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年収300万円の40代アパレル店員「後輩のひと言」で人生激変…年収が「3倍」に増えたワケ【経営コンサルタントが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月14日 11時15分

年収300万円の40代アパレル店員「後輩のひと言」で人生激変…年収が「3倍」に増えたワケ【経営コンサルタントが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

1日におよそ400社近くの法人が設立されている日本(東京商工リサーチ:2022年「全国新設法人動向」調査より)。起業は思っている以上に身近な存在です。ショッピングモールのアパレル店員として働く40代の女性が「交渉コーチ」として副業を成功させた背景には、なにがあったのでしょうか。経営コンサルタントの鈴木健二郎氏が、事例をもとに解説します。

“普通のアパレル店員”が、3倍超の年収を稼ぐ「交渉コーチ」に

とあるショッピングモールのアパレルショップに勤める高橋美香さん(仮名・41歳)。彼女はいま、年収900万円を稼ぐ“エリート交渉コーチ”として注目を集めている。

ところが、少し前までの年収は約300万円と、現在の3分の1程度だった。特に目立った存在ではなかった美香さんが、なぜ「年収900万円」を実現できたのだろうか。

美香さんの人生を変えた「後輩のひと言」

ある日、美香さんは後輩からこんな質問を受けた。

「美香さんって、どうしてお客様にそんなに信頼されるんですか? 自分は全然売れなくて……」

美香さんは「特に意識していないなあ。逆にどうしてだと思う?笑」と冗談交じりに返しながら、自分のこれまでの接客スタイルを振り返ってみた。

すると、自身が「お客様の表情や言葉の端々から、ニーズや本音を察して提案している」ことや、相手が「自分の意思で決めた」と感じるような自然な会話を意識していることなど、後輩からの客観的な分析も手伝い、彼女は改めて自分の強みに気づくことができた。

上司からは、どちらかというと「おっとりしている」「押しが弱い」と見られていた美香さん。10年以上同じ職場に勤めているが、昇進の話もない。美香さんが持つスキルは、職場内では特に評価されている様子はなかった。

しかし、後輩からのひと言が、美香さんを変えた。

「美香さんの接客見てると、すごく勉強になるし、私までその商品が魅力的に思えてくるんです。こういう講座があったら通いたいって思う人も多いと思いますよ」

考えてもみなかった選択肢だったが、美香さんはこの日をきっかけに、「自身の接客スキルが他の分野でも役立つのでは」と考えるようになった。

リピーターが得られない…集客は予想以上に難航

それからしばらく経ち、美香さんは個別相談形式の「接客アドバイス」をオンラインでスタート。しかし、集客はまったく思うようにいかなかった。

類似の講座をチェックするなど自分なりに分析してみたところ、「接客スキル」という抽象的なテーマがターゲットを絞りづらくさせているように感じた。また、「説明が難しい」「実践につなげにくい」といったクライアントの声も多く、受講者を増やすどころか、リピーターも得られない日々が続いた。

さらに、アパレル販売の本業があるため、副業に割ける時間は限られていたが、準備やフォローアップの負担が増大。収益も月数万円に留まり、美香さんは「やっぱり、接客スキルなんて目にみえないものをビジネスにするのは無茶なのかな……」と自信を失いかけていた。

諦めかけていたときに出会った「セールス心理学」

そんなとき、美香さんは友人が勤めるベンチャー企業の営業担当者と話す機会があった。その担当者は、「営業の現場では、心理的なテクニックが成約率を左右する」という

「私が気をつけていたことを“テクニック”にして、営業や交渉に生かしている人がいるんだ……!」

美香さんは、担当者から教えてもらったセールス心理学の書籍を読破し、オンライン講座も積極的に受講。自分のスキルを体系化することに注力した。

特に「相手の本音を引き出す質問法」や「提案を受け入れさせる話し方」といった、自身が得意としているノウハウを具体的にまとめ、これをパッケージ化して副業に生かすことにした。

また、ターゲットを「新人営業担当者」や「フリーランスで交渉力を磨きたい人」に絞り、オンラインコーチングの内容を営業や交渉に特化。30分の個別セッションや、グループでのロールプレイングを交えたウェビナー形式のプログラムを提供することに決め、再スタートを切った。

美香さんの接客スキルが企業の「営業研修プログラム」に

この新たな取り組みは、「営業現場で即役立つスキル」として評価され始め、徐々に口コミやリピーターが増加。半年後には、個別セッションとウェビナーの売上で月収50万円を超えるようになった。

さらに、企業向けの「営業研修プログラム」も開発し、営業チーム向けのコーチングを実施するようになったことで、収益が安定するようになった。

現在、美香さんはアパレル販売の仕事を続けながら、副業と合わせて月収約80万円を達成。年収1,000万円がみえてきた。限られた時間を最大限に活かす形で、自分のスキルをビジネスモデルとして確立している。

「当たり前のスキル」が価値ある資産に変わる

美香さんの成功の背景には、本人が当たり前だと思っていたスキルを再認識し、それをビジネス化する「発想の転換」があった。また、単にスキルを教えるのではなく、具体的な状況に対するスキルの活用方法や応用の仕方を提供することで、価値を高めることができたといえるだろう。

成功のカギとなったのは、美香さんが接客心理を「交渉スキル」として応用し、セールスの現場で役立つノウハウに変換したことだ。さらに、顧客ターゲットを絞り、提供価値を明確にしたことで、時間を効率的に活用しながら収益を伸ばすことができた。

この物語は、自分が「特別ではない」と思っているスキルが、他人にとっては価値ある「無形資産」となり得ることを教えてくれる。あなたのスキルや経験も、意外な形で新たな可能性を切り開く力を持っているかもしれない。

鈴木 健二郎

株式会社テックコンシリエ

代表取締役

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