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『暗闇の美術 陰鬱でもの悲しく怪奇な作品集』が発売。陰鬱さ、もの悲しさ、怪奇さがテーマの芸術作品集

IGNITE / 2024年2月18日 19時30分

『暗闇の美術 陰鬱でもの悲しく怪奇な作品集』が発売。陰鬱さ、もの悲しさ、怪奇さがテーマの芸術作品集

求龍堂が手掛けた初の翻訳ビジュアル資料集『暗闇の美術 陰鬱でもの悲しく怪奇な作品集』が販売中だ。

思わず目を背けたくなる人間の陰鬱さ、もの悲しさ、怪奇さをテーマとした、美しくもダークな芸術作品集を手に取ってほしい。

現代における精神分析美術書とも言えるような一書

人間の思考回路とその結果の精神状態について言えば、幸福で悦びに満ちた状態が長く続くことは希であり、多くは大なり小なりの恐れや不安、悲しみといったマイナス思考に支配されているのではないだろうか。

それらは悪夢や妄想、苦悩と虚無感、緊張や恐怖によるパニックなどとなって現れ、我々を苦しめる。人間が抱える闇の領域から自身を剥がすことは容易ではなく、生きている限り、我々は何度となくその中に身を置き留まってしまう。

同書では、そうした人間の本質に導かれるようにして生み出された芸術作品を集め紹介している。芸術家は、この、人間のマイナス思考をも強力なパワーと捉え、見るものを釘付けにするような暗示的な美の空間を創り出す。

それらは作品と対峙する鑑賞者に向かって、何かを言い当てるかのような衝撃を与えて震わせるかもしれないが、そのスリリングな出合いを求めて頁をくる手が止まらなくなる。現代における精神分析美術書とも言えるような一書だ。

200点を超える作品を紹介

同書では、太古から現代までに生み出されてきた世界中の芸術作品を「人間の陰鬱さ、もの悲しさ、怪奇さ」をテーマに徹底的に調べ、その膨大な中から、絵画を中心に、版画、彫刻、写真など多様なジャンルによる200点以上(作品画像165点)を紹介。各章には作家の言葉、関連資料も記され、読者をより深い理解へと導いてくれる。

掲載されている作品は、最も古いもので紀元1~2世紀、ヘレニズム時代の「ヒュノブスの頭部」から始まり、近代、現代までのものが並ぶ。各テーマごとに並んだ作品群に新たな作用が起こり、読者の知的好奇心が刺激されることを期待している。

著者S・エリザベス氏による謎めく各作品と作家への丁寧な解説

同書は全体を4章(第1章 すべては己の思考のなかにある/第2章 人間の条件/第3章 わたしたちを取り巻く世界/第4章 別世界からのメッセージ)に分け、その中をさらに12の項目に分けて作品紹介をしている。各章、各項目のはじめには、その章を象徴するような作家の言葉が記され、テーマを理解するための丁寧で興味深いテキストが掲載されています。そして各作品画像の側には作家と作品の特徴等の解説が付されており、資料集としての充実にも配慮されている。

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