裏切られた気持ちでいっぱいです…月収25万円・65歳サラリーマン、毎年「ねんきん定期便」を必ずチェック、年金月19万円のはずが「初めての年金振込日」に知った衝撃事実に撃沈
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 8時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
老後不安が拡大するなか「将来、いくら年金を受け取れるか」は大きな関心事。そこで役に立つのが、将来のおおよその「年金受取額」が記されている「ねんきん定期便」です。老後の生活をしっかりとプラニングするためにもしっかりとチェックしたいものですが、見方を間違えてとんでもないことになるケースもあるようです。
60歳以降、働いている場合の「ねんきん定期便」
加藤隆さん(仮名・65歳)。現在の会社は勤続45年。とにかく真面目に働いてきたことには自信があるといいます。2人いる子どもはすでに独立し、現在は妻とふたり暮らしです。65歳。年金を受け取る年齢になりましたが、しばらくはこのまま働き続ける選択をしたといいます。
――年金だけの生活がどのようなものなのか、しっかりと見極めてから、大丈夫と判断したら仕事を辞めようと思っています
現在、月収は25万円ほど。60歳定年を機に給与は4割ほど減額となりました。それでも、定年を機に給与が大きく減る「60歳の崖」を見据えて、ライフスタイルを見直すなど対策はバッチリだったといいます。
加藤さん、用意周到なのは、老後への不安が大きいから。
――高校を卒業してから働いてきましたが、大卒の同僚と比べて給与が安く、当然、将来受け取れる年金も少ない……漠然とした不安が大きかったと思います
老後不安を前に、将来受け取れる年金はどれくらいなのか、毎年送られてくるようになった「ねんきん定期便」を毎年しっかりとチェックして、老後に備えてきたといいます。
――60歳で定年を迎えましたが、この段階で、国民年金と厚生年金合わせて18万円ほど。もう少しないと不安だと思って、65歳までは働こうと決めました
毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」は、将来もらえる年金のおおよその金額を知ることができます。50歳未満では「これまでの加入実績に応じた年金額」、50歳以上になると「現在の加入条件で60歳まで加入を継続した場合に65歳からもらえる年金見込額」が表示されるようになります。
厚生年金加入年齢の上限は70歳。60歳以降も働けば厚生年金を増やすことができます。また60歳以降も厚生年金に加入している場合は、引き続き、「ねんきん定期便」が届き、60歳以降に払った保険料の分も反映されます。
――毎年、ほんの少しですが年金が増えていく……働く意欲がさらに増しました(笑)
60歳定年から5年働いた結果、年金は年間12万円、月1万円ほど増える予定だったといいます。
初めての「年金振込日」に絶句の年金受給者、続出のワケ
用意周到に老後に備えてきた加藤さんですが、初めての年金振込日に愕然としたといいます。
――振込額は「ねんきん定期便」をみて想定した年金額よりもずっと少ない金額でした
「年金定期便」に記されているのは、いわゆる額面。税金やら、社会保険料やらが天引きされます。
老齢の年金は、所得税法の雑所得として扱われ、所得税がかかることになっています。65歳未満の方でその年の支払額が108万円以上の方や、65歳以上の方で158万円以上の方の場合は、原則として所得税がかかります。年金に課税される所得税は、源泉徴収することとなっていますので、日本年金機構では年金を支払う都度、所得税を差し引いています。
出所:日本年金機構ホームページより
一定以上の年金額であれば、所得税、住民税、介護保険料、国民健康保険料/後期高齢者医療保険料が引かれ、実際の年金の手取り額は、額面の85~90%になります。
――まさか年金から税金が引かれるなんて……45年も働いてきたのに、なんか裏切られたような気持ちでいっぱいです。
――私の場合、見込んでいた額より月2万5,000円ほど少ない。1年で30万円。年金だけで生きている高齢者には大き過ぎる誤算ですよ
「年金には税金がかかる」という年金の初歩的な知識。しかし、意外と知らない人、見落としている人は多く、初めての年金振込日にその事実を目の当たりにし、衝撃を受けるというのはお決まりのパターンです。
将来の年金見込み額がわかる「ねんきん定期」。老後をプランニングするのに、1年に1回はしっかりとチェックしたいもの。しかし、そこに記されている金額は額面であり、手取り額を想定してプラニングをしないと、無駄な努力で終わってしまうことを覚えておいたほうがいいでしょう。
――年金に税金等かかることを知っている人は知っているので、完全に私のミスです。でも誰かのせいにしないとやっていられません。とりあえず、もう少し働いて、貯金を増やしていきたいと思います
[参考資料]
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