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「カリフォルニア州」は税務調査が厳しい!「住んでいなくても」税金が取られる…大谷翔平の大型契約の裏であったコト

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月29日 11時15分

「カリフォルニア州」は税務調査が厳しい!「住んでいなくても」税金が取られる…大谷翔平の大型契約の裏であったコト

(画像はイメージです/PIXTA)

カリフォルニア税務当局はFranchise Tax Board(FTB)と呼ばれ、州を出ていく納税者には厳しいことで有名です。その追跡の手は非常にしつこく、投資持分売却の10年後であっても税務調査をすることがあります。本稿では現在、カリフォルニア州にオフィスを構える国際税務のプロフェッショナルがカリフォルニア税務当局の実態を解説します。

大谷選手の契約内容に「カリフォルニア州」は猛反発

山本由伸、大谷翔平両選手に続き、佐々木朗希選手も獲得したドジャース。23歳の佐々木選手はマイナー契約しか結べない25歳ルールの対象になるため、同チームの大谷選手のような高額契約にはならないようです。

大谷選手の高額契約の際には、カリフォルニア州の猛反発がありました。大谷選手とドジャースの間に交わされた契約は、契約金7億ドルのうち6億8,000万ドルを繰り延べして、2034年から2043年にかけて年間6,800万ドル支払うというものです。なぜ、そこで州が反発したのかというと、税金が影響しています。

このような契約になったことで、仮に大谷選手が10年後にリタイアして、税率の低いあるいは州税のないフロリダやネバダ州へ引っ越した場合、カリフォルニア州は税金を取ることができません。何とかして税金を取りたいカリフォルニア州は、連邦議会に対して、税制改正を行うように異例の要請を行ったといいます。

■大谷選手との契約には意外な節税効果が⁉

一番問題になっているのは1966年に連邦法で定められた年金に関わる法律です。この連邦法はいかなる州も年金もしくはそれに準ずる基金からの支払いに対し課税できないという法律で、10年以上一定額の支払いを受け取る場合に該当します。

大谷選手の契約はこれに該当する可能性が高く、無税で1,000億円以上受け取れるかもしれない、ということで額が額なだけに議会に対して、この法律の改正を要請しました。

住んでなくても取りに来る「カリフォルニア州税務当局」

カリフォルニア税務当局はFranchise Tax Board(FTB)と呼ばれ、州を出ていく納税者には厳しいことで有名です。州外に住んでいたとしても、カリフォルニアを源泉とする収入に対しては課税します。アメリカの経済雑誌Forbesによれば最近ではカリフォルニア州に一度も訪問したことがない人にも課税するということです。

アメリカでは、株式は無形資産です。無形資産を売却した場合、居住者の州を源泉とする収入とみなされます。どういうことかというと、テキサス居住者がアマゾン株を売却した場合、テキサスには州所得税がないため、連邦税のみ支払うことになります。

それでは、カリフォルニア州外の居住者がカリフォルニア州にオフィス等不動産を所有しているLCCやパートナーシップの持ち分を売却したときはどうなるのでしょうか。

基本的にはどこに居住していても、カリフォルニア州の不動産を直接保有していれば、売却時にはカリフォルニア州に課税されます。しかし、LLC、S Corp、パートナーシップ等で不動産を所有し、その持ち分を売却することで、アマゾン株の例と同様に、居住する州の州税が適用され、カリフォルニア州税を回避することができました。

「厳しい追跡」も優秀な弁護士となら切る抜けられるはず…

カリフォルニア州外の居住者は長年にわたって、持ち分の売却という形でカリフォルニア州税を回避してきました。ところが、2009年にカリフォルニア州は不動産等を所有する無形資産の売却収入に対しては、売主が所在する源泉収入ではなく、カリフォルニア州の源泉として税務権限が及ぶことを裁判で勝ち取りました。その裁判以降も同様の裁判にカリフォルニア州は勝訴しています。

州外に住んでいても、カリフォルニア州での投資持ち分売却に対しては細心の注意が必要です。カリフォルニア州の時効は最後に申告を行った日から4年ですが、カリフォルニア州での申告がまったく行われていない場合には、投資持分売却後10年たってもFTBは税務調査を行うことができるからです。

大谷選手は野球一筋で税金に関心がないように思われますが、契約金の支払い方法といい、近くに優秀な税務弁護士がいらっしゃるのだと思います。

そうであるならば、うまくカリフォルニア州の追っ手からうまくきり抜けるのではないでしょうか。

税理士法人奥村会計事務所 代表

奥村眞吾

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