築100余年の日本家屋で楽しむ、コーヒーのコースメニューとは?〈ブルーボトルコーヒー 京都カフェ The Lounge -Kyoto-〉
Hanako.tokyo / 2021年5月12日 12時0分
この春、京都の〈ブルーボトルコーヒー〉に新たなメニューが登場。それはなんと、今年のトレンドになりそうな“コースで楽しむコーヒー”。その内容を徹底レポートします!
南禅寺にほど近い〈ブルーボトルコーヒー〉の〈京都カフェ はなれ〉が今年3月、リニューアルオープンしました。〈京都カフェ〉といえば関西エリアの第1号店として2018年に誕生し、築100余年の京町家をリノベーションした趣ある店舗。
3月20日リニューアルオープン。かつては旅館だったという趣ある京町家。2棟建てで、奥がカフェ、手前の棟の2階に〈The Lounge -Kyoto-〉が。
その〈はなれ〉の棟の2階に誕生したのが7席のみの予約制ラウンジ〈The Lounge -Kyoto-〉。ここで振る舞われるのが、世界中の〈ブルーボトルコーヒー〉の中でも初となる「コーヒーのコースメニュー」。京町家というアイコニックな環境と、創業者であるジェームズ・フリーマン氏の日本のコーヒー文化への愛を思えば、〈京都カフェ〉から世界初のメニューがスタートするのも納得できる気がします。
いよいよコーヒーもフルコースの時代へ!?
1階のカフェスペース。光を取り入れ、大胆にリノベーションした内装は〈ブルーボトルコーヒー〉の店舗のほとんどを手がける、長坂常氏率いる〈スキーマ建築計画〉が担当。
余談ですが、折りしも今年1月、〈ブルーボトルコーヒー〉のフラッグシップカフェがある東京・清澄白河にコーヒーのフルコースをメインにしたカフェ〈KOFFEE MAMEYA -Kakeru-〉がオープンし、話題になったばかり。「コース仕立てのコーヒー」は、今後のコーヒー界のトレンドになるかもしれません…!
京町家と調和する藍染の暖簾。靴を脱いでラウンジへどうぞ。
さて、徳島の藍染ブランド〈BUAISOU〉が手がけた暖簾をくぐって靴を脱ぎ、階段を昇って2階へ。このアプローチも風情があっていい感じです。
〈The Lounge -Kyoto-〉の室内は、足元の琉球畳と中庭を臨む大きな窓が印象的な空間。
コースメニューは、異なる抽出方法で提供する3種類のコーヒーと、それに合わせた2種類の季節のスイーツという構成。コーヒー豆はその時期のおすすめのクロップから2種類セレクトされ(この日はグアテマラとケニア)、好きな方を選べます。
予約者のみが入室できるラウンジの室内。カウンター5席、テーブル席2席。ハリー・ベルトイアの名作、〈Knoll〉のワイアーチェアが畳の間に馴染みます。
本日のお品書き。季節によって変わるコーヒー豆の産地やお菓子の内容も楽しみ。
カスカラのフィズは、甘酸っぱさがシュワッと喉をくすぐり、1杯目に最高!
1品目はスパークリングドリンク、その名も「FIZZ(フィズ)」。コーヒーの果肉を乾燥させた「カスカラ」を使ったタイプorコーヒーを使ったタイプの2種類で、本日は季節の柑橘=甘夏を加えたカスカラフィズをチョイス。カスカラは最近、スーパーフードとしても注目される素材で、それを使ったモクテルから始まるなんて今っぽくて楽しいです。シュワシュワッと涼やかな喉越しがスターターにぴったり。
〈Hario〉のネルドリッパーを使用。ちなみにバリスタ着用のデニム地のユニフォームは、こちらと清澄白河フラッグシップカフェだけの限定デザインだそう。
〈ブルーボトルコーヒー〉でネルドリップを提供するのは清澄白河のフラッグシップカフェとこのラウンジだけ。
2品目は、〈ブルーボトルコーヒー〉でもついに導入されたネルドリップを。フランネルの布フィルターを使った、日本の喫茶文化でも長く愛されてきた抽出法で、バリスタが目の前でドリップしてくれます。コーヒー豆は、ふくよかなボディ感と華やかな酸味のグアテマラをセレクト。新鮮な驚きだったのは、ドリップを終えたコーヒーが富山の鋳物メーカー〈能作〉の酒器でサーブされたこと! ネルドリップならではのトロリと艶やかな質感が、錫の柔らかな口当たりでより際立って、これは楽しい体験でした。
錫の酒器でいただくネルドリップコーヒーと和スイーツとの絶妙なマリアージュ。
ネルドリップにはお湯を入れた「ちろり」付き。最後にちょっと薄めて飲んでもおいしいですよ。
最初のデザート「抹茶寒天クリームぜんざい」は、宇治の〈利招園〉の抹茶と京都堀川三条のあんこ屋〈都松庵〉の粒あん、そして北海道の〈HiO ICE CREAM〉のミルクアイスクリームという贅沢な三つ巴のおいしさ。普段からお付き合いのある作り手とのコラボレーションで誕生した〈ブルーボトル〉ならではの味わいです。ボディ感のあるネルドリップは、まるでお濃茶を楽しむようなリッチさもあり、和のデザートとの相性もバツグンでした。
水出しコーヒーを涼やかな丸氷で。この日の豆は豊かな果実味のケニア。季節のデザートは桜の香りとバタークリームのコクが広がる「桜バターサンドクッキー」。
1階に置かれた「Oji」の美しいウォータードリッパー。1滴1滴、水を落とし、8時間かけて抽出する水出しコーヒーは、1度に作れるのは2基で約6Lのみ。
そして3品目は、こちらも初登場の〈Oji〉のウォータードリッパーによる水出しコーヒー。1滴1滴、水を点滴する歴史ある抽出法で、抽出にかかる時間は実に8時間。巨大な砂時計のような機器はまるで芸術品のような美しさです。
「水出し」らしい、ガツンと重厚感がありつつ雑味のないクリアなコーヒーを、ウィスキーのように“丸氷”でいただく粋な演出。第2のデザート、桜バターサンドクッキーの塩味と桜の香りを感じつつ、氷を溶かしながらコーヒーの風味の変化を楽しむ……。まさに〆の一品にふさわしい味わいです。
コーヒーコース「3種のコーヒーと季節のデザート」3500円。予約制。9:00〜16:00(最終入店)。コースは約90分。予約専用サイトから予約を。https://yoyaku.toreta.in/bbc-kyotocafe
リニューアル記念アイテムも登場。京都の刺繍ブランド〈京東都〉とのコラボで誕生した、京都カフェの外観を刺繍した愛らしいハンドタオル。大阪の〈泉州タオル〉を使用。1700円。*〈京都カフェ〉限定販売。
ネルドリップに水出しコーヒーといったブランド初となる抽出法や、和スイーツや和の酒器との組み合わせなど〈ブルーボトルコーヒー〉の新たな試みが詰まったコースメニュー。世の中に流通するコーヒー豆のクオリティが格段に向上している今、高いポテンシャルを持つ豆を様々な方法で料理=抽出し、スイーツとともに味わうスタイルは、コーヒー界の“次なる扉”として自然な流れなのかも。
ともかくも、完全予約制なので“密”を気にすることなく、趣ある日本家屋でゆったりと約90分のコーヒータイムを満喫できるのは、ニューノーマルな今の生活にもぴったりの過ごし方。初夏の京都散策に新しいコーヒー体験、いかがでしょう?
〈ブルーボトルコーヒー 京都カフェ The Lounge –Kyoto–〉
「南禅寺前」の交差点からすぐ。地下鉄東西線「蹴上」駅から徒歩7分ほど。
京都府京都市左京区南禅寺草川町64
075-746-4453
The Lounge –Kyoto–/9:00〜16:00(予約制) カフェ/8:00〜18:00 無休
7席(カフェ62席/はなれ1階18席、カフェ棟44席)
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