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横浜清陵が21世紀枠で初センバツ!神奈川県立校71年ぶり 東海大相模でV経験の野原監督「公立意識は負け犬根性の象徴」意識改革徹底

スポーツ報知 / 2025年1月25日 5時30分

野原監督を中心にセンバツ初出場を喜ぶ横浜清陵の選手たち(カメラ・竜田 卓)

 第97回センバツ高校野球大会(3月18日から13日間・甲子園)の選考委員会が24日、大阪市内で行われ、32校が選出された。21世紀枠には横浜清陵(神奈川)と壱岐(長崎)がともに初出場を決めた。強豪私立がひしめく神奈川で、公立校の出場は28年ぶり、県立校に限れば71年ぶりとなった。組み合わせ抽選は3月7日に行われる。

 グラウンドは静かなままだった。山口修司校長(56)から甲子園初出場が決まったことを伝えられても、25人の部員は表情を変えない。東海大相模の控え投手として00年春のセンバツ優勝を経験した野原慎太郎監督(42)も「本当に考えていなかった」と驚く一方で「いつも以上にいつも通りを意識していこう」と冷静に呼びかけた。

 神奈川の公立校の甲子園出場は97年春の横浜商以来28年ぶり。県立に限れば、54年春の湘南以来71年ぶりの快挙だ。昨秋の神奈川県大会では公立唯一の8強入り。同県史上初の21世紀枠での出場となるが、山本康太主将(2年)は「甲子園で勝つためには私立、公立は関係ない。目の前の相手と戦うだけです」と部を代表して言い切った。

 一塁ベンチには、指揮官が発した“名言”を選手たちが貼り出している。その中に「『私立』『公立』意識の禁止」という言葉がある。「公立意識は負けの言い訳づくり。私立意識は相手を見上げるだけ。神奈川の異常な公立意識は負け犬根性の象徴。付加価値は不要。野球をやれ」。野原監督は高校時代、門馬敬治監督(現創志学園監督)の指導を受けた。「その後の人生を左右するというか、僕の大きな根っこになってます。ひと言では言えないですけど、人間はここまで本気になれるんだということを経験できたのは非常に大きかった」。戦国・神奈川で生き残るため、日頃から工夫を重ねてきた。

 普段は家庭科の授業を受け持ち、ジェンダー観や家族のあり方などを生徒に教えている指揮官の下、横浜清陵には「自治」という文化が根付く。野球部の活動はサッカー部との共用グラウンドで週5日練習。平日は2時間40分程度の練習しかできない中、毎週月曜日の昼休みに行われる「リーダー会議」で主将とマネジャーが1週間の練習メニューを決める。同校でマネジャーは部の管理という役割を担う。その他にも、月に1度のレクリエーションを企画する「親睦係」などが存在し、毎日あみだくじで5~6人の「下校班」を決めて集団下校。全員の“アイデア力”で団結してきた。

 「自分の弱さを知ってるからこそ、みんなで野球をやろうというのがチームの特徴」と野原監督。神奈川公立の雄が新たな歴史を刻む。(中村 晃大)

 ◆野原 慎太郎(のはら・しんたろう)1982年8月25日、大阪・豊中市生まれ。42歳。東海大相模では背番号10の控え投手として00年センバツV。横浜国大、同大大学院を卒業後、県立校の岸根、大師を経て、横浜清陵では21年夏、24年春、24年秋に県8強。趣味は教材研究、ラーメン店巡り、料理。176センチ、71キロ。右投右打。家庭科教諭。

 ◆横浜清陵 横浜市南区にある県立共学校。1974年開校の清水ケ丘がルーツ。80年開校の大岡と2004年に再編統合し、現校名で開校。生徒数854人。野球部員25人。主な卒業生に女優の斉藤由貴(清水ケ丘卒)。普通科のみで進学率90%。体操部、サッカー部、吹奏楽部も盛ん。修学旅行は行き先から行程まで全部生徒が決める。

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