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カカオ豆から作る進化系甘納豆「加加阿甘納豆」が新発売

IGNITE / 2020年12月31日 11時0分

カカオ豆から作る進化系甘納豆「加加阿甘納豆」が新発売

昭和時代、お茶うけに出ることも多かった和菓子のひとつが甘納豆だろう。しかし、年々、需要は減少傾向に。そんな「甘納豆」に関心を持ってほしいと願う京都の甘納豆専門店『斗六屋』が、チョコレートにヒントを得た進化系甘納豆「加加阿甘納豆(かかおあまなっとう)」を発売したので紹介したい。

進化系甘納豆「加加阿甘納豆」

■3年の開発期間を経て、京都の老舗(和)とベンチャー(洋)のコラボが生み出した進化系甘納豆が誕生

カカオ豆で作った「加加阿甘納豆」は、京都大学大学院で微生物を研究していた甘納豆研究家の4代目である近藤健史が、伝統製法を科学の視点から検証。初代より受け継ぐ都名物の甘納豆を3年間かけて研究して作り上げた和洋折衷の一品だ。

4代目/甘納豆研究家 近藤健史

タッグを組んだのは、京都のベンチャー企業で、ビーン・トゥ・バーチョコレートの先駆けでもあるクラフトチョコレートメーカー「Dari K」。インドネシアにおいてカカオの生産指導から発酵・焙煎まで一貫製造し、酸味と苦味のバランスの取れた高品質のカカオ豆に定評があり、現地生産者の所得向上にも貢献している。

■減少する甘納豆専門店と「加加阿甘納豆」の開発秘話

斗六屋は、昭和元年(1926)に初代・近藤スエノが、インドへの出稼ぎから帰国後、京都・南座前に創業した甘納豆専門店。まだ女性が創業することが稀だった時代、初代は 「都名物」と掲げ、以降甘納豆一筋に商いをしてきた。

後列左端:初代・近藤スエノ

創業当時の引札

しかし、甘納豆の需要は年々減少傾向にあり、京都では甘納豆専門店がこの4年間で3軒廃業。このままでは、甘納豆そのものがなくなっていく可能性があることに危機感を感じた4代目は、2017年に『甘納豆のイメージ街頭アンケート』を実施。その結果、30代以下の回答から「ご年配の菓子」「甘すぎる」などがあがっていることを知り、甘納豆に興味を持ってもらうための研究の日々が始まる。

2018年にイタリアで開催されたスローフードの世界大会に甘納豆を初出品。さらに、甘納豆と似た洋菓子であるマロングラッセの技術も本場で学んだ。

4代目/甘納豆研究家 近藤健史(右)2018年イタリアのスローフード世界大会にて

カカオ豆は、通常の豆類とは成分が全く異なり、吸水から炊き方の時間までも違うため、失敗の繰り返し。

カカオをチョコレートにする際は、皮は焙煎してとってしまうが、甘納豆では皮付きが必須。だが、カカオ豆の皮には果肉由来の繊維質がこびりついており、水で戻すと膨み、強いぬめりとなって美味しくない。この「皮は残しながら、ぬめりだけはきちんと取り除く」下処理方法を模索し続けたという。

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