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『SAKAMOTO DAYS』杉田智和と島崎信長が語る、役者が人生をかけて積み上げた“芝居の厚み”「あらゆる物事が、芝居に繋がっている」

クランクイン! / 2025年1月5日 12時0分

――そんな坂本さんの背中を追うシンですが、彼自身の魅力はどういった部分にあるのでしょうか。

島崎:坂本さんへの敬意を原動力に動く姿とか、かわいらしさが最初に見えるシンの魅力ではありますよね。でも、彼の人生を真面目に考えてみると、相当な経験を経てきて今があるんですよね。パッと見の印象では“舎弟感”に重心を寄せたくなるんですけど、周囲を疑いながら孤独に殺し屋稼業を生き抜いてきた一匹狼の姿こそ、彼のニュートラルなスタンスなんじゃないかなと、僕は思っています。


■近い感性を持つ2人、だからこそ見えるもの

――坂本さんがそうであったように、人は変化していくものだと思います。役者として長く活躍しているおふたりが、互いに変化を感じた部分があれば教えてください。

杉田:笑顔の向こうにある後ろ暗さ。それが長所になっている人物が、島崎信長さんだと思っています。彼はかつて、自分の“好き”を語るにあたって、それが周囲に与えてしまう影響について思い悩んでいました。なんて優しい男なんだと思いましたね。

島崎:いやいや(笑)。

杉田:今でもその根本は変わらず、悩みを自分なりの形で乗り越えて、より頼もしい存在になっています。性質が大きく変化したわけではなく、優しいまま“進化”したのが今の彼なんだと思っています。

島崎:僕から見た杉田さんも、同じ印象ですね。基本的なスタンスは変わってないけど、より進化した存在になっています。たぶん、杉田さんの中には進むべきロードマップみたいなものがあって、それを、アップデートを重ねながら進んでいるんじゃないかな。

たとえば、“好き”を発信する方法ひとつ取っても、若い頃はいろいろな手段を模索して、発信する内容も手探りだったと思います。勘所が掴めてきたら、その性質や、発信の方法も変わってきますよね。そんな感じで、常により良い形を目指して歩き続けている先達、というイメージがあります。

杉田:これは僕が勝手に思ってることなんですが、信長くんは僕と感性が近いような気がするんです。相談をしても基本的には優しく接してくれるけど、絶対に中核になる部分は曲げず、厳しい部分まで踏み込んでくれる。これって、本当に勇気がいる行為なんですよ。

島崎:杉田さんも、自分を偽らない人じゃないですか。だからそうした方がいいかなって。純粋に好きな気持ちに対して、いろいろなものが絡んで大変になる感覚は、僕もよく分かるので。

杉田:だから、無性に「信長くんと話したいな」と思う瞬間があるんですよね。自分の中の気持ちを再確認できるし、僕にとってもとても有り難い。

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