尾上松緑、来年1月歌舞伎座で「熊谷陣屋」の熊谷直実に初役で挑む 中村隼人は「大富豪同心」を歌舞伎化
スポーツ報知 / 2024年10月31日 0時44分
歌舞伎俳優の尾上松緑が、来年1月の松竹創業百三十周年「壽 初春大歌舞伎」(歌舞伎座、1月2~26日)の夜の部「熊谷陣屋(くまがいじんや)」で熊谷直実役に初挑戦する。
「平家物語」の世界を大胆に脚色した重厚な時代物で、松緑の祖父・2代目松緑が当たり役とした。戦乱ゆえの悲劇、世の無常さ、人生のはかなさが胸を打つ義太夫狂言の傑作。松緑が初役で熊谷直実を勤め、中村萬壽が相模、中村芝翫が源義経、中村歌六が白毫弥陀六、中村雀右衛門が藤の方、坂東亀蔵が堤軍次を演じる。
夜の部「大富豪同心(だいふごうどうしん)」は、中村隼人がNHK時代劇と同じ主役の八巻卯之吉と幸千代の2役を勤める。現在までにNHKで3シーズン放送され、年末時代劇「大富豪同心スペシャル」の放送も決まっている。歌舞伎としての上演では、松本幸四郎が演出を手掛ける。隼人をはじめ、中村壱太郎、坂東巳之助、坂東新悟、尾上右近、中村米吉の花形が集結し、中村鴈治郎、幸四郎、市川中車の出演が決まっている。
昼の部は、新春にふさわしい祝祭劇の「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)』」から。「陰陽師」から「大百足退治(おおむかでたいじ)」では松緑が藤原秀郷を勤め、「鉄輪(かなわ)」では幸四郎が安倍晴明、中村勘九郎が源博雅、松本白鸚が蘆屋道満を演じる。中村鴈治郎家の芸である「玩辞楼十二曲」より「封印切(ふういんきり)」では中村鴈治郎、中村扇雀の兄弟が亀屋忠兵衛と丹波屋八右衛門をダブルキャストで演じ、傾城梅川は片岡孝太郎が勤め、上方の名作を届ける。
夜の部「二人椀久(ににんわんきゅう)」は舞踊の名作。椀屋久兵衛(通称・椀久)が狂乱してさまようなかで、恋しい遊女松山の幻を見て舞い踊る幻想的な舞踊。今回は、椀屋久兵衛を尾上右近、松山太夫を中村壱太郎というフレッシュなコンビで上演する。
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