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「大谷選手への憧れもありますが」麟太郎妹・佐々木秋羽「なりたい」選手明かす 新入団巨人女子で同じ背番号

スポーツ報知 / 2025年1月22日 5時0分

尊敬する大谷翔平と菊池雄星の記念モニュメントの前で笑顔を見せる佐々木秋羽(カメラ・山崎 賢人)

 女子高校野球の強豪・花巻東(岩手)の佐々木秋羽(しゅう)内野手(18)が、このほどスポーツ報知の単独インタビューに応じた。今春から筑波大に進学。高校通算140発を放った麟太郎内野手(19)=米スタンフォード大=の妹は、2月から巨人の女子チームに入団し、巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏の代名詞でもある背番号「55」を背負う。同校野球部の監督で父の洋氏(49)と同じく、将来は指導者を目指してさらなる飛躍を誓った。(取材、構成=高橋 宏磁)

 巨人の女子チームに、新たなヒロイン候補が入団する。50メートル6秒4の俊足で、巧打が持ち味の遊撃手。昨夏は主将として、全国高校女子硬式野球選手権で準優勝した。意気込みを問われた秋羽は、目をキラキラさせながら取材に応じた。

 「巨人に入団できたのは、すごくありがたいこと。1年目から持ち味を出してチームに貢献できる選手になりたいです」

 父は菊池雄星や大谷翔平らを育てた洋氏で、同校OBの兄は超名門のスタンフォード大に進学した。少なからず、重圧もあったという。

 「3年生の最後の大会(同選手権)では活躍できなかった。少し、考え過ぎてしまうタイプなんです。注目されてないと思うんですけど、少し気にしてしまう部分がある。それなりに活躍をしないと、自分も兄も父も(何かを)言われてしまうのかなと思うと、少し苦しかったです」

 しかし、秋羽にとって兄はなくてはならない存在だった。昨年末、麟太郎が帰省した際はともに汗を流し、打撃や筋トレなどで助言を受けた。

 「(妹の)自分が言うのもなんですが、兄は打撃で飛び抜けているものがある。毎日、練習に付き合ってもらいました」

 進んできた道のりも重なる。麟太郎と同様、当初は父から花巻東への進学を反対された。それでも、憧れる大谷の母校で野球を続ける夢を諦められなかった。父が提示した条件は、同校野球部のモットーでもある「文武両道」を守ること。昨年12月、筑波大に推薦入試で合格しながら、今月18、19日には大学入学共通テストを受験した。

 「共通テストが終わるまで勉強も頑張る、というのが入学の条件でしたから。苦手だった地理や世界史は思ったよりできたかな。筑波大は勉強も素晴らしい大学です。大学でも野球と両立して頑張っていきたい」

 兄への憧れに加え、父へのリスペクトも尽きない。将来は洋氏と同じ、指導者の道を目指すという。

 「父を尊敬しています。中でも『人間は思考そのもの』という考えを大事にしています。いろいろな面から物事を考える。その考えを学びたいと思って、家でも教えてもらっています」

 巨人の女子チームでは、松井氏と同じ背番号「55」をつける。昨秋に「高校野球女子選抜対イチロー選抜」に選出された際には松井氏から声をかけられた。

 「松井さんの打球や、本塁打に圧倒されました。すごく優しくて、人間性も素晴らしかった。大谷翔平選手への憧れもありますが、松井さんのようになりたいと思いました」

 筑波大から、巨人女子チームの練習場までは電車で約2時間。平日3回の練習と、土日には試合をこなすというハードスケジュールだ。まずは2月1日から、巨人での練習が始まる。

 「自分で決めたことなので頑張りたい。一番の目標は日本代表選手になること。昨年の大谷選手のように、長打も打てて盗塁もできる選手が理想です。将来は教える立場になって女子野球を普及していったり、現役を続ける限り、女子野球の魅力を伝えられる選手になりたいです」

 ◆佐々木 秋羽(ささき・しゅう)2006年9月29日、岩手県生まれ。18歳。江釣子(えづりこ)ジュニアスポーツ少年団で小2から野球を始める。江釣子中時代は陸上部に在籍しながら、大谷の父・徹さんが監督を務める金ケ崎シニアで主に投手や内野手としてプレー。22年、花巻東に入学。1年秋からレギュラー。169センチ。右投左打。家族は両親と兄。

【取材後記】

 この父にしてこの娘あり、と思った。洋監督の教えの一つは「野球も、できる人間になれ」。大谷も高校時代、勉強にも取り組んだという。私が担当記者として約2年取材した麟太郎も同様。秋羽も、教えを守っている。

 関係者によると、同校野球部員は卒業する前、「帰省しても、無理して学校には来なくていい」と言われるという。ただ、指揮官はこう続ける。「帰省したら、中学までにお世話になったところに顔を出しなさい。安くてもいいからお土産を持って」と。その裏には、社会人として必要な礼節を身につけてほしいとの思いがある。きょうだいは昨年末、ともに金ケ崎シニア時代に指導を受けた大谷の父・徹さんらを訪問した。

 「今、女子野球は高校卒業後の進路がなかなかない。しっかりとした大学を卒業して、しっかりとした進路に進みたい」と秋羽。1年時にも取材したが、丁寧な受け答えに感心した。父の教えを守って、自らの道を切り開くのだろう。(宏)

 ◆巨人女子チーム 21年末に西武、阪神に次ぐNPB傘下チームとして選手4人で発足。20人態勢となり単独チームとして本格活動を始めた23年、夏の全日本クラブ選手権(千葉)を制覇した。昨季はクラブ選手権を連覇、大学など全カテゴリー上位が争う秋の全日本選手権(愛媛)は準優勝。関東地区の12チームが3回ずつ対戦するリーグ戦ヴィーナスリーグは25勝8敗の3位で、全公式戦の成績は42勝11敗だった。

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