【医師が解説】冬本番前に知っておきたい「あかぎれ新常識」とは?
イエモネ / 2022年12月17日 7時30分
日々の家事や手洗い、アルコール消毒などで、手荒れが気になる人も多いかもしれません。しかも、冬は寒さと空気の乾燥により、「あかぎれ」ができやすい季節。冬本番を迎える今、「あかぎれ」とは何か、その予防法や対処法など、「あかぎれ」の新常識を医師が解説します。
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寒い季節になるとお肌の乾燥が気になるもの。さらに水仕事や手洗いなどで「あかぎれ」に悩まされている人も多いかもしれません。今回はあかぎれってなに? というところから、その予防法や対処法まで、紹介します。
みんなの「あかぎれ」事情
ニチバンが、あかぎれに関するお悩みや予防・対処法について調査したところ、コロナ禍でアルコール消毒や手洗いによる手荒れに悩む頻度が増えた人は約7割にのぼるといい、年齢別では特に10代以下があかぎれに悩む人が多いそうです。
あかぎれができやすいのは、手の指先。特に利き手の人差し指が一番できやすいという結果に。あかぎれができると、「(あかぎれが)服やタオルに引っかかる」「痛くて集中できない」など、日常生活への影響も出てしまいます。
医師が解説!「あかぎれ新常識」
本皮膚科学会皮膚科専門医 花房崇明先生
ここから、日本皮膚科学会皮膚科専門医の花房崇明先生による「あかぎれ」についての解説を紹介します。
あかぎれって何?
あかぎれは、乾燥などによって皮膚の水分や皮脂が奪われ、皮膚が乾燥し、ひび割れができることで起こります。ひび割れが深くなり、中が赤く見えたり、出血や痛みを伴ったりするものをあかぎれと呼びます。
調査結果で、あかぎれのできやすい場所として「手の指先」、中でも利き手の人差し指があがっていますが、これは曲げ伸ばしによって指に負担がかかることによるものです。
あかぎれってどうしてできるの?
気温の低い時期は、汗や皮脂の分泌が低下して、肌が乾燥しやすくなり、皮膚の水分や弾力性が失われ、亀裂が生じやすくなります。寒さや乾燥のほか、洗剤やシャンプーなどを毎日使い続けることによる刺激、水仕事、慢性的な皮膚炎、老化、水虫などが原因で起こることも。
また、昨今は「PC 指荒れ」が増えつつあります。リモートワークやオンライン会議で PC に触れる時間が長くなり、キーボードやマウスが荒れた指の小さな傷を刺激し、少しずつ傷口を広げ、やがてはあかぎれとなり、症状を悪化させてしまうおそれがあります。
指先に圧がかかるパソコン作業などをする際には、必要に応じてお薬を塗った上で、絆創膏などで保護するのがよいでしょう。
アルコール消毒であかぎれ症状が悪化!
皮脂膜という、皮脂と汗などが混じり合ってできたもので皮膚を保護していますが、手洗いやアルコール消毒により洗い流され、結果手荒れを招いてしまいます。皮脂膜はしばらくすると回復しますが、行く先々で手洗いやアルコール消毒を重ねる昨今では、十分に皮脂膜を回復することができず、角質層のなかの水分が蒸発し、皮膚の乾燥が進んでしまうのです。
肌の表面の角質層はバリア機能という、水分が皮膚から逃げないように、肌に潤いを保つ役割がありますが、手洗いなどで傷ついてしまうと、角質層がはがれ、水分が逃げてしまい、肌が乾燥してしまいます。バリア機能が低下してしまう石けんの洗い残しや手洗い後の水分の不適切な拭き方なども関係していると考えられるでしょう。
あかぎれの予防や対策法は?
洗い物
ゴム手袋を着用。お湯ではなく水を使用しましょう。
入浴
お湯の温度 38~40度が理想です。髪を洗う時は、あかぎれ・ひび部分に髪(液剤)が入らないように、指先ではなく、手のひらを使いましょう。入浴時は手が湯船に浸かり過ぎないよう注意。入浴後はすぐに保湿してください。
手洗い・消毒
手洗いは水もしくはぬるま湯で行い、よく泡立ててしっかり洗い流します。拭き取り時にこするのはNG。水分を吸収するように、優しく拭き取りましょう。
また、厚生労働省は「手洗いの後、さらに消毒液を使用する必要はない」と推奨しているので、手洗いか消毒のどちらかの方法で対策を行うようにしましょう。あかぎれがひどいときは、石鹸、アルコールは使わずに水もしくはぬるま湯でしっかり洗い流すだけでも◎。
あかぎれにおすすめアイテム
ハンドクリーム
肌を刺激する成分を極力含んでいない(低刺激、敏感肌用など)ものがおすすめ。
保湿剤はワセリンなど、成分そのもの自体には強い保湿効果は無いものの、皮膚表面に油分のベールを覆って水分の蒸発を防ぐ「エモリエント」効果のあるものと、ヘパリン類似物質、尿素、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸など水分を保持する「モイスチャライザー」作用のある「ヒューメクタント」を含むものに分けられます。
使用感(塗りごこち)などを試して、自分にあったハンドクリームを選びましょう。「ヒューメクタント」を含むハンドクリームを塗って水分を保持した上で、その上にさらにエモリエント効果のあるワセリンなどを上塗りして、水分の蒸発を防ぐのもおすすめです。
絆創膏
皮膚に亀裂が入っている場合には、絆創膏などで保護して適度な湿度を保つことが大切。キズ口からばい菌が入るのを防ぐためにも絆創膏は重要です。
モイストヒーリング(湿潤療法)が期待できるタイプの絆創膏を使えば、あかぎれを治すのに適した潤った環境を作り、皮膚がきれいに再生するのを促すので、キズ口がそれほど痛まずにあかぎれを治すことができます。指を動かしたり、曲げたりしてもしっかりフィットするタイプのものがよいでしょう。
あかぎれを保護する絆創膏
あかぎれを保護する絆創膏は色々あります。
例えば、ニチバンからは1997年に「肌へのやさしさ」と「フィット感」を兼ね備えた救急絆創膏「ケアリーヴ TM」が発売されています。あかぎれ、ひびわれの多い指、手の甲などにぴったりのサイズが取りそろえられていますよ。
ケアリーヴ TM 治す力 TM シリーズ
モイストヒーリング(湿潤療法)で痛みを軽減し、キズやつらいあかぎれも早くきれいに治す絆創膏シリーズ。ハイドロコロイドという特殊素材の「モイストパッド TM」でキズぐちをピタッと密閉し、キズぐちから出る体液を吸収、保持してくれます(管理医療機器 家庭用創傷パッド)。
ケアリーヴ TM 治す力 TM
「高密度ウレタン不織布」を使用したやわらかいテープ素材は、タテヨコによく伸び、指を動かしたり、曲げたりしてもしっかりフィット。通気性が良く、白くふやけにくいのが特長です。
あかぎれやひびわれの部分はハイドロコロイド素材のパッドで保護し、まわりの健康な肌は伸縮性と通気性のよいテープで覆います。指先のあかぎれには、指先をカバーする「ケアリーヴ TM治す力 TM指先用」もありますよ。
ケアリーヴ TM 治す力 TM 防水タイプ
薄さ0.03mmの特殊加工フィルムにより防水性を高めた、貼っても目立たない透明タイプ。手の甲のあかぎれには、「ケアリーヴ TM 治す力 TM 防水タイプ スポット用」をどうぞ。
あかぎれをケアして冬を健やかに
あかぎれはできてしまうと、日常の至る場面で痛みを感じるなど、つらい思いをするもの。花房先生が教えてくださったように、日頃から洗い物や手洗いの方法に気を配ったり、また、クリームや絆創膏などで保護したりなど、あかぎれができないように予防していきたいですね。
あかぎれがひどい場合には、皮膚科専門医のクリニックに受診して相談することも大切です。あかぎれを予防、保護して、毎日を健やかに過ごしましょう!
https://iemone.jp/article/beauty/miyuki_hayashi_382694/
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