絶対に忘れない…〈年金20万円・82歳の義父〉を1人で介護し続けた〈元看護師の55歳の嫁〉。親戚一同が恐怖する「強烈な復讐」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月12日 9時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
高齢化に伴い、多くの人が直面する親の介護。「誰が介護をするのか」で揉めるケースも増えているようです。そこで「長男の嫁なんだから」と子の配偶者に白羽の矢が立つときも。なんとも納得いかない展開の先に巻き起こる、復讐劇とは?
「看護師だったんだから」と、義父の介護を嫁に押し付ける
原久美子さん(仮名・55歳)。82歳になる義父が亡くなりました。久美子さんは3年間、付きっきりで介護をしたといいます。
――義父は、脳梗塞の後遺症で要介護4の認定を受けていました。日常生活のほぼすべての介助が必要で、肉体的にも精神的にも大変でしたね
厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』で要介護度別にみた「同居の主な介護者」の介護時間の構成割合をみていくと、要介護4では「ほとんど終日」が41.2%、「半日程度」が20.0%、「2~3時間程度」が9.4%。久美子さんの言葉通り、あらゆる場面で介助が必要になることから、要介護4の在宅介護の場合、付きっきりのケースが多くなります。大きな介護負担から、施設への入居も多くなるケースです。それにも関わらず、在宅での介護を貫いた理由は?
――ただ利用されたんです。私、元々看護師をしていたので
義父は月20万円ほどの年金を受け取っていました。また3,000万円近くの貯蓄もあり、さらに持ち家。常に介護のプロが寄り添ってくれる施設に入居することも、何ら問題のないことでした。しかし夫と義弟、義妹の3人が話し合った結果、白羽の矢が久美子さんに当たったのです。
――看護師だったんだから、介護なんてお手の物だろ? お願いだ頼むよ
「親の面倒をみるのは長男の嫁の務め」という考えも根強い地域です。さらに義実家が近所ということもあるのでしょう。結婚したときに退職しましたが、元看護師という肩書も都合がいいことでした。
――相続のときにお金が減るのも嫌だったんでしょ。私にすべてお願いしたら、貯金と家はきょうだい3人で分ける。ひとり1,000万円くらいにはなるでしょうから
「なぜ、私が? 看護と介護は違うし……」といいたいところですが、こんなところで揉めていては義父が困るだけ。渋々ながら引き受けることにした久美子さん。ほぼ義実家に住み込みで、義父の介護を続けること3年。その間、夫も義弟も義妹も、たまに「調子はどう?」と見舞いにやってくる程度で、一度も手を貸すことはなかったといいます。
3年間、思い続けた「夫・義弟・義妹への仕返し」
――もともと夫をはじめ、あのきょうだいたちは私のことを嫁いできた家政婦とでも思っている節があって、ずっと思うところがありました。今回のことも絶対に忘れません。どうしたらぎゃふんといわせられるか……考えてきました
義父の介護を続けた3年間。不満を募らせていた久美子さん。その想いに義父ものってくれたといいます。
――お義父さんにしても、すごくガッカリしたと思いますよ。面倒な介護をすべて嫁に押し付けて、実子でありながら調子よくたまに顔を出す程度だったんですから
久美子さんと義父は、遺言書を作成。遺産のすべてを久美子さんが相続するという内容でした。遺言書に対して、義理の弟と妹は遺留分を主張してきたといいます。
――想定通りです。それよりも、お義父さんの気持ちをきちんとわかってほしかったんですが……伝わったでしょうか?
遺留分は、一定の相続人に対して、遺言によっても奪うことのできない遺産の一定割合の留保分のこと。子のみが相続人の場合、法定相続分の2分の1を主張できます。遺産総額が3,000万円だとすると、500万円は「自分の取り分だ!」と訴えることができるわけです。久美子さんの夫は遺留分の主張はなし。今回の遺言書によってむしろ得をしたと考えるだろう……こちらも想定通りだといいます。ただ久美子さんの復讐は終わりません。
――今、離婚の準備を進めています。遺留分侵害額請求権を行使できなくなってから、離婚届を突きつけます。将来受け取る年金も含めて、しっかりと財産分与は主張するつもりです。
田舎での離婚話はあっという間に周囲に知れ渡ることでしょう。その際、親の介護に子どもたちがどのように関わったかも知れ渡ることになる。そうなると、古い考えの残る田舎では「薄情者」と烙印が押され、肩身の狭い思いをするでしょう。
――あともう少しで、義父が亡くなってから1年が経ちます。しっぺ返しをくらって、とことん後悔したらいいと思います
[参考資料]
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