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松坂桃李、15周年を迎えた俳優人生は無我夢中 大切にしてきたのは“柔軟であること”

クランクイン! / 2025年1月22日 7時0分

 実在の人物を演じることには緊張感もあるという松坂。「資料を読み込み、監督と僕で想像を膨らませて演じる大変さはあるんですけど、共演者の皆さんとお芝居をさせてもらうことで引き出してもらえることも多いんです。あとは『素直に演じてくれれば』という監督の言葉にもつながるのですが、本読みを入念にやり、相手のセリフを聞いたことで、自然と出てくる言葉や表情が正解につながる。台本をたくさん読み、良策と自分が向き合う時間をしっかりと作った結果がこれにつながった」と、みんなで作り上げた良策像に手ごたえを感じている。

◆15周年を迎えた俳優人生  “柔軟さ”はなくてはならないもの


 松坂は2024年に俳優デビュー15周年を迎えた。「まったく自覚がなかったですね。事務所の皆さんからお祝いしていただきました。菅田(将暉)も同期なんで、一緒に抱き合わせで」と笑いながら、「15年経ったと気づかないくらい無我夢中でやることができたというのは、ありがたいことだなと思っています。いろんな人の支えがありましたし、ご縁や運も。その連続だったと思います」と振り返る。15年の間には、さまざまな大きな出会いがあったというが、「一番の出会いは今のマネージャーさんと一緒に仕事ができているということかもしれない」と周囲への感謝を忘れない。

 良策は、医師として天然痘患者の命を救うという譲れない思いを心に抱いていたが、松坂にとって俳優として譲れないものは何だろう。そう質問すると、「それが見つけられないんですよね」との答えが。「俳優にとって、そういう譲れないものは時として邪魔になることも。主演の時もあれば脇を演じる時もありますし…。いろんなジャンルの作品に挑戦するにあたり、柔軟でありたいとは思いますね。柔軟さというのはなくてはならないものです」と教えてくれた。

 36歳になり「体力が落ちてきましたね。疲れやすい」と苦笑い。「運動していない僕が悪いんですけど。みんなジムに行ってますよね。10人に聞いたら10人行ってます。なんであんなにジムに行ってるんですかね…。運動はやったほうがいいんだろうなって思います。でもなんか気乗りしないんです(笑)」とお茶目なカミングアウトも。

 いつも変わらず穏やかで真摯な人柄で、取材陣からの人気も高い松坂。今回のインタビューでも、「コロナ禍を経た今だからこそ、本作を多くの人に観てほしい」という思いが真っすぐに伝わってきた。幕末に生きた1人の町医者の熱い志を、小泉監督が映し出す日本の美しい景色とともにぜひ大画面で受け止めてほしい。(取材・文:渡那拳 写真:高野広美)

 映画『雪の花 ―ともに在りて―』は、1月24日全国公開。

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