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スーツに合わせる靴に迷ったら……黒のストレートチップならまず間違いなし!

&GP / 2024年12月21日 17時0分

スーツに合わせる靴に迷ったら……黒のストレートチップならまず間違いなし!

スーツに合わせる靴に迷ったら……黒のストレートチップならまず間違いなし!

【ビジネスファッション裏技事典】

スーツだけでなく、ジャケパン、セットアップとビジネスファッションがどんどん多様化する昨今。それ故、「何をどんな風に着こなせばいいのかわからない(汗)」というおしゃれ迷子が増えている模様。そこで、さまざまなファッションメディアで活動するエディターが、その悩みを解決するビジネスファッションの裏技を伝授します。

押条事務所所長・ファッションエディター/押条良太
「MEN′S CLUB」編集部を経て独立。「OCEANS」「Begin」「LEON」などのメンズ誌やブランドのカタログ、広告を手掛ける。得意分野はスーツをはじめ、ドレス靴、ウェルネス、グルーミングと幅広い。湘南在住で、趣味はサーフィン。

 

 

Q. 「スーツに合わせる靴を買いに行ったのですが、色もデザインも色々ありすぎて選べませんでした…。どんな靴を買うのが正解ですか?」K.O.さん(35歳)

A. TPOや着こなし次第。ですが、迷ったら黒の内羽根式ストレートチップを選んでおけば間違いありません!

いざ、ちゃんとした革靴を買おうと店に行ったら、デザインも色も選択肢があり過ぎて選べない人も多いのでは? そこで知りたいのが、“大人が1足は持っておきたい革靴”です。答えはずばり、“黒の内羽根式ストレートチップ”。その理由は数ある革靴の中でもとりわけフォーマル度が高く、かつ最も幅広いシーンで履ける靴だからです。

■「黒」「内羽根式」「ストレートチップ」の3つが必須条件

そんな黒の内羽根式ストレートチップが社会人においてなぜファーストチョイスとして良いのか、「黒」「内羽根式」「ストレートチップ」のキーワードごとに見ていきましょう。

まずは「黒」ですが、数ある色の中で最も明度・彩度が低く、厳かな印象を与えるフォーマルな色の代表格。黒の革靴はブラウンなどの他の色よりもフォーマル度が高く見られるのです。

次に「内羽根式」。そもそも羽根(レースステイ)とは、靴紐を通す部分のデザインのこと。この羽根が甲の前部の内側にあるものを内羽根式といいます。左右の羽根がほとんど外側に開かないシンプルなデザインが特徴で、内羽根式の靴は、ワークブーツなどに見られる外羽根式よりもフォーマルな靴とされています。

そして「ストレートチップ」とは、つま先の部分に一直線の切り替えが入ったデザインのこと。ちょうどキャップをかぶせたように見えることから、「キャップトゥ」とも呼ばれています。キリッとした端正な顔付きに加え、つま先にシワが付きにくいことから、昔からフォーマルな場面にふさわしい靴とされてきたのです。

■まさにオールマイティ。ビジネスからパーティ、冠婚葬祭までに対応

以上のことから、最初の1足として間違いないと断言できます。また、この靴がどれくらい使えるかというと、普段のビジネスからパーティ、冠婚葬祭まで、とにかくあらゆるシーンに対応できます。この靴を履いて行って、恥をかくシーンはほとんどない、と言っていいでしょう。おまけに主張が控えめでシンプルな靴なので、履きこなしも簡単。カジュアルには少々堅すぎるかもしれませんが、スーツやジャケパンといったきちんとした着こなしに合わせる分には、まず間違いありません。なんならタキシードに合わせてもOK。ただ、ベルトは靴に合わせて、黒のスムースレザーを合わせましょう。

■十分元が取れるから、できるだけ上等なものを選ぶべし

ただ、ひと口に黒の内羽根ストレートチップといっても、世の中にはピンからキリまであるわけで。何を基準に選ぶのが正解か、レクチャーしましょう。

アッパーの素材は丈夫で長持ちする点や高級感を考えれば、上質な本革のモノがおすすめ。ソールに関しては、もっぱら冠婚葬祭などのフォーマルな場で使うなら、よりちゃんとして見えるレザーソールが、普段のビジネスでもガシガシ使うなら、ラバーソールがベター。甲からつま先にかけてのノーズは長すぎず、かつ短すぎないバランスのモノを選ぶのが正解です。

 

また、この靴だけは、ちょっと背伸びをしてでも予算の許す限り上等なモノを買うことを推奨します。

筆者自身は今から20年前、25歳の時に「トレーディングポスト銀座店」でクロケット&ジョーンズの「オードリー」というモデルを購入しました。当時でも10万円近くしたハンドグレードラインの高級品でしたが、「黒の内羽根式ストレートチップは一生モノ。ちゃんとした靴を1足持っていれば、どんなシーンにも臆せず臨めます」という当時の店長さんの言葉に心を揺り動かされ、分割払いで購入を決意しました。結果、「オードリー」はその言葉通り、いやそれ以上のパフォーマンスを発揮し、20年経った今でも“ここぞ”という場面の勝負靴となっています。

現在は、クロケット&ジョーンズの「オードリー」(上写真右)と、伝説の靴職人・関 信義さんが作った靴のハシモト(上写真左)の2足を愛用しています。こうしたクラシックなデザインの靴は、トレンドにも左右されないので高価でも長く使え、十分元が取れるのです。

プレーントゥやUチップ、ウイングチップ、モンクストラップなどさまざまな種類がある革靴。もちろん、着こなしやTPOによって靴を使い分けるのが真のおしゃれというものです。ただ、黒の内羽根式のストレートチップは、別格の万能アイテム。朝、玄関で迷ったとき、とりあえずこの靴を選んでおけば間違いありません。

■奮発する価値あり! 長く愛用できる上質な黒のストレートチップ4選

理想的なストレートチップのイメージを掴んだら、次は実際に購入できるモデルをご紹介しましょう。英国やアメリカ、日本の有力ブランドから、長く履き続けられるクオリティと普遍的なデザイン、履き心地の良さを基準に4足をピックアップしました。

1. ルックスも履き心地も、値段以上の価値を実感できる優秀モデル

リーガル
「ストレートチップ 315R」(3万4100円)

日本の革靴といえば、今も昔もリーガルが代表格。ビジネスシーンを想定して作られた「315R」は、すらりと伸びたノーズと、工具の“のみ”を思わせるチゼルトゥ、そして約32mmのヒールがエレガントなイメージを強めます。足への衝撃を吸収するかかと部分のプラスクッションインソールやグリップ力に優れたラバー製のアウトソールなど履き心地の良さも人気の理由です。

>> リーガル

2. スーツブランドが考えた、現代のスーツに似合うストレートチップ

オンリー
「英国流/内羽根式ストレートチップ」(3万9600円)

近年、スーツに似合う靴作りにも力を注ぐオンリー。自信作のストレートチップは、バランスのいいロングノーズをはじめ、優美な丸みを帯びたトゥや立ち上がった甲部分がドレッシーなイメージを醸し出します。履くほどに足に馴染むグッドイヤーウエルト製法や、日本人の足形に合わせたオリジナルラストなど履き心地への配慮も行き届いた1足。

>> オンリー

3. 質実剛健な作りが魅力的なアメリカの国民的ストレートチップ

アレン・エドモンズ
「パークアベニュー」(9万9000円)

歴代のアメリカ大統領に愛用されてきたアレン・エドモンズの「パークアベニュー」は、小さめのトゥキャップや6アイレット、トリプルステッチなど英国靴とはひと味違うディテールが特徴です。どこかアメリカの靴らしさを感じさせるデザインは、ドレススタイルだけでなく、カジュアルスタイルとの相性も◎。レザーソールですが、ヒールのトップリフトは歩きやすいラバー製に。

>> トレーディングポスト

4. 英国靴界を代表する黒の内羽根式ストレートチップといえばコレ!

クロケット&ジョーンズ
「オードリー6(40周年モデル)」(19万8000円)

クロケット&ジョーンズは英国靴の聖地、ノーザンプトンを代表する名門ブランド。その代表作のひとつに数えられるのが、ストレートチップの「オードリー」です。トレーディングポストの創業40周年を記念して製作されたこのモデルは、作り込まれたディテールと新型の395ラストが生み出す流麗なプロポーションが見どころ。製法は頑丈な英国伝統のグッドイヤーウエルトを採用。

>> トレーディングポスト

>> 連載【ビジネスファッション裏技事典】

<文/押条良太>

 

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