【世界の街角】クアラルンプール発祥の地を訪ねて、イギリス統治時代を物語るコロニアル建築さんぽ
GOTRIP! / 2017年3月13日 11時30分
東南アジア屈指の大都市として、年々発展を続けるクアラルンプール。ペトロナス・ツインタワーなど、近代的な高層ビルの印象が強いかもしれませんが、それはクアラルンプールがもつ多彩な表情のひとつに過ぎません。
クアラルンプールには、ノスタルジックなコロニアル都市としての一面もあるのです。
1786年にイギリスの東インド会社がペナン島を手中に収めたことを皮切りに、マレー半島におけるイギリスの植民地支配が始まりました。以降、太平洋戦争時代の日本軍による占領などを経ながらも、1957年8月31日にマラヤ連邦が独立するまで、イギリスによる支配が続きました。
「クアラルンプール」はマレー語で「泥が合流する場所」という意味。それがどこかというと、クラン川とゴンバック川が合流する地点。
ここがクアラルンプール発祥の地なのです。その周辺には、おもに19世紀後半から20世紀初頭にかけて建てられた歴史的建造物が建ち並び、イギリス統治時代の面影を色濃く残しています。
・マスジッド・ジャメ
まさに「クアラルンプール発祥の地」に建つのが、クアラルンプール最古のイスラム寺院である「マスジッド・ジャメ」。1909年にイギリス人建築家により建設されたもので、インドのムガール建築の影響を受けていることから、マレーシアのモスクとしては異色の姿をしています。
白いタマネギ型のドーム、アーチのある柱廊など、その独特のシルエットは、マレーシアのモスクのなかでも一、二を争う美しさと言われています。マレーシアにモスクは数あれど、マスジッド・ジャメの歴史を感じさせる重厚な雰囲気は格別です。
・ムルデカ・スクエア
マレーシアの歴史を語るうえで欠かせないのが、「ムルデカ・スクエア」。マレー語で「独立」を意味するその名の通り、ここは1957年にマラヤ連邦の独立が宣言された場所。マレーシアの人々にとっては、独立の象徴としての意味を持ち、現在も毎年ここで独立記念日の式典が開催されています。
・スルタン・アブドゥル・サマド・ビル(旧連邦事務局ビル)
ムルデカ・スクエアの向かいにある、ひときわ目を引く壮麗な建物。イギリス人建築家の設計により、1894年から1897年にかけて建設されました。イギリスのビクトリア様式、イスラムのムーア様式、インドのムガール様式を融合させたデザインは、マレーシアにおける植民地時代を代表する建築物として知られています。
現在は最高裁判所として使われているため観光客が立ち入ることはできませんが、クアラルンプールで最も優美な建物は、外から見るだけでも一見の価値あり。西洋とイスラムの様式が融合した独特のスタイルは、どこか非日常的な美しさをたたえています。
・セント・マリー聖堂
1894年に建てられた英国系の教会で、スルタン・アブドゥル・サマド・ビルの設計者と同じイギリス人建築家によって設計されました。
信者でなくても内部に入ることができるので、厳かな空気に満ちた静寂の世界に足を踏み入れてみては。
・国立織物博物館
この建物は、もともと1905年に旧鉄道事務局として建てられたもの。やはりイギリス人建築家によって設計された建物で、イギリスとインドのムガール様式の影響が見られる重厚な建築物です。
現在はマレーシア各地の民族衣装や装飾品を展示する博物館として一般に公開されています。入場料はなんと無料でありながら、多岐にわたる展示内容は非常に見ごたえがあるので、時間に余裕があればぜひ立ち寄ってみてください。
数多くの歴史的建造物が建ち並ぶムルデカ・スクエア周辺は、クアラルンプールの行政や文化の中心地。コロニアル建築の数々を眺めていると、自分がマレーシアにいることを忘れ、どこか別次元の世界にワープしたような不思議な感覚に包まれます。
ここをなくしてクアラルンプールの歴史は語れない!あなたも、クアラルンプール発祥の地を訪ねてみませんか。
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