いドイツ車を見つめてしまいました。家主の視線も、その愛車に注がれていました。

「そうなんですよ。これのローン返済があるから、働かなきゃいけないんです」

なるほど、高級車をローンで購入していたんですね。

「こういう外国の車がお好きなのですね」

「うーん、そうですねえ……」

私の質問に対して、お隣さんのお返事はなんとも煮え切らないものでした。境界の確認はすぐに終わり、それはよかったのですが、欲しいものを手に入れたはずのお隣さんが全然幸せそうに見えないのが、なんだか少し気がかりでした。

数日後…男性宅から“ピカピカの高級車”が消えていた

数日後、測量図面の書類に、署名と押印をもらうため、もう1度あの高級車のあるお隣さんのお宅を訪問しました。

家の前に着いたとき、思わず「あれっ?」と声が漏れました。あれだけ存在を主張していた高級車が、影も形もないのです。署名とハンコをもらう約束をしていたけれど、まさかドライブにでも出かけてしまったのだろうか? そんなふうに思いながらインターフォンを押すと、家主であるお隣さんが家から出てきました。

「あの、車はどうしたんですか?」

立ち入ったことなので聞くべきではないのでしょうが、つい、そんな疑問の言葉が口から飛び出してしまいました。

家主の男性は私の無礼を気にすることもなく、「ああ、あの車、手放したんです」と言うではありませんか。

「なぜです? あの車のためにお仕事の掛け持ちまでされていたのに」

「あれからいろいろ考えたんですけど……」

忙しすぎる毎日の中、そのお隣さんは、ふと自問自答したようです。あの車が好きだと思っていたけれど、本当にそうなのか、プライベートも休息も犠牲にしてまで持つべきものなのか、と。

そうして、自分の心に素直に従うことにしたのだそうです。

「僕にはあの車は重荷だったんです。考えてみたら、他人からチヤホヤされたいがためだけに車を所有していたということに気づいたんです。実はそれほどあの車が好きだったわけでもありませんでした。その証拠に、売ったらスッキリしたんです」

まさに重圧から解放されたといった晴れやかな顔で言いました。

平田 真義 土地家屋調査士

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