こんなに会社に尽くしたのに…月収32万円・60歳サラリーマン、定年後の「初給与」に思わず絶句。ひとり〈350円のコンビニ弁当〉を食らう「寂しいランチタイム」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月23日 5時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
定年を迎えたサラリーマンの多くが直面する現実は「給与の大幅な減少」です。特に60歳を過ぎると、再雇用や定年延長制度を利用する場合、給与が現役時代の30%ほど減少するのが一般的。さらには5割以上も減るケースもあり、「働き続ける」と決めた心をへし折られることも珍しくないようです。
製薬会社勤務のサラリーマン…60歳定年を機に「給与5割減」
大手製薬会社で働く、内藤誠一さん(仮名・60歳)。60歳で定年を迎え、契約社員として新しいサラリーマン生活がスタートしました。定年後に迎える、初めての給料日。振込額をみて思わず言葉を失ったといいます。
――27万6,000円
額面で36万円ほどだった月収は、税金やら保険料やら引かれて、その金額に。
――この金額……30代前半くらいだったかな。60歳から30年ほどタイムスリップした感じですね
自虐的に笑うしかなかったといいます。定年まで、課長職だったという内藤さん。月収は70万円ほどだったというので、給与は5割減。定年とともに役職手当がなくなり、さらに正社員から非正規社員になったことで、大きく給与が減ることになりました。
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、50代後半の大卒サラリーマン、非役職者の平均月収は37.5万円。係長級だと44.1万円、課長級で57.6万円、部長級で70.4万円です。一方、60代前半の大卒サラリーマン、非正規社員の月収は33.7万円。非役職者であれば、定年を機に大幅な給与ダウンはありませんが、定年間近というと、多くが役職者。ランクが上であればあるほど、給与の減額幅が大きくなります。また基本給と役職手当のバランスは会社によって異なりますが、役職手当の比率が高い会社では減額幅も大きくなり、7割減、8割減というケースもあるようです。
ちなみに50代後半のサラリーマン(正社員)の平均月収は43.5万円。そして60代前半の非正規社員の平均月収は28.5万円。減額率は35%ほど。いわゆる「60歳の壁」。これが平均値です。
この給与減が、定年後の労働意欲を低下させると問題に。確かに内藤さんのように、急に30年前の若手サラリーマン時代の給与に逆戻りとなると、その変化からモチベーションが下がるのも無理がありません。
最近では三菱UFJ銀行は2025年度から、60歳の定年退職後に再雇用となった行員の給与を最大で4割上げることを決定するなど、再雇用社員のモチベーションアップを目指す企業も。しかし、まだまだ少数派で多くの再雇用サラリーマンは「こんなに会社に尽くしてきたのに……」といいながら、「60歳の壁」に落ちていくしかない状況です。
定年サラリーマン…「家計の見直し必須」の厳しい現実
総務省『家計調査 家計収支編』によると、2023年、世帯主が「50代後半の世帯(勤労世帯)」における1ヵ月の支出は平均34万5,335円。「60〜64歳の世帯」では31万4,570円、「65〜69歳の世帯」では30万9,526円。また「65歳以上の無職の夫婦のみの世帯」では25万5,792円です。
定年を機に給与が平均3割減となるなか、支出も抑えないと生活は破綻します。現役時代と比べて、最終的に月10万円ほど家計を見直し、割合でいうと25%ほど支出をカットしなければなりません。
内藤さんも定年&給与減を機に、家計を大きく見直しました。
――削れるところといえば、手っ取り早いのが毎月の小遣いですよね。
定年以降の小遣いは月4万円。物価高のなか、ワンコインランチなどは昔の話。1,000円を超えるのも、今では当たり前ですし、定年前はそんなランチを普通に取っていたといいますが――。
――そこのコンビニで買える350円のお弁当。白米と、少量のおかずが2品だけ……今の小遣いでは、これが精いっぱいですよ
そんなランチを一緒に食べる同僚などおらず、会社近くの公園や自分のデスクで寂しくランチタイムを過ごすのが日課だといいます。
「年金の受給が始まるまでは働こう!」と、自分で再雇用を希望したものの、こんなに心寂しくなるとは思っていなかったと内藤さん。現在の仕事は、現役社員のフォロー業務。正直、誰がやっても同じ、と思えるような仕事だといいます。「大変だったけど、会社の最前線で奮闘していたころに戻りたい」と、ポツリつぶやきます。
[参考資料]
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