じっくり使って分かった! iPhone X、細かい部分の使い勝手
&GP / 2018年3月25日 7時0分
じっくり使って分かった! iPhone X、細かい部分の使い勝手
じ…っくり使いました。筆者がiPhone Xを使いだしてから、もう4か月以上が経ちました。だからこのタイミングで「そろそろiPhoneを買い替えようかな~」なんて思っている皆さんに、筆者視点で気づいたことをご紹介したいと思います。
iPhone Xには魅力的な新機能が豊富にありますが、既に多くの記事で紹介されていると思いますのであえて割愛します。特にカメラ機能については、たくさんレビューが上がっていますよね。本記事では、地味な使い勝手の部分について、ネチネチと掘り下げて見たいと思います。
なお、改めてiPhone Xの概要が気になる人はこちら >> 使ってみたら違和感なし! 次の10年を見据えた「iPhone X」は”いま”こそ買い でご確認ください。
■バッテリーを気にする生活から解放された
もし、「iPhone Xに変えて、何が一番気に入ったか?」と問われたら、バッテリーに対する感覚が変わったことを挙げます。iPhone Xのバッテリー保ちはかなり良いです。
iPhone Xは、現状の他のiPhoneシリーズとは違い、有機ELディスプレイを採用しています。おそらくこれが電池保ちに良い影響を与えているのでしょう。詳細な検証ができないので細かくは分かりませんが、もちろん最新のチップセットやOSも寄与しているはずです。
▲高スタミナなiPhone Xは、Apple Watchとの相性も◎
そもそもの背景として、筆者は「Apple Watch」をヘビーユースしています。Apple Watchも三世代目を迎えて、ウォッチ自体のスタミナ性はすごく良くなりました。でも、iPhone側の電池消費が増える点は注意が必要なんです。接続に電池を使うんでしょうね。また、筆者は「AirPods」も頻繁に使うので、余計にiPhoneの充電切れには注意していました。
なので、iPhone 7をメインで使っている頃には、まだ予備のバッテリーを持ち歩いていました。しかしiPhone Xに変えてからは、こうした心配をすることはほとんどありません。出張に行くときくらいですね。
iPhoneのバッテリーを心配せずにApple Watchを使えることは、筆者の生活において大きな変化でした。
▲デスクで使うなら角度のあるワイヤレスチャージャーが便利
こうした変化を生んだひとつの要因には、ワイヤレスチャージに対応したことも挙げられます。筆者はデスクに座るときに、ポケットからiPhoneを取り出し机に置いてから仕事をします。
以前は有線で充電することが多かったので、机上ですぐにLightningケーブルを伸ばせるよう配線を工夫していました。まぁこれでも問題はないのですが、仕事の連絡が来たり、アプリで取材先までの経路検索を行ったりするたびに、Lightningケーブルを抜き挿しする手間があったわけです。もし、うっかりケーブルを指し忘れると、充電がピンチに…なんてこともありました。
しかし、ワイヤレスの充電器を設置してからは、机に置くだけで充電ができます。ケーブルを抜き挿しするストレスから解放されました。またオフィスにいる間は、バッテリーを常に充電できているようなものなので、充電忘れのリスクもなくなりました。
■ワイヤレスチャージャーを使い分ける
ワイヤレスチャージャーも色々試しました。その上で言えることは、純正のものからサードパーティ製のものまで、Qi(チー)という規格に対応しているなら基本的にどれを選んでもよいということ。もちろん、充電速度が気になるという人は、じっくり調べてみてください。
▲ちなみにiPhone 8/8 Plusもワイヤレス充電をサポート
筆者のオススメは、場面によって使い分けることです。例えば、オフィスの机で使う場合には、角度があるものを選ぶと良いでしょう。理由は、充電台に置いたまま顔認証でロックを解除できるから。平面だと、画面を覗き込む必要がでてくるので、こういうシーンにはあまり向きません。
一方、夜間に長時間放置して充電を行う場合などには、信頼しているメーカーが作った商品の方が、安全面に関して安心感があります。ネット通販で買った無名のメーカーだと、やはり長時間利用した際に、熱などが発生しないかな? と不安になることもあるからです。大抵の場合、杞憂になるでしょうけれど、こうした確認は行えないのでメーカーを信じるしかありません。
つまり、「もし長時間充電が心配だという場合には、自宅で長時間利用するために、Apple公式サイトで販売している製品を選ぶとよいのではないだろうか」というのが筆者の意見です。
ちなみに、「ワイヤレスチャージをしている間に、通信って干渉されないのかな?」と心配な人もいるかもしれません。例えば、充電しながらソフトウェアアップデートを行うなど、そういった場面の話です。これに関して、筆者が使っている範囲内では、特に通信に不具合が発生するようなことはありませんでしたので、安心して使って良いと思います。
■スワイプアップだけで起動する生活に慣れてしまった
これはiPhone Xに限ったことではありませんが、「設定」アプリで「画面表示と明るさ」→「手前に傾けてスリープ解除」を有効にしておくと、端末を手に持っただけでスリープが解除されます。
iPhone Xの場合には、そのまま「Face ID(フェイスアイディー)」でロック解除が行えます。一度スワイプアップすれば、すぐに使用可能となるんです。起動操作が楽で良いな、と感じています。
もちろん他のiPhoneで「Touch ID」を使っている際にも、ホームボタンを押すだけで良かったのですが、先述のワイヤレスチャージャーを活用するうえではiPhone Xの方が相性がよいでしょう。
▲ワイヤレスチャージャーに設置したまま操作しやすいこともiPhone Xならでは
設定で「一般」→「アクセシビリティ」→「タップしてスリープ解除」が有効になっていれば、ワイヤレスチャージャーに立てかけている場面でも、画面タップでスリープ復帰できます。
つまり、ホームボタンを押すという操作がなく、「タップ」→「スワイプアップ」→「顔認証」で端末が起動します。充電台に立てかけたままでも、アプリを起動させて、タッチ操作しやすいというわけです。
もちろん「Siri(シリ)」の音声操作に抵抗がない人は、「Hey Siri(ヘイシリ)」を有効にしておいて、声で操作するのもよいでしょう。それこそ充電台に置いたままなら、待機中のバッテリー消費を気にする必要はありませんからね。
■ロック解除も工夫しておく
さて、Face IDについて深掘りすると、全てのシーンで認証が上手くいくわけではありません。認証速度や使い勝手は抜群ですが、苦手なシーンがあることに関しては、あらかじめ理解しておくといいかもしれません。これは、Touch IDがお風呂上りのふやけた指で使えないことと似ています。
例えばマスクを装着したり、マフラーを深く巻いたりしていると、口元が隠れてしまって上手く認証してくれないことがあります。また、ベッドに横になっていて、顔の半分が枕に埋もれて隠れてしまっているとき、端末が顔に近すぎるとき(15cmくらい)などは上手く認証してくれません。
▲セキュリティにこだわらなければ、パスコードは4桁にしておくとラク
こうした場合には、パスコードの入力が必要になります。使い勝手を良くするには、「パスコード」を設定する際に、「パスコードオプション」を選択して「4桁の数字コード」を選んでおくのがオススメ。セキュリティレベルは少し下がりますが、例えば花粉症で頻繁にマスクをつける人や、ベッドサイドで端末を触る時間が長い人などは、頻繁にパスコードの入力を求められることになっても、こうした工夫をすることで、使い勝手を維持できるはずです。
■画面キャプチャがしやすい
「ちょっとこの画面、写真として残しておきたいなー」というときに便利なスクリーンショット(画面キャプチャ)。万人が使う機能ではないかもしれませんが、筆者はよく画面の情報をメモとして残すのに使っています(もちろん仕事でも多用しています)。
他のiPhoneでは電源ボタンとホームボタン同時押ししますよね。これって位置的に両手を使わないといけません。
▲スクリーンショットを片手で取れるのが便利だ
一方、iPhone Xではホームボタンがないので、サイドボタンと音量(上)ボタンを同時押しすることになります。つまり、端末の左右の側面をギュッと握るだけでOK。片手でできちゃいます。これがラクなんです。
でもたまに、うっかり電源ボタンと音量ボタンを同時押ししてしまって、不要な場面でスクリーンショットが保存されてしまうこともあります。とはいえ、致命的ではないので、別に気にすることはありません。
余談ですが、スクリーンショットを取ると、ノッチ(凹のくぼみ)に相当する領域にもちゃんと背景画像が存在していて、四角形のデータとして保存されます。凹型の画像ができるわけではありません。
■ゲームで遊ぶにはちょうどいいサイズ感
スマホゲームが好きな人にとって、ディスプレイのサイズ感って重要です。何が大事かというと主にふたつあるのかな、と筆者は思っています。それは純粋な「画面サイズ」と「手で持つときの余白」。従来だとPlusサイズのiPhoneシリーズが、大画面かつ余白が大きかったので、ゲームに適していました。
でもPlusだとズボンのポケットに入れるときに、ちょっと大きいんですよね。そのまま座ったりすると、服によっては太ももに圧迫感を感じることも。日本人の平均的な手のサイズだと、片手操作するにはちょっと大きいかなという印象です。
一方iPhone Xは、ディスプレイがPlusと同じくらい大きい(スペック上のインチ数ではXの方が大きい)。そして、それと同時に片手で扱いやすいサイズ感でもあるわけです。
▲ゲームアプリを利用するイメージ。iPhone Xを横持ちすると、表示領域の左右に黒い余白ができることが多い
ベゼル領域が少ない分、横持ちをしたときの余白については心配な部分でもあります。しかし、横画面に余白が生まれるゲームアプリも多いので、筆者としては、手の画面被りについて、割と気にせずに利用できています。また、表示領域が縦に長くなっている分、縦画面で遊ぶアプリでも、よい迫力が出ます。
▲縦に長い画面で「Helix Jump」を遊ぶとこんな感じ
一点、注意しておきたいのは、ホームインジケーターバー付近での操作を必要とするアプリとは相性がよくないということ(※)。例えば、「ポケモンGO」では、スワイプアップ操作が必要になります。うっかりバーの部分に触ってしまうと、ボールを投げるはずがホーム画面に戻ってしまいます。
(※)iPhone Xではホームボタンがない代わりに下部に横線が表示される。これをスワイプアップすると「ホーム画面に戻る」、横にスワイプすると「アプリを切り替える」といった操作が可能だ
また、「SmartNews(スマートニュース)」では、画面下部を左右にスワイプすることでタブを切り替えます。寝起きに操作していたりすると、誤ってホームインジケーターに触れてしまって、アプリの切り替え操作になってしまうこともありました。
こうした課題について、アプリによっては、しっかり対策が取られています。例えば、先ほど画面例で紹介した「クロノ・トリガー (アップグレード版)」では、アプリ起動中にはホームインジケーターバー暗くなり、一度スワイプアップしてバーを有効にしないとバーを操作できない。つまり2回スワイプアップ操作をしないとホーム画面に戻れないようにする工夫が施されていました。
こうした調整はアプリの開発側に依存する部分が大きいので、しっかり対応してくれているかどうかで相性の良し悪しが出てきます。こういう意味では、iPhone Xを購入する際に、自分がよく使うアプリが画面下端の操作を必要とするのかどうか、改めてチェックしておくと良いかもしれません。
* * *
iPhone Xはホームボタンが変わったことで、「操作しづらくなったのではないか?」と思っている人も多いはず。しかし筆者の印象では、全くそんなことはないと断言できます。一度慣れてしまえば、iPhone Xは軽やかに使いこなせる端末です。まだ実機を触ったことがない人は、まずは店頭に行って、アレコレと触って確かめてみてください。
(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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