大谷翔平が口にした「不幸中の幸い」 左肩亜脱臼で強行出場も前向き「こういう舞台だとアドレナリン」

会見に出席した大谷翔平（左）（カメラ・中村　晃大）

◆米大リーグ　ワールドシリーズ第３戦　ヤンキース２―４ドジャース（２８日、米ニューヨーク州ニューヨーク＝ヤンキースタジアム）

　ドジャース・大谷翔平投手（３０）が２８日（日本時間２９日）、ワールドシリーズ第３戦の敵地・ヤンキース戦に左肩亜脱臼を抱えながら「１番・指名打者」でフル出場し、３打数無安打ながら２四死球で２出塁し、チームの勝利に貢献した。ドジャースは初戦から３連勝で、２０年以来４年ぶりのワールドチャンピオンへ向けて王手をかけた。

　大谷は２６日（同２７日）の本拠地での第２戦で、二盗を試みた際に左肩を負傷。精密検査のためチーム本隊とは別便で移動し、前日２７日（同２８日）も全体練習には参加せず個別メニューで調整した。この日の試合前のセレモニーでグラウンドに出た際には、スタメン出場選手ではただ１人ジャケットを着て、左肩には黒いサポーターも見えた。試合中はスイングをして表情をしかめる場面もあり、走塁時には左肩を固定するようにして左手でユニホームをつかみながら出場した。

　左打ちの大谷にとって、左肩は投手に向かって後ろ側。打撃でも最後に力が入るのは右手とあって、最悪の事態は回避できたとも言える。大谷も「基本的には逆サイドの腕（右腕）の方がおそらくきつかったのかなという感じはする。左肩でよかったんじゃないかなとは、不幸中の幸いではないかなと思いますね」と説明しながら必死に前を向いた。

　当然痛みがないわけではないが、頂点まではこの試合を勝ったことであと１勝。右足首捻挫を抱えながら３試合連続本塁打を放つなど圧巻の活躍を見せるフリーマンら、故障を抱える同僚も多いとあって「こういう舞台だとアドレナリンが出て、ある程度の痛みに耐えられるのかもしれない」と話した。