あなたの家のお墓、誰が継ぎますか?…今「墓じまい」が増えている理由
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月2日 7時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
現在のお墓を引き払い、新しい場所に引っ越しすることを「墓じまい」といいます。さまざまな理由で墓じまいをする人が増えていますが、今回は弘中純一氏・小谷みどり氏・横尾将臣氏監修の『いざというときに困らないために 今から考える 実家じまい・墓じまい』(ナツメ社)から、家族が集まるお正月に話し合っておきたい「墓じまい」というテーマについてご紹介します。
墓じまいとは何?そもそもお墓はどうなっているの?
「実家じまい」と同様に、「墓じまい」という言葉もよく聞くようになりました。「墓じまい」とは、今あるお墓の墓石を撤去して更地にし、土地を墓地管理者に返すこと、さらにその後、お墓を新しい場所に引っ越しすることまでを言います。
ここでは、お墓を撤去して引っ越すことを「墓じまい」と呼びます。お墓を引っ越すことを「改葬」とも言います。実際に引っ越すときには、お墓のある市区町村の役所に「改葬許可申請書」を提出します。
また、厚生労働省から毎年発表される衛生行政報告例では、お墓を引っ越した件数を「改葬件数」と呼んでいます。この改葬件数を見ると、2022年度は全国で15万1,076件。2021年度の11万8,975件より3万2,101件も増えています。お墓の引っ越しをする人は年々増えているのです。
多くの人が「墓じまい」をする理由には、次のようなものが考えられます。
- お墓が遠く、お墓参りに行くのが大変。
- お寺とのつき合いが負担。
- 子どもにお墓の管理をさせたくない。
- 継承者がいない。
お墓が自宅から遠く、お墓参りに時間もお金もかかる。お墓がお寺にあると、お布施などの金銭的負担が大きい。このように感じている人は、実は多いのです。
ですから、「子ども世代にはお墓の管理を継承させるのは申し訳ない」と、自分たちの代で「墓じまい」を考えるようになります。また、独身、子どもがいない人も増え、そもそも継承者がいないという悩みもあります。
お墓の近くに住んでいたり、お寺とのつき合いが日常だったりした親世代とはライフスタイルが変わり、お墓の継承が難しくなりました。それぞれの事情でお墓から足が遠のいてしまうと、「無縁墓」になる可能性も。近年、空き家の放置と同様に、管理されずに放置された無縁墓の増加は社会問題になっています。
お墓ってどんな仕組み?誰が継ぐの?
「お墓は長男が継いだほうがいい」とか「結婚して苗字が変わった娘はお墓を継げない」などと言われますが、そんなことはありません。ほとんどの墓地では、現在のお墓の継承者からみて、六親等以内の血族、配偶者、三親等以内の姻族であれば、誰でも一緒のお墓に入ることが可能で、継承者にもなれるのです。
『サザエさん』を例にしてみると、波平さんが現在の継承者だとすると、娘のサザエさんはもちろん、配偶者のマスオさん、甥のノリスケさん、その子どものイクラちゃんも、同じお墓に入ることができます。ですから、かなりたくさんの継承者の候補がいることになります。
墓じまいをする前に、親族に相談して継承者を探す
「墓じまい」を考え始めたら、自分だけで悩まずに親族に相談しましょう。もし、継承者が見つかれば、「墓じまい」はしなくてもいいのです。本当に「墓じまい」が必要かどうか、検討する機会にもなります。
現在の継承者から見て、六親等以内の血族、配偶者、三親等以内の姻族なら同じお墓に入れるし、継承者になれます。継承者になれるのは長男だけでなく、次男や結婚した娘、従兄弟、姪や甥など、たくさんいます(ただし、墓地で独自のルールがある、親族間の決まりがある場合は、それに従います)。
なかなかお墓参りに行けない遠方のお墓を、近くに住む親戚が気にかけてくれていたら、まずはその親戚に相談しましょう。「先祖代々のお墓がなくなるなら、私が継承する」と言ってくれるかもしれません。
親戚の中には、「お墓がなくなったら、家が途絶える」と思っている人がいることも。何も相談しないで「墓じまい」をすると、その後、おつき合いがしにくくなります。
ところで、継承者はどのようなことをするのでしょうか。まずは、墓地の名義変更をして、年間管理料を払います。さらに、定期的に掃除をするなどの管理維持を担います。寺院墓地の場合、檀家になったり、法要を執り行うなど、お寺とのおつき合いも継承者の役割です。
監修 小谷 みどり(一般社団法人シニア生活文化研究所 代表理事)
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