【センバツ】９８年ぶり大阪勢不在…大院大高・辻盛英一監督「大変申し訳ない」 連続出場の歴史途切れた

センバツ出場が叶わず天を仰ぐ大院大高・辻盛英一監督（左、右は角田聡校長）　（カメラ・豊田　秀一）

　第９７回センバツ高校野球大会（３月１８日から１３日間・甲子園）の選考委員会が２４日、大阪市内で行われ、昨秋近畿大会８強で当落線上にあった大院大高（大阪）は、不選出で２９年ぶり２度目の出場を逃した。これで、大阪勢は１９２７年の第４回大会以来、９８年ぶりの選出０となった。近畿最後の６枠目を勝ち取った滋賀短大付は、春夏通じて初の甲子園出場。２１世紀枠は壱岐（長崎）と横浜清陵（神奈川）がともに初出場を決めた。組み合わせ抽選は３月７日に行われる。

　近畿６枠、最後まで大院大高の名が呼ばれることはなかった。大阪・吹田市内のグラウンドで中継を見守った辻盛英一監督（４８）は、一瞬、天を仰いだ。「選ばれてほしいと思っていたが、言っても大阪３位の近畿８強なので。『そりゃそうだろう』って」。冷静に受け止めた一方で、大阪代表は１９７２年の第４回大会以来、９８年ぶりの不選出となり「大阪が０になってしまったことには、大変申し訳ないという気持ちがある」と、謝罪の言葉を並べた。

　春１２度、夏１４度と、いずれも甲子園最多優勝を誇る大阪勢の歴史が途絶えた。昨秋の近畿大会、大阪王者の履正社、同２位で大会３連覇中だった大阪桐蔭が初戦敗退。唯一、８強入りした大阪３位の大院大高が、“最後のとりで”となった。とはいえ、５、６枠目を争う同じく８強の滋賀学園（滋賀１位）と滋賀短大付（同２位）は、それぞれ初戦でこの“大阪２強”を撃破。この一戦が「見事だった」（日本高野連・宝馨会長）と、高く評された。

　加えて、準々決勝の戦いぶりについても、滋賀２校が上回ると評価された。大院大高も、優勝校・東洋大姫路（兵庫１位）に対して０―４と食らいついたが、６安打完封負け。初戦を含めると近畿大会２試合１得点と強調材料に乏しく、指揮官は「１点でも取っていれば、可能性はあったと思うので。そこは（大阪不選出の）責任があると思う」と、悔やんだ。

　０２年は、大阪３校全てが近畿大会初戦で散りながら、大阪１位の近大付が選出。なんとかつないできた連続出場の歴史は１００年を目前に途切れ、今春、大阪勢不在のセンバツが幕を開ける。（瀬川　楓花）