外装パーツを取り付けて「ポルシェ911 GT3 RS」完成!【達人のプラモ術<ポルシェ911 GT3 RS(992)>】
&GP / 2024年12月28日 7時0分
外装パーツを取り付けて「ポルシェ911 GT3 RS」完成!【達人のプラモ術<ポルシェ911 GT3 RS(992)>】
【達人のプラモ術】
タミヤ
「1/24 ポルシェ911 GT3 RS(992)」
06/06
注目のタミヤ最新カーモデル「1/24 ポルシェ911 GT3 RS(992)」最速製作レポートもいよいよ最終回。前回の最後に現れた謎のモザイク画像はいったいなんだったのか。そして、達人が作り上げたオリジナルカラーで彩られたポルシェ911の完成形は、はたして。今回が今年最後の「達人のプラモ術」です。最後までお楽しみください。(全6回の6回目/1回目、2回目、3回目、4回目、5回目)
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「
モデルアート公式チャンネル」などでもレビューを配信中。
■外装パーツの取り付け
個別に塗装したウインドウパーツを車体に接着。最終組み立てを進めます。ボディ各部のフィンなどのエアロパーツは別パーツ化されているので、個別に塗装して取り付けていけばOK。パーツ精度も高く取り付けもピタリと決まるので製作はサクサク進められます。
▲フロントウインドウ等のクリアパーツは、接着のためのタブが大きいので位置決めがしやすく、また取り付けの際に接着剤がパーツ表面にはみ出して汚してしまうトラブルを起こしにくい配慮がなされている
▲サイドウインドウはボディ外側から組みこんで接着する。接着のためのタブ(矢印の部分)が大きく取られているので取り付けやすい
▲ヘッドライトは内部を塗装とデカールで仕上げたのち、ライトレンズに被せるように接着するので、レンズ部を接着剤で曇らせてしまうリスクがない
▲テールライトはクリアパーツなのでプラ用接着剤の仕様はNG。クリアボンドで接着するようにと指示されている
▲ボディ内側は事前に水性アクリル塗料のセミグロスブラックで塗装した後、ウインドウパーツ等取り付けていく
▲クリアパーツをはじめ外装パーツを接着したボディ
▲ブラックの部分が増えたことで全体が締まって見える。この状態で先に完成しているシャシーと組み合わせる(インストの工程29)
▲組み上がったボディとシャシー
▲ボディにアンダーパネルをハメ込んで組み合わせる。接着しなくてもいいが、ボディとサイドシルの合わせ目に僅かに隙間が生じたので作例では接着している
▲前回メタリックレッドで塗装したホイールは、黄色のボディとの相性が良くなかったのでガンメタに塗り直している
■ボディフィンの取り付け
ボディとシャシーを合体させたのち、ボディの前後輪後部にフィンとドアハンドルを取り付けます(工程32)。
ボディには小さなステーで接着するのですが、パーツが小さく固定する接着面積が少ないので、取り付けには精密ピンセットが必要となります。接着には、位置決めをしやすく強度を出したかったので、光硬化瞬間接着剤を使っています。硬化後も透明なので、一般の瞬間接着剤でありがちな接着面の白濁化でボデイの塗装を汚さないためオススメです(ちょっと高価ですが)。
▲コニシボンド「アロンアルフア光」(実勢価格:1600円前後) 製品のライトは青色なのでUV(紫外線)硬化タイプに見えるが、アロンアルフア光は可視光で固まる。硬化後の強度も高く、また白濁しないのも特徴だ。付属のライト(青色光)を使うことで10秒前後で硬化させられる
■難易度高しのバックミラーとリアウイングの製作
ボディが完成! 残すところは、サイドミラーとリアウイングの製作を残すのみとなりました。
サイドミラーは3パーツで構成されており(鏡面のインレットシールを含めると4パーツ)、複雑な形状を再現しています。で、ミラー本体の上半分はカーボン地となっているのでデカールで再現するのですが、1cmそこそこのサイズのミラー本体に4枚のデカールを隙間ができないように貼る必要があります。ムムムこれは厳しい!
マークフィッター(ストロング)で貼ったデカールを軟化させ、ドライヤーの温風でミラーの形状にデカールを馴染ませ、乾燥後にクリアー塗装で仕上げましたが、なかなかに大変です。ちなみにサイドミラーのカーボンデカールは、ルーフとボンネットに使用した別売の極細パターンではなくキット付属のデカールを使いました。
同様にリアウイングもウイングの半分(パーツB28)の両面にカーボン柄のデカールを貼る必要があります。表面にウイングステーを固定するピンが突出しているので、シワが入らぬよう馴染ませるのに苦労します。こちらもマークフィッター(ストロング)とドライヤーの温風で馴染ませています。
ウイングのステーはGTマシンでよく見るスワンネック型で、実車は速度に応じてウイングの角度が変わります。構造的にあまり強度はないので、完成後も取り扱いには注意が必要です。完成後のウイングは、ボディにステーをパチンとハメ込めと指示されていますが、ステーが外れてしまうんじゃないかとドキドキもんでした。
完成したサイドミラーとリアウイングをボディに取り付けて、これにてポルシェ911 GT3 RSの完成です。
▲インストの工程35でサイドミラーを製作。4枚のデカールでカーボン仕上げの部分を再現する。サイドミラーの曲面にデカールを馴染ませるためにマークフィッター・ストロング(デカール軟化剤)が必要となる
▲キット付属のカーボンパターンデカールを貼ったサイドミラー。曲面にシワなく馴染ませるため、マークフィッターで軟化させてドライヤーの温風で圧着する
▲カーボンパターンのデカールを貼ったリアウイング。背面にはPORSCHEのロゴを重ね貼りする。乾燥後にクリアーでオーバーコート塗装して仕上げる
▲ボディへのリアウイングの取り付けはハメ込みとなる
※DRS(ドラッグリダクションシステム) リアウイングとフロントディフューザーの位置さえもドライビングコンディションに合わせて瞬時に、かつ自動的に調整します。
■完成!…その前に前回発生したトラブルとは?
▲なぜボディが2個ある?
前回、ボディーのクリアー塗装にウレタンクリアーを使用して「いい光沢出たぜ」とニンマリ。クリアーの乾燥にも充分時間をかけたのち、塗装面の砥ぎ出しをすべく、ボディを部分的にマスキングしました(ボンネットのカーボンデカールを貼った部分)。
ウレタンクリアーの乾燥後の塗膜は硬いので、ボンネットのカーボンデカールを貼った部分にもマスキングテープを貼っても大丈夫。デカールが剥がれることはないという思い込みがありました。これがいけませんでした。研ぎ出し後にマスキングテープを剥がしたらデカールがクリアーの塗膜もろとも剥がれてしまいました。
ウレタンクリアーの塗膜は強いとはいえ、ボンネットとルーフはデカールの糊の力だけでボディに定着しているため、クリアー層が強くとも当然ながらクリアーの塗膜はデカールの上に乗っているだけです。なので、マスキングテープをはがす力に抗しきれず、持っていかれてしまったワケです。一気にマスキングテープをビッと引きは剥がしたのも悪かったと思います。
結果としてボディはご覧の通りの有様となってしまいました。硬化したウレタンクリアーは溶剤では溶かせないのでリカバリーも厳しく、また時間も限られていたので新たにボディを用意して、クリアー塗装の状態まで新たに仕上げたというワケです。
いやお恥ずかしい限りで、ウレタンクリアーは硬く剥がれないとという思い込みが招いたトラブルでした。
▲ウレタンクリアーの砥ぎ出しの際に、ボンネットのカーボンパターンデカ―ルを貼った部分をマスキング。テープを剥がす際にクリアー層もろともデカールが剥がれてしまった(泣)
■めげずに完成した「ポルシェ911 GT3 RS(992)」ギャラリー
■2025年も「達人のプラモ術」をよろしくお願い致します
「ポルシェ911 GT3 RS」で2024年のモデリングは終了。2024年末から2025年の春にかけては話題のニューアイテムも次々と発表されており、プラモデルはオールジャンルで多いに盛り上がりを見せています。いやー新製品から目が離せません!
2025年第1弾は何作りましょう? 乞うご期待です!
皆様、良い新年をお迎えください。
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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