ニューノーマルによる行動変化で「デジタル認知症」のリスク高まる
IGNITE / 2021年4月30日 16時0分
ニューノーマルな生活は「デジタル認知症」のリスクが高まる、という気になる調査結果が発表されたので紹介しよう。
■「ニューノーマルと認知症に関する意識調査」を実施
アクサ生命は、20代~60代の男女1,000名を対象にウェブアンケートで「ニューノーマルと認知症に関する意識調査」を実施(2020年12月)した。
■他人事ではない気になる調査結果
コロナ禍により、外出自粛や新しい生活様式「ニューノーマル」に沿った行動では、以下のような変化が起きている。
・「巣ごもり」により運動機会は減少傾向
・食事の買い置きによって栄養が偏りがちに
・対面コミュニケーションの減少により脳の認知機能が低下傾向
・テレビなど受動的なメディアとの接触が増加、暗いニュースにより気持ちが低下し、ストレスが増加
これらは認知症のリスクを高める要因と合致する。
特に現役世代においては、デジタル認知症「スマートフォンやパソコンなどデジタル機器への依存によって、記憶力・集中力・注意力の低下や、言語障害といった認知症に似た症状がでること」の増加が懸念される。
「アクサの脳トレ」を監修するNeU取締役CTOの川島隆太博士は、「対面コミュニケーションの減少は、脳の前頭前野の活動が低下する懸念がある」とし、「長期的視座に立つと認知機能の低下の懸念は増加していく可能性が高い」と指摘。
また、「テレビやスマートフォンなどの長時間視聴は、前頭前野の血流が低下し、働きに抑制がかかり、脳の衰えを加速させる懸念がある」と示唆している。
■前頭前野を活性化させるには、音読や会話、調理などがおすすめ
認知機能の維持・向上には、「頭を使うことで脳の前頭前野の血流が上昇(=活性化)することが重要」ということが、研究からわかっている。
川島博士は、「前頭前野をしっかり活性化させるには、適度な負荷が重要でリラックスした状態では活性化しないと考えられています。たとえば、音読をする、簡単な計算問題を全力で解く、調理をする、楽器を演奏する、人と対面で会話をするなど、目的をもって能動的に脳を使うことで、適度な負荷がかかり認知機能の維持・向上につながります。」との見解を示す。
■前頭前野を使わない状態は認知機能の低下を招く
一方、テレビやスマートフォンなどインターネット端末での「動画視聴」や「SNS」の利用は、視覚にかかわる「後頭葉」と、聴覚にかかわる「側頭葉」ばかりが使われ、前頭前野の血流はむしろ低下して働きに抑制がかかり、ぼーっとした状態になる。
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