世帯年収950万円の40代夫婦、共通の口座に月10万ずつ貯金していたが…40歳妻が通帳を見て驚いたワケ「何かの間違いでは」【CFPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月1日 10時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
夫婦とはいっても元は他人です。結婚してから金銭感覚の違いを感じることはあるでしょう。今回は、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、夫婦の金銭感覚の違いが生み出す問題とその解決策について解説します。
40代共働き夫婦、年収差は「約250万円」
俊郎さん(43歳)は妻である紀子さん(40歳)との2人暮らしです。こどもはおらず、共働きで生活しています。俊郎さんは1度転職したこともあり、現在の年収は約350万円。紀子さんは600万円で2人合わせて約950万円の年収がある状態です。
購入したマンションのローンを昨年完済したこともあり、俊郎さんは紀子さんに「結婚当初からの決め事として、夫婦共通の口座にそれぞれが10万円ずつ貯めることを今後も継続しよう」と持ちかけました。さらに「年収に差があるのだから紀子さんのほうが多く貯金できるのではないか」と提案したのです。
しかし住宅ローンの返済はほぼ紀子さんが負担したという経緯もあり、そのときは共通の口座への10万円は変えずに、数ヵ月間、お互いの貯金額の残りがどのくらいになるかをみてから最終的に決めようという話になりました。
服を購入することでストレスを発散する紀子さん
紀子さんは、職場の雰囲気が悪く、常にストレスを感じていました。その発散方法は自分の好きな服を購入することです。お気に入りの服を着て仕事をすることで少しはストレスを発散することができるからです。
また、休日はデニムで過ごすことが多い紀子さん。デニムも1本3万円程度するものを購入していました。
極めつけは冬の買い物です。紀子さんにとって冬のボーナスで憧れのブランドのダウンを購入したり、好きなデザインのコートを購入したりと毎年コートが増えていく状態。
自宅のクローゼットには10着以上のコートがあふれかえっています。ダウンやコートのクリーニング代もばかになりません。
さらに最近はスニーカーにも興味を持ち、高額なスニーカーを購入するようにもなっていました。
パチンコが趣味の俊郎さん
俊郎さんは昔からゲームセンターで遊ぶのが好きで、大人になってからは休みの日はパチンコに通っています。最初は時間を決めていたものの、次第に土日どちらかの半日はパチンコに入り浸る状態です。
俊郎さんの収入で月10万円を夫婦共通の口座に入れたら、その残りはあまりありません。お昼こそは紀子さんがお弁当を作ってくれるものの、会社帰りにパチンコ店に寄って帰ってくることもありました。
お互いのお金の使い方に対して大喧嘩に
ある日、俊郎さんの通帳記入を終えて中身を確認した紀子さんは驚愕しました。なんと残高がマイナスになっているのです。定期預金の額があったため、自動的に借り入れの状態になっていましたが、マイナス額は約30万円。給与が入ったとしても完全に返済できるわけではありません。その状態がずっと続いていたのです。
紀子さんには借金は一切ありません。
紀子さんは俊郎さんに「これはどういうこと?」と尋ねました。すると、「パチンコで使っちゃって……。返せると思ったけど、どんどんお金を使うようになったんだ。」とのこと。
紀子さんはさすがに、「趣味にお金を使うのはいいけど、借金までしてすることなの?」と言わずにはいられませんでした。しかし、俊郎さんも紀子さんに対して鬱憤が溜まっていたのでしょう。「そっちだっていつも高い洋服ばっかり買って! 買ってから一度も着ていない服もあるじゃないか! それにダウンのクリーニング代が1万円ってどういうことなんだよ!」と怒りだしました。
紀子さんは見えないものにお金をかける、つまりパチンコを楽しむ俊郎さんの気持ちが理解できないと同時に、俊郎さんも服なんかどれでも同じという考えのため、お互いの金銭感覚がまったく異なるのです。
借金があるのを隠し、そのうえ紀子さんの貯金負担分を多くしようと提案した俊郎さんに怒りを隠せない紀子さんでしたが、このままでいいわけはありません。
金銭感覚の違いについては徹底的な話し合いが大切
紀子さんはまず俊郎さんが借金を返済するまでは、自分も好きな服は買わないと決め、そのことを俊郎さんに伝えました。
俊郎さんも納得し、返済するまではパチンコに行くのを控えたそうです。
また、紀子さんも確かに服にお金を使いすぎたことを反省し、まず今ある服で生活することを徹底しました。もし購入する際には今ある服をどれか1着をフリマアプリで売ったり、大事にしてくれる人に譲ったりなどして処分することも。
最終的に俊郎さんと紀子さんはお互いに自由に使える金額を4万円程度に決め、残った額を夫婦共通の通帳に入れることにしました。ただ、ボーナス月だけは10万円までは自分の好きなものに使ってもいいというルールを設けました。
光熱費や管理費などの引き落とし口座は夫婦共通の口座に設定しているため、食料品や日用品などは紀子さんが負担し、たまにお昼に外食するなどは俊郎さんが負担することにしています。
現在では毎月2人合わせて35万円貯金ができるようになり、今後の収入の変化を見ながら毎月の貯金額を見直していく予定です。紀子さんは合わせてNISAにも取り組み始めました。
夫婦の金銭感覚は異なるのが当たり前です。しかし、そのまま放置していると、無駄な出費を増やしかねません。そのためには相手に対して妥協案を提案したり、自分の考え方を少しずつ変えたりする努力が必要です。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP
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