【50代の転職STORY】大手百貨店から中小企業の中間管理職に…収入の変化は?
HALMEK up / 2025年2月2日 22時50分
人生の転機が訪れる50代は、セカンドライフに向けてライフスタイルを見つめ直す「セカ活」に適した時期。今回は、28年間務めた大手百貨店を50代で退職し、中小企業で管理職になった女性のケースをご紹介。働き方を変えて得られたものとは?
長く勤めた職場を50代で辞め、転職したSさんの場合
子どもの独立、介護、更年期、役職定年……人生の転機が集中しやすい50代。その後の充実した人生を送るために、仕事・暮らし・学びを前向きにシフトする「セカ活」特集。今回は、50代で初めて「転職」をし、新たな人生をスタートさせた方の実例をご紹介します
【教えてもらったのは…】
ソレイユ子さん(東京都・53歳)
10年以上ネイルサロンに通っているというソレイユ子さん。キレイな指先は働く上でのモチベーションにもつながるそう
1992年 大学卒業後、大手百貨店に新卒で入社
2019年 早期退職制度に応募することを決意、ライター講座に通い始める。
2020年3月 51歳で退社
2020年9月 紹介を受けた中小企業で1か月の業務委託を経験後、正社員の打診を受けそのまま再就職、現在に至る
ソレイユ子さんの現在の仕事は?
私は現在、人材サービス系の中小企業で働いています。入社時の肩書きこそ部長職でしたが、後方業務は何でも担当することとなり、労務管理、人事・採用、広報、社員教育、営業プレゼン資料作りなど、現場業務以外のことは何でもやっています。
比較的新しい会社で社内制度が整っておらず、前職のわずかな経験値を頼りに、それを少しずつ整えていくのが私の役割になりました。
これまでの経歴は?
転職前は、大手の百貨店に28年間勤めていました。主に営業・企画畑を歩み、退職前には店舗開発や街づくりの仕事に携わっていました。
新型コロナウイルスが発生して間もない2020年の3月に退職し、半年後に現在の職場との縁がありました。
退職の半年前には長年興味のあった「書くこと」を正式に学びたいとの思いからライター講座に通い、副業とまでは言えませんが、文章を書く仕事を請け負うようになり、現在は「ハルメクWEB」でも執筆しています。
転職を決意したきっかけは?
前職では、人間関係は良好でしたし、楽しい仕事もありました。一方で、10年ほど前の企業合併以降、会社の体質が変化し、かつての持ち味が失われつつあるのを残念に感じていました。
それでも、日々感じる不満は身近な同僚とグチを言い合って発散することもできましたが、自分の年齢や経験値が上がるにつれて「このままでいいのかな」という思いが募っていきました。
そのような日々を送っている頃、会社が早期退職制度を発表し、50代を中心に希望退職者を募り始めたのです。手厚い保障が用意されていましたが、組織を離れることに不安もあり、なかなか踏ん切りがつかずにいました。
期限ギリギリまで考えて、出した結論は「今のままでは5年10年後もいきいきと働く自分がイメージできない」ということ。結局、2019年の冬に転職の意思が固まりました。
30代40代の頃だったら「今より収入を下げたくない」「どうせなら誰かに誇れる会社に入りたい」という思いが強かったかもしれません。でも50代を迎え、もう一花咲かせたいなどという気持ちは毛頭なく(笑)、退職後はしばらくのんびりしたいと考えていました。
「セカ活」に求めたことは?
早期退職者向けに会社が提携していた4社の転職エージェントすべてに相談しながら「どんなふうに働きたいか」と考えたとき、何より優先したかったのは「自由度の高い働き方」でした。正直なところ、私には「特にやりたいこと」はもうありませんでした。
むしろ、大企業特有の忖度、内向きな資料作成や長時間労働など「もうやりたくないこと」はたくさんあったので(笑)。転職エージェントは、こんな話に最も共感してくれた一社に絞りました。
退職後は、そのエージェントで自分の28年間を棚卸しすることを学びました。自分の業務履歴を振り返り、強みや弱みを再認識する作業です。これはとても新鮮でした。それからほどなくして、たまたまコンタクトのあった別のエージェントから今の会社を紹介されたのです。前職とは規模も業種も異なり、最初は躊躇したのですが、「業務委託で1か月だけ試してみては?」とすすめられました。ダメなら辞めればいい、という軽い気持ちで働き始めましたが、すぐに正社員として登用され、現在に至ります。
言ってみれば、流れと勢いに身を任せていたら、今の場所に行き着いた感じです。
挫折・苦労は?どう乗り越えた?
転職後、挫折を感じたことはありませんが、カルチャーショックは受けました。
前職は新卒一括採用の企業だったため価値観の近い社員が集まり、整った環境の中で働いていました。対して、新しい職場は平均年齢が若く、職歴もさまざまで企業風土も独特、まさに多様性そのもの。法令遵守、制度や意識改革への道も、一筋縄ではいきません。
でも人間的には皆素直で、社長も改革にとても意欲的だったので、大変ではありますがやりがいを感じています。
収入面はどうなった?
ソレイユ子さんが社長に提出した成果報告書
シングルですし、幸い相応の退職金もあったので、前職との年収差はあまり気にしませんでした。半ば勢いで経験のない職種に転職ということで、収入は以前の6割ほどでのスタート。それでも、時間的・裁量的な自由度の高さには満足していました。
ちなみに、入社後は思いのほか全力で働くことになり、「少し割に合わないのでは?」と感じたため社長に1年間の成果を報告書にして提出しました。すると、すぐに給与が上がり、現在は以前の7割程度の収入になりました。こういった融通が利くところは、中小企業のメリットかもしれません(笑)。
また、唯一好きで始めたライターの仕事でもご縁をいただき、わずかながらお金を頂けるようになりました。今の職場でもあらゆる業務で「書く力」は大いに活かされていると感じています。
今のやりがいは?
転職後は成果重視の働き方に。テレワークで働けることも満足度が高いそう。
現在の会社では、自分の裁量で仕事ができ、提案したことが次々と形になっていくことにやりがいを感じています。「苦労」と「やりがい」が共存している感じです。
これまで経験したことのなかった仕事でも、28年間の会社員生活で自然と身に付いた引き出しがあったんですね。その引き出しと環境適応力、少しの度胸があれば、誰にでもできることかもしれません。
あなたの癒やしは?
新たに手話を習ったり、お寺でヨガをしたり、おいしいものを食べたりする時間に癒やされています。
以前は常に時間に追われて、近所を散策したり、身近な風景の変化を感じ取る余裕がありませんでしたが、現在はそうしたことにも意識が向くようになりました。転職後、時間と心の余裕ができたからだと思います。
現在の仕事をされるまでの考え方の変化は?
退職時にソレイユ子さんが受け取った花束
価値観は人それぞれで、長く勤めてきたからこそ「今の組織にしがみつくしかない」と考える人もいると思います。私の場合は、悩みながらも大きな組織からいったん離れ、いくつかのこだわりを手放した結果、いろんな縁が重なって今に至ったことはとても幸運だったと感じています。
いつまで働きますか?
現在の働き方には満足していますが、今後60歳までフルタイムの正社員を続けるかどうかはまだわかりません。状況を見ながら、数年後には業務委託に戻って、より自由度の高い働き方をするのもアリかな、なんて展望も見据えています。
「選んだ道は、自分で正解にしていけばいい」
新しい一歩を踏み出すとき「“今いる場所”から出て、自分には何ができるのか?」という答えはなかなか見えてこないものです。
でも、会社員生活を長く続けてきたというだけでも、その一通りの知見を必要とする場所はあります。前職で仕方なくかじったことのある労務や総務の知識がこれほど役に立つ日が来るとは思ってもいませんでした。結局、前職での仕事も無駄なことは一つもなかったのだと、今はとても感謝しています。
流れに身を任せてきた私のケースは、「たまたま結果オーライ」だったのかもしれません。でも、この先の人生、選んだ道はそうやって自分で正解にしていけばいいと思っています。
取材・文=北川和子
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