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今こそ、特撮が面白い。仮面ライダーウィザード。

インフォシーク / 2012年10月9日 19時0分

実は空手の有段者。小倉久寛さんのアクションシーンは無いのか!

よく考えたら、仮面ライダーってすごい番組である。

大の大人が、この世にないコスチュームを着て、飛んだり跳ねたり銃を撃ったりキックしたりして、そんなシーンをよりカッコヨク撮影するために、これまた大勢の大の大人たちが、爆薬をしかけたり、血糊を飛ばしたり、やられ方にこだわったりしているのである。

大人が子供のように考え、悩み、工夫し、想像の世界を現実にする仕事。特撮の世界は素敵である。

10月7日放映の仮面ライダーウィザード(第6話)には、度肝を抜くシーンがあった。

アクションシーン? 甘いね、確かにウィザードはアクションがスゴイのだが、そんな当たり前のところではない。もっとニッチなシーンである。

第6話では、仮面ライダー電王のヒロインである松本若菜がゲスト出演しているのだが、度肝を抜かれたシーンとは彼女のシーンである。

なんと、彼女、いきなり地面に引きずり込まれたのである。

足から一気に、ズルズルズルズル~、である。

現実にはありえない。さすが特撮。そのシーンを何度も見てみたが、本当によく出来ている。

このシーンの撮影、スタッフの方々は面白かったろうな、と思うのだ。どう引きずり込むか、どう、まるで現実のように思わせるか。まさに大人が子供のように考えたはずなのだ。

ついでに言うが、松本若菜は美人である。スタッフのこのシーンのクオリティの高さには、彼女が美人であることが作用したんじゃないか! と、私はくだらないことを疑っているのだ。例えば、企画会議はこうだ。

「松本くんは美人ですな」
「そうですな」
「美人があんなことしちゃう、こんなことしちゃう、というのは、とても良い絵ですな」
「そうですな」
「松本くんにもやはり、あんなことやこんなことをやってもらわないといかんですな」
「そうですな」
「地面に引きずり込まれるというのはどうですかな」
「美人がア~レ~と、引きずり込まれるというのは、良い絵ですな。それでいきましょう」

まぁ、このような会議が行われたのかもしれない。

撮影現場も大変である。

「今日は美人の松本さんが地面に引きずり込まれる!」
「おう!」
「美人である!」
「おう!」
「引きずり込み方にも、美人に見合ったプロの技術が必要である! 皆、心して引きずり込むように!」
「おう!」

まぁ、このような事前打ち合わせがあったのかもしれない。

しかしこれが美人でないと、おそらくここまで熱は帯びないはずなのである。

「丸井さんは、まぁ、そこそこですな」
「そうですな」
「まぁ、テキトーに引きずり込んでおきますか」
「テキトーにいきましょう」

現場もそうだ。

「今日は人を地面に引きずり込むシーンだ」
「へ~…」
「皆、自分が怪我しないようにな」
「はぁ…」

まぁ、せいぜいこのレベルだろう。

何が言いたいかというと、映像ってやっぱりスタッフの熱がそのまま表れるし、こと特撮ってスタッフの熱がビンビン伝わってくるな、ということである。

先にも書いたが、仮面ライダーウィザードはアクションシーンがかなり見どころだ。スタッフの熱がビンビンである。主役が指輪を取り出して「シャバドゥビタッチヘンシーン!」と変身するあたりから、「さぁ、アクションだ!」とテンションが上がってしまうほどだ。

日本が誇る特撮番組。大人が子供のように真剣に取り組んでいる特撮番組。仮面ライダーウィザード。

いつもと違う、ちょっと特撮目線で、見てみてはいかがだろうか。

ガッケンター
1973年1月生まれ。芸術家。ライター。芸術活動のかたわら、仲間と協力してゆるゆる映画応援サイト「ガッケンターサイト」の運営や、映画監督や俳優もゲスト出演する「ガッケンターTV」(インターネット)の製作をしている。

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