加賀から能登へ。秋を味わう旅【LEXUS×VOGUE JAPAN アメイジング エクスペリエンス in 金沢レポートその2】

IGNITE / 2014年10月27日 16時39分

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【その1】からの続き。


大樋美術館からほどなく『乙女寿司』に到着した。繁華街の小路の奥に、ともすれば見逃してしまいそうな入り口がある。アプローチに一歩踏み入れると、突如としてあらわれるひそやかで優しい佇まいに驚く。

店内はカウンターと小上がりがひとつ。百万石の城下町でいま一番話題を集める寿司店は意外なほど小規模で、華美ではないがどこか雅やかな雰囲気だ。威圧感をみじんも感じさせない柔らかな空気に、店主の鶴見和彦氏の人柄がにじむ。

 鶴見氏の手元をじっくり見ながら堪能する寿司は、端整で楚々とした表情と、その奥に潜む深い旨さが印象的だ。カウンターの上の木箱に整然と並ぶ加賀の秋の味覚たちの鮮やかな色彩も目に楽しい。
鶴見氏に金沢のお寿司の特徴を聞いた。
江戸前のキリっと決める味わいと比べて、あくまで柔らかでさりげない塩梅をするのが加賀の寿司だそうだ。しっかりと仕事をする。しかしその表現は、食べた瞬間に「あれ?何かしてある」とふと感じるくらいに抑える。店主の繊細な技術とセンスは、金沢のみならず全国の寿司好きの心を捉えている。信頼の技術とエモーショナルなデザインで世界にファンが多いLEXUSと共通性を感じるような・・・。

寿司を堪能した一同は、いよいよLEXUS車でのドライブへ。

金沢から里山海道を走り能登半島へ向かう。美しい日本海とその浜辺をしばらく楽しみ、そして緑が美しい山の中を抜け、今夜の宿『和倉温泉加賀屋』に到着。開湯1200年という歴史と、眼前の七尾湾の絶景、そして能登の山海の幸が堪能できる和倉温泉。加賀屋はその中心的存在である。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の総合部門34年連続1位という、温泉旅館の中の温泉旅館だ。


まず七尾湾の夕景に圧倒された。加賀屋のテラスに立てば遮るものは何もなく、静かな海と色彩の魔法を楽しむことができる。

そして温泉旅館の楽しみといえば、やはり部屋食。押し付けがましくなく、しかしどこまでも行き届いた加賀屋の「もてなし」とともに能登の幸を堪能する。
食前酒とともに楽しむ宴のプロローグは、やはり海の幸から。柿なますは、カマスの香ばしさと貝の歯ごたえが印象的だった。


能登の珍味代表格の干しクチコをちぎって炙る。網に乗せてしばらくすると、海の命のような芳醇な香りが立ち上る。お酒好き同士差しつ差されつ……こんな女子会をしてみたいもの。

九谷のきらびやかな器で供されるのは、能登の本領発揮のおつくり。なんと一人に十種。ゴージャスである。ただし加賀屋の食事ももてなしも、観光地によくあるとって付けたような豪華さとは無縁だ。ひとつひとつの素材が確かで、何の無駄もない本物の“贅沢”の演出に、歴史に磨かれた理念が垣間見える。

さらに能登は海の幸ばかりではない。潮風の中で育った能登牛をたっぷりと。これは今回のツアーのための特別なアレンジだ。きめの細やかな肉質と豊かな旨味に、また一つ驚かされる。

旅程1日目の夜は、体中を能登の秋で満たされて床についた。

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2日目はロングドライブだ。
能登湾沿いを北上し、輪島塗の塗師、赤木明登氏の工房へ。ラフロードを越えて結界のような山々に分け入れば、そこもまた異空間だった。


深い木々の間にこつ然と姿を表す山中の一軒家で出迎えてくれたのは赤木氏とその細君だ。塗師の世界に飛び込む以前は東京で編集者をしていたという赤木氏。慎み深く飾り気はないのに、とても垢抜けた存在感を持つ人物だ。

工房と隣り合わせの住まいで赤木夫妻は暮らしている。蛍、月見、雪景色。輪島の自然を借景としたダイナミックなテラスを前に、酒杯を傾ける日々なのだそうだ。使いこまれた薪ストーブに厳しい冬を思う。

「僕の通勤は短いですよ」と、茶目っ気たっぷりの赤木氏の案内で、徒歩数メートルの工房へ。輪島塗りの塗師のしごととは、どのようなものだろうか。

【その3】へつづく

IGNITE

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