【世界の街角】ラインの宝石と呼ばれるスイスの美しい街「シュタイン・アム・ライン」
GOTRIP! / 2017年10月28日 6時30分
スイス北部、ドイツと国境を接するライン川沿いの町シュタイン・アム・ライン。この小さな町はその美しさから「ラインの宝石」との異名を持っています。
旧市街にある建物の壁にはどこも繊細なフレスコ画で彩られ、それはまるで屋外ギャラリーのよう。そんな見る者を圧倒する町シュタイン・アム・ラインの魅力を紹介します。
ライン川と並行して広がる旧市街。ここへ一歩踏み入れた際に筆者が思わず「美術館みたい」と口に出してしまったほど、そこには芸術的な風景が広がっています。
両側に立つ家々には繊細で美しいフレスコ画が描かれ、旧市街全体がひとつの美術館のようになっているのです。
ここに描かれている画は全てが同じ時期ではなく、様々な年代に描かれたものです。中でも最も長い歴史を誇るのは、ホテル「ヴァイサー・アドラー」の壁に描かれた16世紀初頭のもの。この町の中のみならず、スイス全土においても現存している物では最も古いフレスコ画です。
描かれているのは、ボッカチオが著した「デカメロン」の場面。
また1990年に描かれたという比較的新しいものが写真右のものです。これは次のような古代の有名な逸話です。日向でくつろいでいた古代ギリシャの哲学者ディオゲネスは、挨拶にやってきたアレクサンドロス3世に対し「あなたがそこに立つと日陰になってしまうからどいてください」と言っています。
旧市街を歩いていると、フレスコ画のほかにも目に飛び込んでくるものがあります。それが、美しく装飾された出窓の数々。これら出窓のある家は中世の裕福な人々が財力の証として建てたものです。
よく見ると出窓にも様々な装飾が施してあり、ついつい時間を忘れてじっくり観察してしまいます。
ドイツと国境を接するシュタイン・アム・ラインですが、一歩スイスに入っただけでドイツとは町の様子がガラリと変わるのがとても印象的です。とはいえ、ドイツでも見られる様な木組みの家が残る一角もあります。
ライン川沿いにあるこの町からはライン川クルーズをしながら、近郊の町シャフハウゼンやボーデン湖方面へ行くことも可能。のどかな風景を楽しみながらゆったりとクルーズが楽しめます。
まるで美術館に迷い込んだかのような美しい街並みが広がるシュタイン・アム・ライン。「ラインの宝石」はいまも色あせることなく輝き続けています。
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