「本物のピッチャーとまた会えた。ワクワク感は強いよ」巨人・名伯楽が田中将大の復活へ菅野式再生術「ああいうふうにしたい」
スポーツ報知 / 2025年1月14日 5時20分
巨人・久保康生巡回投手コーチ(66)が13日、“マー再生”プランを語った。宮崎春季キャンプから田中将大投手(36)の指導を一任されるキーマンを直撃。菅野智之投手(35)をV字回復に導いた名伯楽は「大きな戦力になる。あと3勝とか全然そんな話じゃない」と日米通算197勝右腕の復活に太鼓判を押した。多彩な武器を持つ名投手ならではの「再スタート」が必要と推察し、早ければ開幕前の3月にも復活可能と判断した。(取材・構成=内田 拓希)
的確な指導力で「魔改造」の異名をとる久保コーチに、レジェンド右腕再起の使命が託された。阿部監督は「久保さんに付きっきりでやってもらおうかな」と、田中将を宮崎キャンプで名伯楽に預ける方針だ。
「大きなお土産だね。宿題だよ。監督とは田中くんが入る前に話をして、彼をどうしようかと相談を受けました」
田中将は日米通算197勝。150キロ超の直球と宝刀のスライダーなど多彩な変化球、抜群の制球力など無数の武器で白星を重ねてきた。昨季0勝に終わった今こそ「軸」を確立することが必要だと考えている。
「どういうコンセプトで投げてるというのが実は、はっきりしてないんじゃないかなと。『こんなんでどうかな』って感じでも、彼なら十分投げれるから。ずっとエンドレスで走ってきて(23年10月に)肘を手術して一回、立ち止まったじゃないですか。そういう意味で非常に整備しやすい時期に来たんじゃないかな」
23年に4勝と苦しんでいた菅野と投球フォームの修正に取り組み、二人三脚で復活に導いた。当時、苦闘していた菅野と田中将の共通点を感じている。
「菅野も本人がよかれと思った練習をしてたんだけど、どういうコンセプトがそこにあるんかな?っていうのがあった。いろいろなものを、暗闇の中でやってるんだね。そういう意味でよく似てる。田中くんもあれだけの選手ですから、何かそこでパンとうまくはまって、分かってしまえば。また大きな戦力になる。あれだけのコントロールと経験も持ってるし。もう一回、再スタートできるんじゃないか。少しだったらお手伝いできるんじゃないかな」
菅野はリリースポイント変更を含め、投球フォームの修正が奏功した。
「計測器で(データを)取った時に、結果がうまく可視化できる。やりながら、こっちの方がいいよと変えながら。(投球フォームの)原理原則が頭の中に入り込んだ。田中くんも、結果的にはああいうふうにしたいんだけどね」
通算200勝まであと3勝に迫るが、投手としての「完成」はまだ先にあると断言する。
「あと3勝とか全然そんな話じゃない。まだ36歳でしょ? ここからですよ。菅野に『35(歳)からやぞ、ピッチャーは!』って話したら『ええ?』って言ってたけど(笑)。投手は35歳から40歳で、ようやくあるべき姿になる。『こういうことか』っていうのが分かってくる。体力が落ちるじゃない。一方で頭には技術の蓄積がたくさんあって『体』と『技』が合わなくなる。そこで投球の原理原則が整理できれば、『こういうことか』と分かってくる。(田中将が)キャンプにどこまでいい体を持ってきてくれるかによって、復活する速度が変わってくる。3月か4月か5月か6月か。焦る必要はないけど、分かってくるタイミングによっては結構、早いと思うよ」
岩隈久志を育てた98年の近鉄コーチ時代に始まり、NPB4球団で指導。チームの垣根を越えて注目していた大投手に、巡り合った。
「僕がコーチをやっている時期に日本の3大ピッチャーがいて。それが松坂大輔、田中将大、菅野。僕がソフトバンクに行った時(17年オフ)に松坂とは入れ違いになっちゃったから、あと1年早く会えたら良かったなぁと思って。菅野にもずっと注視してて。すごいんだけど『もう少しこういうふうにやったらもっと良くなるかな』という思いを持って見ていた。遠くから勝手にね。田中くんもそうなんよ。日本3大投手の能力、考え方とかどうなんだろうってすごく興味があって。今回、2度目の思いがかなった(笑)。会うのが楽しみだよ。『こうしたらどうだろうな』っていう、本物のピッチャーとまた会えた。ワクワク感は強いよ」
球史に名を残す右腕との二人三脚。名伯楽の脳裏には、復活ロードが明確に描かれている。
◆久保 康生(くぼ・やすお)1958年4月8日、福岡生まれ。66歳。柳川商から76年ドラフト1位で近鉄入団。阪神、近鉄を経て97年に現役引退。通算550登板、71勝62敗、30セーブ、防御率4.32。引退後は近鉄、阪神で1軍投手コーチ、ソフトバンク2軍投手コーチなどを歴任し大塚晶文、岩隈久志、藤川球児らを育てた。
◆G久保コーチと菅野 23年3月に開幕2軍となった菅野が2軍に合流。久保コーチは過去の映像を確認し「2020年くらいから崩れてきて、軸足を潰しだした」と、投球フォームの中で右足が沈み込む動きに出力が出ない原因があると分析。「高い電柱がそのまま倒れたら、下にいる人はひとたまりもない。だけど短いものが倒れてもたいした力は出ない」と軸足が沈み込むデメリットを説いた。その後はヤジロベエのように大きく体重移動して投げる練習、左腕を高く上げて上から真下に投げ下ろすようなイメージの練習など反復を重ね、角度のある力強い投球が復活。23年は4勝8敗だったが、24年は15勝3敗で最多勝を獲得してリーグMVPに輝いた。
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