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【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…12月第2週の「米国経済」の動き

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月15日 20時15分

【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…12月第2週の「米国経済」の動き

(※画像はイメージです/PIXTA)

来年1月に迫ったトランプ氏の大統領就任を前に、「米ドル円」に対する世の中の関心がかつてないほどに高まっている今日。来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて東京海上アセットマネジメントが解説します。

11月の雇用統計発表…雇用増も、気になる長期失業者の増加

⽶労働省が公表した2024年11⽉の雇⽤統計によると、⾮農業部⾨雇⽤者数(事業所調査)は前⽉差+22.7万⼈と、市場予想(同+22.0万⼈)を上回りました(図表1)。

雇⽤の増加ペースは⽶南部を襲ったハリケーン「へリーン」「ミルトン」、ボーイング社のストライキなどの影響により⼤きく減速した10⽉から、11⽉に⼤きく加速した格好となりました。

加えて、過去2ヵ月分(9⽉、10⽉)が合計で+5.6万⼈上⽅修正されました。もっとも、ハリケーンの影響を勘案して10⽉、11⽉の平均でみると、+13.2万⼈増にとどまっており、雇⽤者数の伸びは鈍化傾向にあると考えられます。

11⽉の失業率(家計調査)は4.2%と、10⽉(4.1%)から⼩幅ながら上昇し、ハリケーンの影響がみられた7⽉とほぼ同⽔準となりました。11⽉はハリケーンの影響が剥落するなかでの失業率の悪化であり、⾒た⽬以上に悪い結果といえます。

失業率の変動要因をみると、「⻑期失業」した⼈が増加したことが失業率を押し上げたとみられます(図表2)。

今回の景気サイクルにおいて、⻑期失業者(27週以上の失業)は2023年3⽉の105万⼈を底に増加に転じ、2024年11⽉には166.1万⼈へ増加しています。

11⽉の平均時給は前⽉⽐+0.4%と、市場予想(同+0.3%)を上回りました(図表3)。

この結果、前年⽐では+4.0%(10⽉:同+4.0%)と⾼⽌まりが続いています。失業者の増加が続いているものの、賃⾦統計を⾒た限り、個⼈消費が急減速する可能性は⾼くなく、⽶経済は景気後退から距離があることを裏づける結果となりました。

もっとも、次期トランプ政権の下で移⺠の新規流⼊削減と⼀部国外退去が実現すれば、雇⽤者数の増加に下押し圧⼒がかかる可能性があります。

また、トランプ⽒が政府効率化(DOGE)を設⽴したことで、政府部⾨における雇⽤にも下押し圧⼒がかかることも想定されます。良好な所得環境が維持されていることから個⼈消費は当⾯崩れることはないと予想されるものの、雇⽤の先⾏きを占ううえで懸念すべき材料が浮上している点には留意が必要です。

11月の消費者物価指数は、おおむね市場予想どおり

⽶労働省が公表した2024年11⽉の消費者物価指数(以下、CPI)は前⽉⽐+0.30%(10⽉:同+0.20%)、変動の⼤きい⾷料品及びエネルギーを除くコアCPIは前⽉⽐+0.31%(10⽉:同+0.28%)とおおむね市場予想どおりの結果となりました(図表4)。

コアCPIについて、FRBが注⽬する基調的なモメンタムを確認すると、3ヵ月前⽐年率値は+3.66%(10⽉:3.55%)、6ヵ月前⽐年率は+2.86%(10⽉:+2.56%)とともに伸びを⾼めました。もっとも、内訳をみると、物価上昇は特殊要因による影響が⼤きいとみられます。

コアCPIのうち、コア財は前⽉⽐+0.31%と10⽉(同+0.05%)から伸びが⼤きく加速しました(図表5)。

10⽉に⾼い伸びを⽰した中古⾞は、前⽉⽐+1.99%(10⽉:同+2.72%)と伸びがわずかな鈍化にとどまったほか、新⾞は前⽉⽐+0.58%(10⽉:同▲0.05%)の上昇となり、これらはハリケーン襲来後の需要が⼀時的に⾼まったことを反映した可能性があります。

また、11⽉は家庭⽤品(前⽉⽐+0.68%)や家電製品(同+0.66%)などが上昇しており、来年に予想される追加関税を前に駆け込み需要が発⽣した可能性もあります。

⼀⽅、コアサービスについては前⽉⽐+0.28%(10⽉:同+0.35%)と3ヵ月連続で伸びが鈍化しました。特に、根強いインフレ要因となっていた⺠営家賃や帰属家賃の伸びが鈍化している点は、12⽉FOMCでの追加利下げを後押しする材料といえます。

なお、FF⾦利先物が織り込む12⽉会合での利下げ確率は、前週末の85%から13⽇(執筆時点)には95%へ上昇しています。

東京海上アセットマネジメント 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…12月第2週の「米国経済」の動き』を参照)。

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