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老人ホームなんて入るんじゃなかった…年金19万円・79歳男性「正月に迎えに行く」と約束した家族は海外旅行、1人きりの年越しに涙

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月1日 8時15分

老人ホームなんて入るんじゃなかった…年金19万円・79歳男性「正月に迎えに行く」と約束した家族は海外旅行、1人きりの年越しに涙

(※写真はイメージです/PIXTA)

2024年から2025年の年越し、どのように過ごしたでしょうか? 「テレビを観ながらカウントダウン」 「お酒に酔って気づくと年が明けていた……」「初詣。良い一年になりますようにと手を合わせながら」。それぞれが大切な人と素敵な年越しを過ごしたことでしょう。では「老人ホーム」に入居している人たちは、どんな年越しをしたのでしょうか?

80代を前に「自宅での生活がシンドイ」…家族の推しは「老人ホームへの転居」

株式会社フォーイットが昨年11月、20歳~69歳の男女に行った調査によると、「大晦日(から元旦にかけて)をどのように過ごしますか?」の設問に対して、最も多かったのが「年越しそばを食べる」で56.6%。「テレビ番組を観る」42.0%、「紅白歌合戦を観る」29.4%と続きました。

年代別では、20代は「特別なことはせずにいつも通り過ごす」が最も多く39.0%。ほかの世代は「年越しそばを食べる」が最も多く、40代では7割に達しました。また年齢があがるほど、「テレビ番組を観る」「紅白歌合戦を観る」の割合は増えていき、60代ではそれぞれ64.0%、45.0%に。年配の人ほど、「昔ながらの年越し」を過ごしているようです。

【年越しの過ごし方】

年越しそばを食べる…56.6%

テレビ番組を観る…42.0%

紅白歌合戦を観る…29.4%

特別なことをせず、いつも通り過ごす…21.8%

おせちやお雑煮などを作る…21.0%

初詣に行く…19.6%

除夜の鐘を聞く…7.8%

カウントダウンイベントに参加する…4.8%

初日の出を見に行く…4.2%

旅行に出かける…3.4%

仕事をする…2.8%

そのようななか、「自分の部屋で紅白を観て……そのまま寝てしまうんだろうね」といっていたのは、金子博さん(仮名・79歳)。8ヵ月前に家族の勧めもあり、老人ホームに入居。それから初めての年越しになりますが、自宅に戻ることはなく、老人ホームで新年を迎える予定だといいます。

――本当は一時帰宅をして、家族と一緒に過ごす予定だったんだよ

老人ホームに入居したのは、80代を前に、自宅での生活がしんどくなったから。5年前に奥さんが亡くなってからは自宅でひとり暮らしを続けてきましたが、段々と階段の上り下りがツラくなってきました。家のなかには段差も多く、つまづいて怖い思いをすることも。トイレやお風呂も狭く、使いづらいものでした。このまま住み続けるにはバリアフリー住宅にリフォームしなければ……そう考えていたところ、子どもたちから「老人ホームはどう?」と勧められたといいます。

――バリアフリーだし、過ごしやすいと思うんだよね

年末は一時帰宅をして家族と過ごす予定だったが…

家族から老人ホームを勧められたとき、「正直、イラっとした」という金子さん。「老人ホーム=姥捨て山」という、前時代的なイメージを持っていたからです。しかし家族が見せてくれた老人ホームは、「これが高齢者用の施設なのか!」と驚くような豪華さ。

――今どきの老人ホームのなかには、ホテルのような生活が送れるところもあるみたいだよ

どうやら、3人の子どもたちは親に老人ホームへの入居を勧めるために、入念な準備をしていたよう。ただ金子さん、その話に、まずは乗ることにしたといいます。それほど、見せてもらったホームが素晴らしかったのです。

年金は月19万円ほどだという金子さん。予算に合ったホームをいくつかピックアップしてもらい、子どもの付き添いのもと、気に入ったホームへの入居を決定。決め手は、以下の通り。

・自立した人も入居可能で介護施設というイメージが薄かったこと

・それでいて、医療や介護の連携がしっかりしていたこと

・入居者と程よい距離感があること

・試食の結果、一番美味しかったこと

・子どもたちの家からのアクセスがよかったこと

ホームでの生活は、安心・安全。毎日の料理もおいしく、会えば話す程度の知り合いもでき、とても満足するものだったといいます。「ずっとここに住み続ける」という決心もついたので、自宅を売却。相続も見据えての決断だったといいます。

そうこうしているうちに、2024年の年越しはどう過ごすかという話題が出始めるころ。知り合いの入居者はみな、一時帰宅をして家族と年越しをするといいます。金子さんは、夏ごろに長男の家に泊まりに行くという話をしていました。いよいよ具体的に決めなければならないというタイミング。長男に「いつ(家に)行けばいい?」と相談したところ、長男の顔がさっと青くなったといいます。

――まずいと思ったんでしょうね。約束を忘れていました

9連休の長い休みでテンションがあがったのか、年末年始は家族で初海外旅行なのだとか。娘たちは、義実家に帰省、妻と過ごした自宅は売却……金子さん、年末年始に帰るところはなく、老人ホームで過ごすことになりました。

長男家族と過ごす年越しを楽しみにしていただけに、寂しさが余計に募ります。初めからホームで過ごすと決まっていれば、こんな思いをすることはなかったのに……。

――老人ホームに入居してからのほうが家族との距離を感じます。こんなことであれば、老人ホームに入るんじゃなかった

株式会社Speeeが行った調査によると、老人ホームに入居する家族との面会回数で最も多かったのが「月1~3回程度」で40.0%。「週1~2回」が25.2%と合わせると、6割以上が結構な頻度で面会に来ています。

一方で金子さんの場合、自宅でひとり暮らしをしていたときのほうが、頻繁に家族と会っていたといいます。ホームに入ってからは安心したのでしょう、顔を合わせる回数が減ったとか。

家族が老人ホームに入居したらどこかひと段落、という気持ちが湧いてくるとくるでしょう。しかし、それは新たなスタートとして、十分なコミュニケーションは図っていきたいものです。

[参考資料]

株式会社フォーイット『大晦日の過ごし方についての調査実施!若者にとって大晦日はもはや普通の日に?』

株式会社Speee『【介護アンケートVer.16】どれくらい面会に行く?老人ホームの面会に関するインタビュー】』

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