ダイソン超え?国産スティッククリーナー2機種の実力とは【最新家電レポ4選】
&GP / 2018年8月31日 22時0分
ダイソン超え?国産スティッククリーナー2機種の実力とは【最新家電レポ4選】
<家電女優・奈津子×安蔵靖志の最新家電連載【2017年8月:後編】>
元SDN48で家電アドバイザーの資格も取得し、「家電女優」として活躍の幅を広げる奈津子さんと、AllAbout家電ガイドや家電アドバイザーとしてテレビやラジオ番組、雑誌やWebサイトなどで活動するIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志が、最新家電の注目ポイントについて語り合う連載企画。今回は2018年7月に発表・発売された家電製品を中心に紹介します。
■パナソニックから吸引力押しのコードレススティック掃除機が登場
安蔵:パナソニックから、新型モーターを搭載して「吸引力」と「バッテリー長持ち」を売りにしたコードレススティック掃除機が登場しました。正直、いよいよ本格的な“ダイソンキラー”が出てきたという感じですね。
▲パナソニックが2018年8月30日に発売した「POWER CORDLESS MC-SBU820J」(実勢価格8万9800円)
奈津子:パナソニックの従来モデル「iT(イット)」は小回りが利くことと軽さに定評があったものの、「吸引力が弱い」というイメージをもたれていたそうです。確かに私自身、ITは革新的なデザインだというイメージは強く持っていましたが、吸引力はダイソンなどより劣っていたという印象はあります。
安蔵:iTは手首をひねるだけで家具のすき間なども素早く掃除できるという、小回りの良さが売りでした。でもダイソンと同様に「充電と収納のしやすさ」が欠けているという問題がありました。
奈津子:エレクトロラックスのエルゴラピードなどのように充電台を用意するか、シャープのRactiveAirやシャークニンジャのEvoflexなどのように、セパレート充電を採用するかしない限り、「使いたいときにバッテリーがない」ということになりかねないですよね。
安蔵:その点、今回の「POWER CORDLESS」は上位モデルのみながら、置くだけでサッと充電・収納できる充電台が付属するようになりました。
▲右側にあるのが、上位モデルのMC-SBU820Jに付属する充電台
奈津子:ちょっと大きくて重いですが、安定感がありますね。
安蔵:吸引力についても、かなり自信を見せていますよね。日本電産との共同開発によって、業務用清掃ロボット「RULO Pro」に採用しているモーターを改良した大口径モーターを採用したとのことです。
奈津子:7キロの重りをかるがると持ち上げていたのには驚きました! 自走式ヘッドを搭載していることもあって、実際に使用してみると、腕と肩に一切力を入れなくていいのが楽ですね。ゴミやホコリを検知する「クリーンセンサー」も、見えないホコリをしっかりと見える化してくれて便利です。
▲従来モデルの「iT」(写真左)に比べて大型のモーター(写真右)を搭載する
安蔵:ホコリの量に合わせて吸引力を自動的に変化させる「自動モード」が楽ですよね。強モードだと約6分と短いですが、自動モードなら約18~40分連続掃除ができます。これはクリーンセンサーあっての機能ですよね。
▲バッテリーインジケーターの前に大型の「クリーンセンサー」を搭載。ゴミやホコリを検知すると赤く光り、きれいになると青く光る
奈津子:ペダルを踏むだけでヘッドが外れてすき間掃除ができる「親子ノズル」とか、壁に当たるとヘッドが開いて壁に密着する「ガバとり」構造とか、細かい使い勝手の良さも魅力的に感じました。
▲ヘッドにはペダルを踏むだけでヘッドが外れてすき間掃除ができる「親子ノズル」を採用している
■三菱電機は床掃除とハンディの切り替えが簡単な「ZUBAQ」を発表
安蔵:三菱電機からは、本体と充電台が一体になったデザインが特徴的な「iNSTICK」シリーズの最新モデル「ZUBAQ(ズバキュー)」が登場しました。従来モデルは充電台に空気清浄機を搭載していたのですが、今回のモデルでは省かれていますね。
▲三菱電機が2018年10月1日に発売する「iNSTICK ZUBAQ HC-JXH30P」(予想実勢価格8万円前後)
奈津子:私は実際に家で使ってみましたが、無駄がなく1モーションで使える操作性が便利に感じました。スティック掃除機としてもハンディ掃除機としても片手で扱えるのと、サイクロン部がノズルの上にある「フラットヘッド機構」で狭い隙間でも密着感をキープしたままスルスルと掃除できるんです。
安蔵:手前に引けばスティック、上に引っ張り上げるとハンディになる構造は面白いですよね。
▲手前に引けばスティック掃除機として使える
▲上に引っ張り上げると延長管やヘッドが充電台に引っかかったままになり、ハンディ掃除機として使える
奈津子:毎分最大12万5000回転の高速回転を実現した新開発の「JCモーター」による圧倒的な吸引力も魅力です。
▲三菱電機が自社開発した新開発の「JCモーター」を搭載する
安蔵:確かに吸引力はすごいんですけど、スイッチを押すと自動的に強モードでスタートするので、放っておくと8分でバッテリーが切れてしまうんですよね。吸引力をアピールしたいのでしょうし、約90分で満充電になるのでそれほどストレスはないかもしれませんが、その点だけは注意が必要です。
奈津子:あと、三菱ならではの「エアブロー」機能も大きな魅力ですよね。キャニスター型掃除機の「風神」シリーズに搭載していましたが、スティック掃除機としては初めてです。
安蔵:掃除機はゴミやホコリを吸引するものですが、エアブロー機能はゴミを「吹き飛ばす」というのがユニークですよね。アタッチメントを取り付けると、吸気ではなく排気を使ってパワフルに吹き飛ばしてくれます。すき間ノズルとかを使っても届かないような奥のホコリでも、これを使えばいったん吹き飛ばしてから吸い取ることができます。
▲排気を利用してゴミを吹き飛ばす「エアブロー」機能も搭載する
奈津子:デザインもいいですよね。男性的でメカニカルなデザインの掃除機が多いなかで、この「ZUBAQ」は曲線のフォルムとブロンズ色で、モダンさとどこか女性らしさを感じさせます。ただ、白系のフローリングとモノトーンのインテリアの我が家ではブロンズ色が若干浮いてしまったので、今後はシンプルな室内にもマッチするカラーバリエーションも登場するといいですね。
▲本体と充電台が一体化したデザインを採用している
■日立の縦型洗濯機「ビートウォッシュ」は洗剤の種類を見分ける
安蔵:日立アプライアンスの縦型洗濯機「ビートウォッシュ」シリーズの最新モデル「BW-DV120C」が登場しました。洗濯12kg、乾燥6kgに対応する大容量モデルです。乾燥機能の付いていないモデルも含めて、最大容量はほとんどのメーカーが12kgになってきました。
▲日立アプライアンスが2018年6月に発売した縦型洗濯乾燥機「BW-DV120C」(実勢価格24万2000円)、「BW-DV100C」(同17万9800円)、縦型洗濯機「BW-V100C」(同13万8000円)
奈津子:薄手のシングル毛布は4枚まで、タオルは6枚まで、毛布は3.6kgまで洗えるとのことです。暮らしにゆとりが生まれそうですね。
安蔵:ビートウォッシュというと、上から水をたたきつけるようにして洗う「ナイアガラ ビート洗浄」が特徴ですが、「新・ナイアガラ ビート洗浄」は洗剤の種類を見分けて洗い方を変える機能を搭載しました。
▲上から水をたたきつけるようにして洗う「ナイアガラ ビート洗浄」もさらに進化した
奈津子:粉末洗剤か液体洗剤か、多いか少ないかなどを電気の伝わり方で把握するとのことです。従来モデルより水位の低い状態で洗濯する時間を長くして、それから大水量シャワーの高水位で洗浄するそうです。
安蔵:水位が低い、洗剤が高濃度の状態で食べ物の油汚れをしっかり溶かして、それから大水量で流すというわけですね。
奈津子:ミートソースやカレーの汚れなどがさらに落ちるように注力したとのことです。実際に洗浄前と洗浄後の汚れ落ちを比べると、確かに驚くほど落ちていました。
▲「温水ミスト」で約3時間洗浄すると、衣類の黄ばみ(写真左)がしっかりと消えている(写真右)のが分かる
安蔵:少量で軽い汚れの衣類をサッと洗って乾かす「おいそぎ」コースもさらにスピードアップしましたね。従来モデルは最大容量の3kgで163分、1.5kgで125分かかっていたのが、最新モデルでは3kgが134分、1.5kgは98分と大幅に短縮しています。
奈津子:脱水時の回転数、乾燥時の送風ファンの回転数をアップし、槽内湿度を見て冷却することで除湿効率を改善したそうです。その日のうちに必要な衣類を素早く洗って乾かせるのはうれしいですね。
安蔵:あと、衣類に付いたゴミなどを取る「糸くずフィルター」も進化しました。2017年モデルは2つ折り式で、糸くずをつまんで取り出す必要がありました。最新モデルではフタをスライドするだけで糸くずがはがれるため、触れずに捨てることが可能になりました。
▲新しい糸くずフィルターは、フタをスライドするだけで糸くずがはがれるため、糸くずに触れずに捨てることができる
奈津子:地味ですけどうれしい進化ですね。日立はいち早くガラストップデザインを採用しましたが、スタイリッシュなのと傷が付きにくいこと、サッと拭くだけで掃除できる手軽さがいいですね。投入口が広くて内槽の底が近いため、洗濯物の出し入れがしやすいのも高ポイントに感じました。
安蔵:昨年モデルから搭載してる「ダニ対策コース」も、ハウスダストアレルギーの元であるダニ対策には最適ですね。ハウスダストアレルギーは生きたダニではなく、ダニの死がいやフンが問題になるわけですから、ダニを死滅させて洗い流すのがベストなんです。
奈津子:ダニを死滅させるためには一定時間熱を加えることが重要なのですが、熱すぎると衣類が傷んでしまいます。そこで最低でも50℃を20分以上持続させつつ、最高でも60℃を超えないようにすることで衣類を傷めないようにしているそうですね。
■キングジムが電子ペーパー採用のデジタルメモを発表
安蔵:キングジムが電子ペーパーディスプレイ搭載のアラーム電動メモツール「カクミル」を発表しました。クラウドファンディングの「Makuake」を利用して支援を募集し、目標金額に達しなかったら製品化しない「オールオアナッシング方式」ですが、すでに達成したようです。
▲キングジムがクラウドファンディングの「Makuake」を利用して支援を募集した電子ペーパーディスプレイ搭載のアラーム電動メモツール「カクミル」
奈津子:キングジムの調査によると、47%もの人がメモに書いた内容を忘れていたことが分かったそうです。また、約70%の人はデジタルではなく紙や付せんなどアナログでメモをしているため、カクミルは紙に鉛筆で書くような書き心地を追求したとのことです。
▲手軽に手書きメモを残せる
安蔵:キングジムはあれもこれも搭載するのではなく、“一点突破型”の専用機器が多いですよね。
奈津子:紙にはできないデジタルならではの新たな価値として、アラーム機能を付けたそうです。紙に近い見え方の電子ペーパーを採用しているため、高コントラストで広視野角、さらに電源オフ時でも表示できるのが魅力です。
安蔵:メモ、Todo、カレンダー、時計、計算機を搭載するというのは、これまでのキングジム製品に比べると機能豊富ですね(笑)。
▲メモやTodo、カレンダー、時計、計算機などの機能も搭載する
奈津子:ポップな見た目がかわいらしくて、とても洗練されているように感じました。私自身もメモは紙に書く派でよく忘れるので、こういうのはいいですね。さらに年間のメモ帳代や筆記用具代、忘れた際に発生する時間のロスなどを考えると、コスパは悪くないかもしれません。ちなみに2019年4月か5月に発売予定で、メーカー希望小売価格は1万円台にする予定とのことです。
安蔵:せっかくならBluetoothでスマホ連動するといいですよね。
奈津子:それだったらすぐに買うかもしれません。重さは電池抜きで200gですが、電池を含めると約300gになるので、持ち歩くというよりはデスクに置いて使う感じかもしれません。私はロケなど行く先々で仕事をすることが多いので、スマホ連動できた方が活用シーンは広がりそうですね。
安蔵:キングジムにしては割と機能豊富なこともあってか、プロジェクト開始から約1カ月(プロジェクトの期間は元々90日間)で成功しましたね。
奈津子:キングジムによると、スマホの普及によってユーザーのニーズを見極めるのが難しくなったそうです。大手であればあるほど安易にリスクのあるプロジェクトへ手を出しにくくなるのですが、在庫を抱える前に予約販売ができるのはクラウドファンディングならではの強みですよね。このような開発方法にはとても好感を持ちました。
(取材・文/安蔵靖志 奈津子)
ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」
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